平成28年度ひたちなか市施政方針

本間源基市長は、平成28年ひたちなか市議会3月定例会の開会(平成28年3月1日)にあたり、平成28年度の市政運営に関する所信を表明しました。ひたちなか市施政方針の全文を掲載します。

6つの施策の柱

第1 災害に強く安全安心に暮らせるまちづくりの推進

第2 産業の振興と地域経済の活性化

第3 福祉・医療の充実と元気づくりの推進

第4 子育て支援と教育の充実

第5 都市基盤の整備と住みやすいまちづくりの推進

第6 自立と協働のまちづくりと行財政改革の推進

平成28年度 ひたちなか市施政方針

平成28年第1回ひたちなか市議会3月定例会の開催に当たり,提案いたしました議案などの説明に先立ちまして,市政運営に関する所信の一端を申し上げ,市民の皆様と議員各位のご理解・ご協力を賜りたいと存じます。

東日本大震災から間もなく5年が経過しようとしております。震災から10年と定められた復興期間のうち,前半5年間の「集中復興期間」に引き続き,平成28年度からは「復興・創生期間」と位置づけられております。本市におきましても,国の交付金等を活用しながら,「ひたちなか市復興計画」に基づき,「震災以前よりもっと元気なひたちなか市」を目指して復旧・復興に向けた取組を着実に進め,現在では震災復旧事業はほぼ完了したところであります。

昨年9月には関東・東北豪雨によって鬼怒川が決壊し,常総市を中心に死傷者や建物の流失・浸水など甚大な被害が発生しました。全国的にも集中豪雨や土砂災害をはじめとした大規模な自然災害が頻発しており,那珂川流域に今回と同じような大豪雨があった場合には,同様な被害が発生することを想定せざるを得ません。さらに,首都直下地震,東南海地震の発生も予測されている中,市民の生命,財産,暮らしを守るため,日頃からの備えに万全を期し,災害に強く,安全安心に暮らせるまちづくりをさらに進めていかなければならないと改めて思いを深くしているところであります。

さて,世界の経済情勢に目を向けますと,ユーロ圏においては,原油価格安と雇用情勢の改善を背景とした個人消費にけん引され,景気は緩やかに回復し,アメリカにおきましても雇用環境の改善が個人消費の伸びにつながり,6年以上にわたり景気の回復局面が続いています。しかしながら,アメリカの昨年10月から12月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期の2.0%増から減速し,年率換算で前期比0.7%の増加にとどまったところです。アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会は,好調な経済情勢を受けて,政策金利を引き上げることを決定していましたが,軌道修正の可能性もあり,先行きは不透明な情勢です。中国経済は昨年の実質経済成長率が7%を割り込むまで勢いを弱めており,徐々に減速しています。本市に集積するものづくり産業においては,業績が国際金融情勢や外需に影響を受ける企業も少なくないことから,中国市場の縮小などの海外経済の動向に今後も注視していく必要があります。

このような中,我が国においては,平成26年4月の消費税率引上げ後から続いていた消費マインドの冷込みの影響が徐々に薄れるとともに,完全失業率の低下や有効求人倍率の上昇など雇用情勢の改善が見受けられ,企業の経常利益も増加傾向を示すなど,景気の緩やかな回復基調が続き,政府の日本経済の先行き見通しでは,雇用・所得環境の改善や海外景気の回復などに支えられ,緩やかな回復に向かうとされております。一方では,世界金融市場の動揺や海外経済の減速により,ここ数ヶ月においては,株価下落や円高の傾向も見られ,昨年10月から12月期の実質国内総生産は,前期比0.4%減と2四半期ぶりにマイナスに転じたところです。実質賃金の伸び悩みや食料品の値上げなどから消費者の節約志向が根強く,個人消費の回復ペースは鈍化しており,企業業績についても,円安によるメリットは輸出のウエイトが高い業種・産業分野に限られており,国民の間,特に地方経済では未だ景気回復をまだまだ実感するには至っていないと認識しているところであります。

政府においては,新たな3本の矢として,1本目を名目国内総生産600兆円を目標とする「希望を生み出す強い経済」とし,従来の3本の矢による成長戦略を集約した上で,2本目に希望出生率1.8の実現を目指す「夢を紡ぐ子育て支援」,3本目に介護離職ゼロを目標とする「安心につながる社会保障」を打ち出しました。政府は,これにより,少子高齢化に歯止めをかけて50年後も人口1億人程度を維持し,家庭・職場・地域において,年齢や性別,障害の有無などにかかわらず,誰もが自己の能力を最大限に発揮することのできる「一億総活躍社会」の実現を目指すとしております。

一方,環太平洋経済連携協定(TPP)につきましては,昨年10月に交渉参加国の大筋合意がなされ,本年2月には協定の文言を確定させる署名式が行われたところであり,今後,国会での審議をはじめ,協定の発効に向けた動きが進展していくものと思われます。政府は,TPPがもたらす経済効果として,輸出の増などにより実質国内総生産を2.6%底上げすることができるとの見通しを示していますが,この試算は,現在の国内の農産物生産量の水準を維持できることなどを前提としたものであります。しかしながら一方,農産物の関税撤廃に伴って安い輸入品が入ることにより,国内農業が大きな影響を受けることが懸念されているところであり,国の法制度の整備や予算措置などの対応も含め,今後の進展及び本市農業への影響を注視する必要があると考えております。

このような中,本年1月に編成された総額3兆5千億円の平成27年度補正予算には,子育てや高齢者等支援のための保育所・介護施設の整備やICTを活用した事務省力化による保育士の勤務環境の改善,三世代同居・近居の推進,さらに地方版総合戦略に位置づけられる産業活性化や新事業促進の取組に対する地方創生加速化交付金,低年金高齢者への3万円の給付金のほか,TPP対策としての農林水産業の体質強化,災害復旧・防災・減災事業,復興の加速化などが盛り込まれております。

また,政府の平成28年度予算案は,一億総活躍社会の実現に重点配分する一方,診療報酬の引下げなどにより社会保障費の伸びは抑制し,経済成長と財政再建の両立を図ったものとしております。歳出においては,一般会計の総額は対前年度比0.4%増の96兆7,218億円となり,当初予算規模では4年続けて過去最大を更新したものとなっております。歳入では,企業業績の改善などを背景に税収を前年度より約3兆円多い57兆6,040億円と見込んだところですが,税外収入と合わせても,なお不足する歳出の約4割に当たる34兆4,320億円については国債の発行で確保することとなったところです。新規国債の発行規模は7年ぶりの低水準に抑えたものの,政府債務残高は,GDPの2倍という先進国では突出した水準に達しており,昨年6月に財政健全化計画で掲げた「基礎的財政収支を2020年度までに黒字化させる」という目標達成への道筋には,相当の困難があるものと感じているところであります。

地方との関連においては,東京圏への一極集中を是正し,地方活性化を目指す地方創生について,「財政支援」,「人的支援」,「情報支援」を「地方創生版3本の矢」と位置付け,先進的な取組を行う自治体に向けた「新型交付金」に1,000億円を計上しているところであります。

一方,地方自治体の財源不足を補う地方交付税については,景気回復による地方税収の増加などを背景に,前年度予算比546億円減の16兆7,003億円となり,地方交付税の不足分を自治体が一時的に肩代わりする臨時財政対策債の発行も減額されたところです。また,経済対策として実施される法人税の実効税率の29%台への引下げや償却資産税の減免,法人市民税の一部国税化の更なる推進などの税制改正は,地方財政に大きな影響を与えるとともに,本市をはじめ企業誘致等に積極的に取り組んできた自治体の自助努力に水を差すものでもあり,国がきちんとした代替財源の措置等をすべき重要な問題であると認識しております。地方の自立的な財政運営を維持していくため,全国市長会の活動等を通じて,地方交付税を含めた財源の安定的な確保を,国に対し,引き続き強く求めてまいりたいと考えております。

本市の人口はこのところ横ばいか,やや減少の傾向となっており,本市においても人口減少の局面を迎えつつあります。一方,高齢者のみの世帯や夫婦と子どものみからなる世帯等は増加しており,核家族化が進行しつつあります。このような中,自治会加入率の低下に見られるように,これまで地域社会を支えてきたコミュニティ機能の低下も生じてきていると感じております。 本市としては,この失われつつある家族や地域の絆を再び構築することにより,子育て世代や高齢者が安心して暮らせる環境づくりに引き続き取り組んでまいりたいと考えております。そのためには,本市の製造業,農業,水産業,観光・サービス業等の多様な産業の活性化や,企業誘致等により,若い人たちが働く場を確保し,安定した収入を得て家庭を築くことができるようにすることがまず大切であります。このような認識に立って,本市の豊かな産業力と市民力のもとに,自立と協働のまちづくりをさらに進めてまいりたいと考えております。

平成28年度は,第3次総合計画の初年度であります。平成27年12月議会において議決いただいた第3次総合計画基本構想に定める,新たな将来都市像「世界とふれあう自立協働都市 ~豊かな産業といきいきとした暮らしが広がる元気あふれるまち~」の実現に向けた施策に計画的に取り組んでまいります。

次に,平成28年度の市政への取組について,前提となる財政状況及び平成28年度予算案をご説明いたします。

平成28年度地方財政計画によれば,地方の税収についてはリーマンショック以前の水準にまで回復するとされており,地方法人税の導入による法人市民税法人税割額の減収を考慮しても,前年度比0.8%の増収が見込まれているところであります。

しかしながら,市内に目を向けてみましても賃金や雇用などの改善による経済の好循環という実感はまだまだ乏しいと感じております。また,年明け以来の株価の下落や円高の進行を受け,日銀がマイナス金利を導入するなど,経済の先行きは不透明となっており,地元企業の設備投資や収益,それらに基づく市税収入について,現時点で的確な見通しを立てることは困難であると考えております。

こうした中,本市においては,基金による年度間の財源調整により財政運営の安定を図ることとしており,本年度においては普通交付税の確定額及び震災復興特別交付税の交付見込額や,執行残額等を勘案し,3月補正予算において基金の取崩しを中止したことにより,市債管理基金及び財政調整基金の合計残高は平成26年度末の146億円を維持できる見込みであります。平成28年度の予算編成に当たっては,これらの基金も活用しながら,福祉・医療などの社会保障関連経費の増加に確実に対応するとともに,市民生活向上のための施策に積極的に取り組んでいくこととし,職住近接のまちづくりと家族,地域の絆の再構築を目指す施策などに引き続き重点的に予算を配分したところであります。

一方,3月補正予算においては,国の平成27年度補正予算に対応し,ひたちなか海浜鉄道の設備投資費補助,マイナンバー制度の導入に伴う情報セキュリティ強化,保育士の処遇改善のための施設型給付費の増額,年金生活者等支援臨時福祉給付金の給付に要する経費など,約5億4,800万円を計上しております。なお,あわせまして,ものづくり産業支援のための新たな取組について,地方創生加速化交付金を活用し事業化することを現在,国と協議しているところであります。

平成28年度当初予算案のうち,まず,歳入の根幹を成す市税につきましては,平成27年度当初予算と比較して約3,500万円増の229億680万円を見込んでおります。これは,地方法人税の影響による法人市民税の減収はあるものの,平成27年中の所得に基づく個人市民税の増収を見込み,市税全体としては0.2%の微増としたものであります。

次に,歳出につきましては,人件費の抑制等の行財政改革に引き続き努めておりますが,障害福祉サービスや民間保育所への施設型給付費をはじめとする社会保障関連経費や,公共施設の老朽化による維持補修費などの義務的経費が増加しております。

このようななか,中心市街地における子育て支援・多世代交流施設の整備,那珂湊支所新庁舎の建設,小中学校の改築を含めた耐震化の推進,六ッ野スポーツの杜公園や親水性中央公園等の都市基盤の整備,また,救急医療のための医師の確保・増員や,市独自の方式による安定ヨウ素剤の配布など,市民生活に係る重要な課題に対処してまいります。さらに,ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸計画の具体化に向けた調査や,高場陸橋の4車線化調査など,将来の発展に向けた中期的な課題にも積極的に取り組むとともに,空き家対策や地域福祉推進体制の充実など,市民との協働により地域をあげて取り組むべき課題への対処を盛り込んだところであります。これにより,当初予算規模は,一般会計で前年度比1.4%増の519億5,500万円となっております。

特別会計では,市の財政の大きな負担を伴う土地区画整理事業について大幅な計画見直しを行っているところであり,そのなかで災害時の避難用道路ともなる和田町常陸海浜公園線をはじめとする都市計画道路の整備や,公共交通の利便性向上のための駅前広場等の整備に重点的に取り組むこととし,土地区画整理8会計合計の当初予算規模は,ほぼ前年度並みの約21億円となっております。また,公共下水道事業会計では,下水浄化センターの老朽化に伴う受変電設備の更新工事や,平磯2号雨水幹線の整備工事に着手することから,前年度比約5億円の増となっております。国民健康保険特別会計は,医療給付費の増加に伴い前年度より約1億2千万円の歳出増となり,そのため,一般会計からの繰出金を1億円増額しております。また,介護保険会計においては,新たに,在宅医療と介護の連携や,認知症に対する初期集中支援に取り組むとともに,介護保険給付費の増加に対応することにより前年度比約6億円の増となっております。上坪浄水場の移転改築用地の造成工事費などを計上している水道事業会計を含む特別会計全体では,前年度比3.2%増の406億8,585万円となっております。

また,国庫補助の補助率嵩上げの対象が平成27年度までの着手事業となっていることから繰越を前提として平成27年度予算に計上した小中学校耐震化事業や,人手不足,資材不足等による仕事の遅れなどにより平成27年度中に完了できない工事等,さらに国の平成27年度補正予算に対応して計上した事業につきましては,平成28年度に繰越をして完結を図ることとし,一般会計では33億6,349万円,特別会計では4億4,419万円の予算を繰越いたします。

次に,平成28年度の市政への取組でございますが,以下に掲げる6つの柱により,施策を推進してまいりたいと考えております。

第1 災害に強く安全安心に暮らせるまちづくりの推進

第1は,災害に強く安全安心に暮らせるまちづくりの推進であります。

まもなく,東日本大震災発生から5年の節目の日を迎えます。震災で得た教訓を風化させないために,改めて当時の状況を振り返り,防災意識を高める機会として,3月8日から18日までの11日間,市役所の本庁市民ホールと那珂湊支所ロビーにおいて,「東日本大震災回顧写真展」を開催いたします。

平成26年度に作成した液状化ハザードマップにつきましては,液状化の仕組みや危険性,建物を守るための対処方法などに対する更なる理解の促進を図るため,本年1月に「液状化ハザードマップ解説版」を茨城大学との連携のもと作成し,対象地区内の住民の方に対する説明会を実施したところであります。また,災害発生時の市の行動指針として,洪水対策を想定した「避難勧告等の判断・伝達マニュアル」を策定し運用してきたところでありますが,近年頻発する自然災害の状況等を踏まえ,土砂災害や高潮,津波など,様々な状況を想定した避難勧告等の判断指標及び住民への伝達方法等を盛り込み,マニュアルの改訂を行ってまいります。さらに,災害発生時における指定避難所の長期間の開設に備え,障害者や妊産婦,乳幼児など特別な配慮が必要な方々が安心して避難できるよう,「避難所運営マニュアル」を策定してまいります。

また,震災を契機に,「自らの地域は自らが守る」という意識のもと,各地域の自主防災会を中心に防災活動が活発になってきております。本市としましても,より実践的な市民参加型の総合防災訓練を毎年実施することとしているところであります。引き続き各自主防災会と訓練の検証を行い,課題の共有や改善を図りながら,更なる防災体制の強化に努めてまいります。

津波災害時の高台への迅速な避難対策につきましては,平成27年7月に湊公園南側斜面を通る避難ルートが完成し,北東側の斜面を通るルートについても,この3月中に完成する予定となっております。さらに,新たな避難路として,船窪土地区画整理事業地内の都市計画道路和田町常陸海浜公園線について,平成31年度の供用開始を目指して工事に着手してまいります。

津波・河川氾濫・高潮対策につきましては,那珂川堤防の早期整備を国に強く働きかけるとともに,河口付近につきましては,高潮等の影響による浸水を防止する護岸整備を促進してまいります。また,都市化に対応した上流域の雨水幹線の整備に伴い,下流域の流量が増加し,水田,道路等の冠水が頻発していることから,大川改修工事の早期完成を目指すとともに,県事業である中丸川の改修を促進してまいります。平磯2号雨水幹線の整備につきましては,冠水被害の早期解消へ向け,平磯駅踏切周辺の区間の工事に着手してまいります。

学校施設の耐震改修につきましては,災害時の避難所ともなる体育館の工事が平成27年9月までに完了したほか,耐震化整備計画に基づき,勝倉,東石川,市毛,佐野,高野,長堀の各小学校及び,勝田第一,勝田第三,大島の各中学校の校舎,東石川幼稚園の園舎の耐震補強工事が本年度中に完了する予定であります。また,中根,枝川,堀口,田彦,津田,那珂湊第一,平磯,阿字ヶ浦の各小学校及び,勝田第二,佐野,平磯,阿字ヶ浦の各中学校の校舎,佐野幼稚園の園舎の耐震補強については,平成28年度中の完了を目指し現在工事を進めているところであります。さらに,勝田第二中学校の校舎,高野及び那珂湊第三幼稚園の園舎の耐震補強工事と,勝倉,三反田,那珂湊第三の各小学校の校舎,勝田第二中学校の校舎の改築工事については,平成28年度から実施し,平成29年度末までに学校施設の耐震化を完了させてまいります。

水道事業につきましては,那珂湊地区の浄水・配水機能を耐震性の高い上ヶ砂配水場に集約する湊系配水施設等改修事業が平成27年3月に完了したところです。市内の約7割の配水を担っている上坪浄水場の移転改築事業につきましては,本年度は造成や配水池建設工事に係る第1期詳細設計を行ったところであります。平成28年度は,沈澱池やろ過池など,浄水処理施設の第2期詳細設計を実施するとともに,建設予定地約3.3ヘクタールの整地及び法面擁壁工事などの造成工事に着手いたします。また,安全・安心な水道水を安定供給するため,引き続き老朽管の布設替えや配水管の整備を計画的に進めてまいります。

また,福島第一原発事故後,市内の小中学校の校庭や幼稚園・保育所の園庭等の空間放射線量の測定及び水道水の検査を定期的に実施しております。空間放射線量については,国の基準を下回っており,また,水道水の検査結果についても,放射性物質は検出されておりません。今後も定期的な測定,検査を引き続き実施し,市民の皆様に公表してまいります。また,8千ベクレルを超える指定廃棄物の保管につきましては,本県においては分散保管の方針が決定されたことから,国の責任と負担に基づき,今後,堅牢な施設等の設置による安全な管理及び基準値を下回るものの適切な処分に努めてまいります。

東海第二原子力発電所への対応につきましては,所在地域に位置する自治体として,本市が東海村と同様に直接意見を述べ,協議できる権限を有することは当然のことと認識しております。このため,東海村と周辺5市で構成する「原子力所在地域首長懇談会」及びUPZ圏の15市町村からなる「東海第二発電所安全対策首長会議」の構成市町村と連携しながら,原発所在地域自治体としての意見を反映できるよう,原子力安全協定の範囲及び権限の拡大の見直し協議を引き続き進めてまいります。

原子力災害に備えた広域的な避難計画の策定につきましては,避難者の受入れについて県南地域を中心とする県内12市町村と協議を行うとともに,自治会を単位とした避難先の割り振りや,避難先へ向かう主な経路等の検討を行っているところであります。しかしながら,周辺自治体を含めた広いエリアにおける整然とした避難方法や,災害弱者への支援体制など,様々な課題があることから,実効性のある避難計画は容易に策定できるものではなく,多くの検討事項が残されているものと認識しております。本市といたしましては,今後,県から指定されることとなる県外の避難先市町村との協議も含め,引き続き,慎重に避難計画の策定を進めてまいります。

また,安定ヨウ素剤の配布につきましては,国・県の方針では事前に配布する対象を原子力施設からおおむね半径5キロメートルのPAZ圏とし,説明会開催時の配布方式に限定しているところであります。しかしながら,原子力災害の影響はPAZ圏に留まるものではなく,事故発生時に混乱なく服用するためには,全世帯への事前配布が必須と判断しております。そのため,本市におきましては,市独自の効果的かつ合理的な手法として,医師会及び薬剤師会との連携のもと,チェックシートを用いた問診による薬局での配布方式をとり,市内全域を対象に事前配布を実施してまいります。

消防・救急につきましては,ひたちなか・東海広域事務組合による広域的な消防体制の更なる充実・強化のため,災害時対応の拠点となる消防庁舎等の改修を行うとともに,高規格救急自動車及び導入後20年が経過するはしご消防自動車の更新のほか,消防資機材の整備を進めてまいります。

消防団につきましては,この4年間に3回,県北地区消防ポンプ操法競技大会で優勝するなど,市民の安全安心のため大いに活躍をしているところでありますが,各分団の装備の充実に向け,平成28年度は津田地区の第4分団及び佐和地区の第29分団の消防ポンプ車両を更新してまいります。

交通安全対策につきましては,平成28年度からの5か年を期間とする「第10次交通安全計画」に基づき,市交通安全対策本部を中心に,市民や関係機関などと連携して交通安全運動に取り組むとともに,交通安全フェスティバルや交通安全指導者講習会の開催,交通安全教育指導員による,小学校や幼稚園,自治会等での幅広い世代を対象とした交通安全教育の推進などに取り組んでまいります。特に,高齢者や自転車の関係する事故が多いことから,交通安全研修会や自転車安全利用講習会などを開催し啓発に努めるとともに,本市独自の高齢者運転免許自主返納支援制度の活用を促進してまいります。

防犯の取組につきましては,かねてより「自分たちの地域は自分たちで守る」という意識のもと,市民による自主的な活動が活発に行われているところであり,引き続き自治会等による防犯パトロール活動や児童・生徒の見守り活動などを支援してまいります。また,自治会が設置する防犯灯につきましては,LED灯への移行を促進しながら,設置,維持管理費に対し引き続き助成してまいります。

高齢化や核家族化の進行等に伴い増加しつつある空き家の対策につきましては,「周囲に悪影響を及ぼす空き家への対処」,「空き家の発生の抑制」,「使用が可能な空き家の有効活用」の3つを柱として総合的かつ計画的に取り組んでまいります。「空家等対策の推進に関する特別措置法」の「特定空家等」に該当する空き家につきましては,安全面や防犯上から速やかに対応する必要があることから,行政指導など必要な措置を講じてまいります。さらに,今議会に提案しております「ひたちなか市空家等対策の推進に関する条例」に基づき,法律の「特定空家等」に該当しない場合でも,適正に管理されていないと認められる空き家を「管理不全空家」と認定し,所有者等に対する指導を行うほか,「特定空家等」及び「管理不全空家」の双方に対して,災害時の安全確保などのため早急に対応が求められる場合などにおいて,周囲への危険を緊急的に回避するために必要な最低限度の措置を市が行うこととしております。また,「空家等対策計画」を策定し,自治会等と連携して,空き家の発生抑制や有効活用などに取り組んでまいります。

第2 産業の振興と地域経済の活性化

第2は,産業の振興と地域経済の活性化であります。

雇用の促進につきましては,引き続きハローワーク等の関係機関と連携し,ワークプラザ勝田内の地域職業相談室において,求人情報の提供等を行うとともに,新卒者の就職を支援するための合同就職面接会,会社特別説明会等を実施してまいります。また,仕事と子育ての両立を目指す方の就職を応援するセミナーの開催回数を増やしてまいります。

企業誘致の取組につきましては,本年度末までの茨城産業再生特区における固定資産税の課税免除による特例措置について,平成32年度末まで延長することとし,今議会に条例改正を提案しております。この固定資産税の課税免除をはじめとする各種優遇制度や,茨城港常陸那珂港区,北関東自動車道などの産業流通インフラの優位性を,引き続き企業立地セミナーやポートセールス等を通じて積極的にPRし,新たな企業進出や設備投資を促進してまいります。

中小企業対策につきましては,振興金融及び自治金融について,引き続き信用保証料の全額補給を実施し,中小企業の資金確保と経営安定化を図ってまいります。つなぎ資金として需要の多い特別融資制度の短期資金につきましては,市内金融機関に5億5千万円を預託することにより16億5千万円の融資枠を維持し,引き続き市独自の低利融資を実施してまいります。

また,「ひたちなか市創業支援事業計画」に基づき,商工会議所やテクノセンターなどと連携して市内における創業を支援するとともに,創業融資に係る信用保証料を補助するなどの優遇策を講じてまいります。

工業につきましては,新製品等の開発や技能訓練事業等に対する補助を引き続き実施してまいります。また,産業活性化コーディネーターによる企業訪問活動や,テクノセンター等の産業支援機関,茨城高専,商工会議所などとの産学官連携により,中小企業の技術力・経営力の向上や人材育成等を引き続き支援します。また,海外を含む販路開拓支援につきましては,商工会議所やテクノセンター,ジェトロ茨城事務所,中小企業基盤整備機構などと連携し,国内外の展示会や見本市への出展費用等について引き続き助成してまいります。

商業につきましては,商工会議所が取り組む,市内2箇所のコミュニティ交流サロンの運営や空き店舗チャレンジショップ事業を引き続き支援してまいります。また,消費喚起による地元商店街や地域経済の活性化を図るため,商工会議所が実施するプレミアム付商品券の発行を引き続き支援してまいります。さらに,商店街等で管理している街路灯のLED灯への交換について,新たに助成を行ってまいります。

農業につきましては,地域農業の担い手である認定農業者が年々増加し現在116名となっております。引き続き,認定農業者等が行う経営改善や規模拡大に必要な農業機械,施設・設備等の導入に対し助成を行うとともに,新品種の作物や生産技術について調査・研究などを行う「認定農業者の会」の活動について,県などの関係機関とも連携しながら,情報提供等の支援を行ってまいります。また,新規就農者につきましては,本年度中に1名が認定就農者となったところであり,今後も国の給付制度などを活用しながら,新規就農支援に取り組んでまいります。

生産日本一を誇るほしいもにつきましては,様々なメディアで取り上げられるなど注目度が高まっておりますが,近年他市町村でもほしいも生産が活発化しており,産地間競争が激化してきております。このため,引き続き消費者に信頼されるほしいも産地を目指して,「ひたちなか・東海・那珂ほしいも協議会」による生産履歴の記帳,衛生加工及び適正な品質表示の実践によるほしいも生産三ツ星運動を推進してまいります。また,ファッションクルーズでのほしいも品評会を引き続き実施し,衛生面に配慮した本市の高品質のほしいもをPRしてまいります。

また,農業用水の安定的な確保・供給を図る「国営那珂川沿岸農業水利事業」につきましては,早期通水を目指し,柳沢機場等の早期着工を促進してまいります。また,受益地となる中根荒谷地区においては,農地中間管理機構の仲介による農地の貸し借りをさらに促進しながら,畑地帯総合整備事業の実施に向けて支援を行ってまいります。さらに,国の多面的機能支払交付金を活用し,農地の草刈りや水路等の維持管理を行う農業者団体の活動を支援するほか,土地改良区が行う県単土地改良事業による水路の整備等を支援してまいります。また,本年度国道6号横断部に着工した県事業のふるさと農道整備につきましては,早期事業完了を促進してまいります。

水産業につきましては,魚介類の放射性物質の徹底した検査を継続し,漁協と連携して,安全安心な水産物の供給に努めてまいります。また,各種イベント等における水産物のPR,魚介類を使用する調理教室の開催などの魚食普及活動を推進し,水産物の販路拡大を図るとともに,漁業の新たな担い手を確保するため,引き続き,漁業体験研修を行ってまいります。県事業である漁港の整備につきましては,防波堤や岸壁などの老朽化対策及び災害に強い構造への改修を促進してまいります。また,漁港中央公園に展示されている「常陽丸」につきましては,建造から43年が経過し躯体の老朽化が著しいことから,安全の確保のため撤去いたします。

観光につきましては,平成28年度からの10年間を計画期間とする「第2期観光振興計画」に基づき,市民の優しさが満ちたホスピタリティ都市づくりなどを進めてまいります。また,観光による更なる地域の活性化,交流の促進を目指すためには,年間2百万人規模の来場者数を有する国営ひたち海浜公園などを訪れる観光客について,まちなかへの誘導を促していく必要があります。本市においては観光シーズンや土曜・日曜を中心に,観光地周辺の渋滞対策も課題となっていることから,ひたちなか海浜鉄道湊線など公共交通の活用を促進するとともに,那珂湊駅を起点とした周辺の市街地において楽しみながら快適にまち歩きができるよう,「みなとメディアミュージアム」との協働により,デザイン等を工夫しながら,分かりやすい案内表示・標識の整備を行い,観光の回遊性の向上を図ってまいります。また,今後ますます増加が予想される外国人観光客に対応するため,観光パンフレットの多言語版の作成を進めます。さらに,インターネットを通じて観光PRの動画配信を行うことにより,より多くの方々に本市の魅力を伝えるほか,音楽のまちづくりやタコ日本一宣言,那珂湊やきそば大学院などの市民による取組についても積極的な情報発信を行ってまいります。

また,本市の豊かな産業などを広く紹介し,市民と地元産業界との交流を図るため,産業交流フェア,みなと産業祭を引き続き実施いたします。また,姉妹都市である石巻市や那須塩原市のほか,タコの産地として知られる明石市との交流事業を推進し,本市産品のPRに努めてまいります。

第3 福祉・医療の充実と元気づくりの推進

第3は,福祉・医療の充実と元気づくりの推進であります。

福祉のまちづくりの基本は,互いの支え合いと,思いやりの心であり,その支え合いの最も身近な単位は「家族」であります。知恵や経験の継承,日常生活の助け合いに加えて,現在の福祉分野の大きな課題である子育てや介護などを担う家族の力,家族の絆を改めて見直していく必要があると感じております。

このため,転入により,市内で三世代家族として同居・近居を始めるために住宅の取得やリフォーム等を行う場合に補助をする「三世代同居等支援住宅助成金交付事業」を,昨年6月から県内初の取組として実施しておりますが,想定を上回る反響があり,現在既に50件を超える申請があったところであります。

一方,地域社会における絆による地域福祉の推進につきましては,身近な課題について気軽に話し合い,住民同士の交流の場ともなる地域福祉懇談会,通称「井戸端会議」を,高齢者サロンや子育てサロン活動などを行っている方々にも参加を呼びかけながら,引き続き開催いたします。あわせて,地域福祉の課題について地域の方々と一緒に考えていくため,まちづくり市民会議等の場に出向き,コミュニティ,自治会などとの意見交換を行ってまいります。さらに,市民によるサロン活動については,社会福祉協議会と連携しながら,立ち上げや活動の拡大に対し支援を行うとともに,情報発信や相互の交流の場の提供を行うサロンフェスティバルや,地域における担い手を育成・発掘するためのサロン活動実践講座を開催してまいります。

高齢者福祉につきましては,「第6期高齢者福祉計画及び介護保険事業計画」(しあわせプラン21)に基づき,高齢者が住み慣れた地域で生活できるよう,居宅サービスや地域密着型サービスの充実を図ってまいります。また,今後の団塊の世代の方々の高齢化の進行に伴う要介護者の増加を見据え,医療,介護,福祉など,在宅高齢者を一体的に支援する「地域包括ケアシステム」の体制をさらに充実させていく必要があります。このため,おとしより相談センターや認知症地域支援推進員等を中心とした相談支援を引き続き行うとともに,増加する認知症高齢者への新たな対応として,複数の専門職で構成する「認知症初期集中支援チーム」を結成し,認知症の方やその家族に対し,早期診断・早期対応に向けた支援を行ってまいります。さらに,医療機関と介護事業者等の相互理解を高めるための研修の実施や連携に向けた協議の場の設置など,在宅医療と介護を一体的に提供できる体制の構築に努めてまいります。また,地域の高齢者の交流・支え合いなどに自主的に取り組む高齢者サロンや津田地区の「ワイワイふれあい館」の運営を引き続き支援してまいります。ひとり暮らし高齢者への支援につきましては,市民,自治会,民生委員・児童委員及び社会福祉協議会が連携して,見守りや声かけなどにより支え合う本市独自の「小地域ネットワーク事業」を引き続き推進してまいります。

介護保険事業につきましては,認知症高齢者が介護を受けながら共同で生活する「グループホーム」及び通所して日常生活の介助を受ける「認知症対応型デイサービス」,通所・訪問・宿泊の3つのサービスを一体的に提供する「小規模多機能型居宅介護」のための施設が,それぞれ平成28年度の開設に向け市内で整備が進められております。今後も介護保険サービスに対する需要などを見極めながら,介護基盤施設等の整備を図ってまいります。

また,国において平成29年4月までに市町村で実施することとしている「介護予防・日常生活支援総合事業」につきましては,本市では平成27年10月から先行して取り組んでおります。これにより,従来の介護保険による給付である「介護予防訪問介護」や「介護予防通所介護」に相当するサービスに加えて,市独自に,訪問による家事援助サービスや健康維持のための軽い運動等を行う通所サービスなどの事業を開始しており,利用者の方々がそれぞれの状態に応じたサービスを選択できるようになりました。今後も制度内容の周知を図りながら,利用者が引き続き適切なサービスを受けられるよう努めてまいります。さらに,安心して生活できる居住環境整備のため,従来の介護認定者に加えて市独自に,生活機能に低下が見られる介護予防・生活支援サービス事業の利用者を対象に,高齢者住宅改修補助事業を新たに実施してまいります。

元気な高齢者の生活機能の低下を予防する一般介護予防事業につきましては,介護予防講演会や,高場・金上の旧デイサービスセンターにおける「元気サポート教室」を実施してまいります。また,地域介護予防活動支援事業として,元気アップ体操の地域への普及に中心的な役割を担う元気アップサポーターを養成するとともに,食生活の改善や運動の実践を通じ健康づくりを推進していくため,現在32の自治会で取り組んでいる「ときめき元気塾」について,今後さらに那珂湊地区などにおいて普及を推進してまいります。また,茨城大学と連携して元気アップ事業の成果を検証し,高齢者の介護の予防につながる効果的な手法を引き続き検討してまいります。また,地域リハビリテーション活動支援事業として,ときめき元気塾等に理学療法士や作業療法士などの専門職を派遣し,健康づくりと介護予防のための運動指導の充実を図ってまいります。

障害者福祉につきましては,障害のある方が自らの希望する場所で自立した生活を営むことができるよう,障害者総合支援法に基づく介護給付や訓練等給付の実施に当たって,障害の内容や程度に応じた適切なサービスが提供されるよう,相談支援事業所やサービス提供事業所など関係機関との連携を図ってまいります。また,日常生活用具の給付などにより生活をサポートする地域生活支援事業を引き続き行ってまいります。

また,就労能力を有する生活保護受給者の早期自立を支援するため,ハローワークと連携しながら求人情報の提供等を行ってまいります。生活保護には至らない,健康,仕事,家族関係などに複合的な課題を抱える生活困窮者への支援につきましては,ハローワークや市社会福祉協議会などの関係機関とも連携を図りながら,福祉事務所窓口におけるワンストップ型の相談体制により,自立に向けた支援を行ってまいります。 市民の安心を健康面で支える医療体制につきましては,本市の中核医療機関である日立製作所ひたちなか総合病院に対し,重症救急患者等の手術に不可欠な麻酔科医の確保を引き続き支援するとともに,筑波大学附属病院との協定に基づく社会連携講座への支援を拡大し,大学から派遣される専門医の増員を図ってまいります。

予防接種につきましては,乳児を対象とするB型肝炎ウイルス予防接種を本年10月から,全額公費負担による定期接種として開始してまいります。また,乳幼児におけるおたふくかぜ及びロタウイルスの予防接種や,妊娠を希望する方で風しん抗体の低い方を対象とした風しん予防接種,1歳児から中学3年生までのインフルエンザ予防接種に係る費用の一部について,引き続き市独自の助成を実施いたします。さらに,65歳以上の高齢者に対する肺炎球菌予防接種についても,これまでに定期接種を受けていない方への助成を引き続き市独自に実施いたします。

保健・疾病予防の取組につきましては,高血圧や心疾患,脳血管疾患の予防として,食生活における減塩が効果的であることから,乳児から高齢者まで各年代に合わせた減塩教室を実施しているところであります。平成28年度は,これまでの食育計画と健康増進計画を統合して「元気アッププラン」を策定し,更なる減塩対策等を推進してまいります。また,40歳から60歳までの5歳刻みの方を対象としている大腸がん検診につきましては,平成28年度から国の負担が廃止されますが,市単独の全額公費負担により引き続き実施してまいります。さらに,自殺予防対策として,悩みを抱えている人を必要な支援等につなげることのできるゲートキーパーの養成及びフォローアップのための研修や,市民を対象にした啓発のための講演会を引き続き開催してまいります。

また,健康づくりのためには,食生活とともに日常的な運動の継続が重要とされております。本市ではスポーツを通じた健康の増進や市民交流等の促進を図るため,各種スポーツ大会を開催しているところであります。特に勝田全国マラソン大会につきましては,多くのボランティアの方々のご協力に支えられ,この10年で参加者が2倍以上にまで増加しており,今年の大会も47全都道府県から2万2千人を超えるエントリーがありました。引き続き,商工会議所と連携し前夜祭を開催するなど,おもてなしにより大会を盛り上げるとともに,警察や医療関係機関,体育協会などとの連携を密にして,より一層安全・安心で快適な大会となるよう運営に努めてまいります。また,平成31年度に茨城県で開催される国民体育大会に向け,スポーツに親しむ環境をさらに充実していくため,国体の会場となる体育館,陸上競技場等の修繕を進めるほか,市民球場については老朽化に伴うスコアボード改修工事を実施してまいります。また,平成32年開催の東京オリンピック・パラリンピックに係るキャンプ誘致につきまして,茨城県や関係団体との協議を進めてまいります。

第4 子育て支援と教育の充実

第4は,子育て支援と教育の充実であります。

市民が互いに子育てなどを支え合うファミリー・サポート・センター事業につきましては,母子手帳交付時のPRチラシの配布や関係機関等への周知などにより,引き続き利用会員及び協力会員の拡大を図ってまいります。また,育児援助を行う協力会員が子育て等に関する知識・技術を身に付けるための講習会を開催してまいります。

地域のボランティアの方々が中心となって取り組んでいる子育てサロンを支援するため,子育てに関する知識や技術等の向上を図るための研修会や情報交換会を実施する「子育て支援つどいのひろば連絡会」を引き続き開催いたします。また,多岐にわたる子育て支援事業を円滑に利用していただくため,本年度から新たに配置した「子育て支援コーディネーター」により,出前講座や子育て相談,情報発信活動等を行ってまいります。また,事業所や店舗等が,従業員に対する子育て支援や子連れで安心して入店できる環境づくりなどに積極的に取り組むことを宣言し活動する「子育て応援宣言企業等登録事業」を新たに実施し,地域全体で子育てを支援していく体制づくりに向け,気運の醸成を図ってまいります。

子育て支援施設につきましては,乳幼児や保護者同士の交流に加え,育児情報の入手や育児相談が気軽に行えるよう,民間保育所が取り組む地域子育て支援拠点事業を引き続き支援してまいります。また,このたび取得した,中心市街地の良好な環境の中に位置する旧サイエンスラボラトリの土地・建物を活用し,親子が気軽に立ち寄ることができる子育ての拠点施設を新たに整備いたします。この施設については,子育て支援及び生涯学習や市民交流の促進など,複合的な機能を有する「子育て支援・多世代交流施設」として,平成29年度中のオープンを目指してまいります。

保育事業につきましては,民間保育所に対し,障害児保育への市独自の補助を引き続き実施するとともに,食物アレルギーのある児童保育について,新たに施設型給付費に市独自の加算を行うことにより,特別な配慮を要する児童が安心して入所できる保育環境の向上の支援に努めてまいります。

母子保健につきましては,本年度から新たに配置した「母子保健コーディネーター」により,乳児家庭全戸訪問事業や母子保健相談支援事業などを実施し,医療機関等とも連携を図りながら,妊娠期から子育て期までの不安や悩みに対する継続的な支援を行ってまいります。さらに,平成28年度からは,育児不安や高い虐待リスクがあり,支援や助言が必要な妊産婦・乳幼児に対して,保健師や助産師などの専門職による養育支援訪問を実施してまいります。

また,不妊治療の経済的負担を軽減するため,高額となる体外受精及び顕微授精にかかる費用を対象に市独自で国・県補助に上乗せ助成をしておりますが,新たに男性への不妊治療に係る手術費用を対象に加えます。

障害のある児童・生徒への支援につきましては,小中学校における学校介助員を3名増員し,一人一人の状況に応じた介助や安全の確保,学習活動支援の充実に努めてまいります。

また,発達に心配のある児童・生徒への支援につきましては,「みんなのみらい支援室」を拠点として,相談員が小中学校,幼稚園及び保育所を計画的に訪問して児童・生徒を観察し,課題を持つ子どもの早期発見と教諭等への助言に取り組むとともに,本人や保護者を対象にした個別相談や各種トレーニング教室を引き続き開催してまいります。あわせて,保育士等を対象とした支援者スキルアップ講習会や,平成27年10月から開始している小学校入学前の保護者を対象とした発達支援出前講座を引き続き開催してまいります。

医療福祉費支給制度いわゆるマル福につきましては,妊産婦に対し,市独自に,外来及び入院診療の自己負担金及び県の助成対象外の疾病に係る医療費を助成し,引き続き無料化を図ってまいります。子どものマル福につきましては,県補助事業においては,外来診療について小学校6年生まで,入院診療について中学校3年生までを対象にしているところですが,引き続き市独自に,外来診療の助成については中学校3年生までを対象とするとともに,3歳未満児の外来診療と中学校3年生までの入院診療の無料化を図ってまいります。

教育行政につきましては,総合教育会議において本年度定めた「教育の大綱」に基づき,学校教育環境の更なる整備とともに,いじめ問題の解決,未然防止などの地域社会全体で取り組むべき課題等の解決に向け,教育委員会と一層の連携を図ってまいります。

まず,児童生徒一人一人に,確かな学力,豊かな心,健やかな体を養い,将来の社会生活を主体的に切り開いていく「生きる力」を育むための指導力の向上を目指し,教職員に対して,引き続き計画的な研修を実施してまいります。さらに,市独自の非常勤講師「スマイルスタディ・サポーター」による少人数指導やティームティーチングなど個に応じた指導に引き続き努めるとともに,英語指導助手や「わくわくサイエンス・サポーター」を引き続き配置し,英語教育や理科教育の充実に努めてまいります。また,特色ある教育活動を展開するため,コミュニティゲスト事業や部活動外部指導者支援事業など,地域人材の積極的な活用を図ってまいります。

不登校児童・生徒への対応につきましては,教育研究所の教育相談員による電話相談及び来所相談,適応指導教室「いちょう広場」による支援を行うとともに,教育相談員や指導主事の学校訪問による教職員への支援を行ってまいります。また,「心の教室相談員」や「スクールカウンセラー」,家庭訪問を行う「心のサポーター」と学校との連携を図り,長期欠席傾向にある児童・生徒の支援体制を強化してまいります。「絆サポーター」につきましても,那珂湊地区の支援拠点として那珂湊中学校に2名を引き続き配置し,小中学校の不登校児童・生徒への支援に取り組んでまいります。さらに,教育研究所内の「いじめ・不登校相談センター」に,2名の「カウンセリングアドバイザー」を引き続き配置し,専門的見地から児童生徒や保護者,教職員への支援を行ってまいります。

ICT教育の推進につきましては,引き続き磯崎小学校を研究推進校に指定し,タブレット端末導入による学習指導の成果を検証するとともに,市内各小中学校における電子黒板やタブレット端末等の導入・活用計画を検討してまいります。

また,市内の全児童・生徒を対象とする芸術文化鑑賞事業を実施するとともに,伝統文化の継承に取り組む子どもたちの成果の発表の場として「子ども伝統文化フェスティバル」を引き続き開催してまいります。

学校給食につきましては,引き続き放射性物質の検査を行いながら,県内産の食材を中心とした地産地消による安全安心な給食の提供に取り組んでまいります。

また,学校施設のトイレ改修につきましては,年次計画に基づき進めているところであり,体育館については本年度中に全て完了する予定であります。平成28年度は,前渡及び津田小学校,勝田第二及び勝田第三中学校の校舎トイレの改修を実施してまいります。

学校の適正規模化の取組につきましては,小規模化が進む平磯・磯崎・阿字ヶ浦地区における小中一貫校の新設については,PTAや地域住民の方々との意見交換会を通じて提案させていただいたところであり,概ね理解が得られつつあるものと考えております。今後は,引き続き地元での説明会を開催するとともに,候補地の選定につきましては,保護者や地域の皆様のご理解をいただきながら進めてまいります。また,他の小規模校などにつきましても,本市の小・中学校適正規模・適正配置基本方針に基づき,子ども達の健やかな育成にふさわしい学校教育のあり方について,PTA,地域住民の方々との意見交換等を行いながら検討してまいります。

放課後児童対策につきましては,市毛地区の「子どもふれあい館」の活動を支援するとともに,本年度から学童クラブの対象学年を4年生にまで引き上げたところであります。児童が適切かつ安心安全な放課後の活動ができるよう,学童クラブ支援員の認定資格研修受講を支援するとともに,エアコンの設置など環境整備を引き続き行ってまいります。また,放課後,土曜・日曜などにおいて子どもの遊び・学びの場を提供する「放課後子ども教室」につきましても,引き続き,学校やPTA,地域の方々の協力を得ながら運営してまいります。

幼児教育につきましては,引き続き公立幼稚園において,地域・家庭との交流や小学校との連携を行いながら,幼児が伸び伸びと育つ教育環境を確保し,小学校へのスムーズな移行ができるよう努めてまいります。また,障害等により特別な支援を必要とする園児について,介助員等を配置し,きめ細かな保育を実施してまいります。今後の幼児教育の方向性,公立幼稚園のあり方につきましては,園児数の減少,施設の老朽化といった現状,私立幼稚園とのサービス内容の相違や役割分担等を踏まえ,私立の幼稚園,保育所とも協議を重ねながら検討してまいります。

青少年の健全育成につきましては,引き続き学校やボランティア団体等の協力を得ながら,洋上学習,自然体験キャンプなどの体験事業を実施するとともに,高校生会,子ども会育成連合会,ボーイスカウトなどの青少年団体の活動を支援してまいります。

また,文化会館につきましては,生活・文化・スポーツ公社による質の高い舞台芸術の開催等を支援してまいります。

図書館につきましては,利用者サービスの向上を図るため,図書館情報システムの見直しを行い,図書情報の提供やインターネットによる図書予約の充実を図ってまいります。中央図書館につきましては,開館後41年を経過し,老朽化が進行していることから,建替えに向けて,設置場所や施設の規模,機能などについて,検討を進めてまいります。

第5 都市基盤の整備と住みやすいまちづくりの推進

第5は,都市基盤の整備と住みやすいまちづくりの推進であります。

「中心市街地整備事業」として平成20年度から取り組んでいる歩道の段差解消等によるバリアフリー化につきましては,引き続き表町で進めるとともに,新たに元町地区に着手してまいります。駅前広場等の整備につきましては,勝田駅西口について,新たに一般車用乗降場にも雨よけ施設を設置してまいります。また,改札口が西側のみである佐和駅につきましては,JR常磐線の東側からの利用者の利便性向上のため,佐和駅東土地区画整理事業計画の見直しに合わせて,JRと協議しながら,東西自由通路の整備及び駅舎の橋上化のための基本計画を策定してまいります。

中心市街地の活性化に向けての取組につきましては,商工会議所が中心となって平成27年4月に設立しました「ひたちなかまちづくり株式会社」が実施する勝田中央・泉町地区での月例イベント「勝田TA・MA・RI・BA横丁」の開催や,表町の空きビルを利活用した事業を引き続き支援してまいります。あわせて,市で整備予定の「子育て支援・多世代交流施設」についても,商店街や運動広場,健康いきいきロードなどにも近接していることから,まちづくり株式会社等と連携を図ることにより,中心市街地に人の流れや,にぎわいを創出し,商店街の活性化に大いに寄与するものとしていきたいと考えております。

ひたちなか地区につきましては,昭和通り沿いの「都市センター」のエリアにおいて,商業施設の過度な立地が進み,「ひたちなか地区留保地利用計画」に思い描いた当初の土地利用とは異なる姿になりつつあることなどから,将来を見据えたあり方について,国・県や関係団体などを交えて再検討をしてまいりました。その中では,改めて留保地利用計画の基本理念に基づいていくことを確認するとともに,本市として,ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸等を想定した公共交通ターミナル機能や地元特産品の販売機能等を都市センターエリアに整備することを検討しているところであります。また,本市が無償で借り受け管理している,総合運動公園に隣接する国有地の新光町46番につきましては,本年度末までに南北に駐車場を配した約12ヘクタールの多目的広場として整備し,イベントの開催や市民スポーツの場,臨時駐車場等として有効に活用してまいります。平成28年度は関係団体や地元自治会と引き続き協議しながら,トイレの整備やグラウンドの芝生化などを進めてまいります。

茨城港常陸那珂港区につきましては,中央ふ頭地区水深12メートル耐震強化岸壁が本年5月頃に供用を開始し,完成自動車や建設機械の輸出に利用されることとなっております。また,今後の取扱貨物量の増加に対応するため,本年度新たに水深12メートル岸壁の更なる延長整備事業が着手されたところであり,引き続き計画的な港湾機能の拡充を促進してまいります。

港湾の利用促進の取組につきましては,コンテナ貨物の更なる集荷促進を図るため,平成26年度から県,東海村等と共同で実施しているコンテナ貨物量等に応じた荷主への助成及び定期コンテナ航路を開設した船社に対する助成措置について,限度額及び予算枠を拡大いたします。また,昨年12月に,コンテナ貨物荷主企業等を対象としたセミナーを開催するなど,着々とインフラ整備が進む常陸那珂港区の優位性等のPRを行ってまいりましたが,引き続き,国内外へのポートセールス等に積極的に取り組み,更なる港湾利用促進に努めてまいります。さらに,返還財産としてのひたちなか地区固有の歴史や開発の現況などについて広く市民や関係者に紹介し,理解を深めていただくことにより,今後の発展的土地利用を促進していくため,東海村などと共同して,ひたちなか地区に関する新たなインフォメーション活動に取り組み,積極的な情報発信やPRイベントの実施に努めてまいります。

土地区画整理事業につきましては,地価の下落及び宅地需要の縮小による収支の大幅な悪化を背景に,現状道路の活用,家屋移転の縮減等により全体事業費を抑制しながら,基幹となる都市計画道路や通学路,駅前広場,雨水排水路の整備等の公共性の高い事業を優先することを基本に,市内7地区の事業計画の抜本的な見直しに取り組んできたところであります。この3月に見直し業務が完了する組合施行の六ッ野地区につきましては,新たな事業計画に基づき,平成28年度から六ッ野スポーツの杜公園の整備及びそのアクセス道路ともなる東石川六ッ野線の整備等を進めてまいります。市施行の土地区画整理事業につきましては,同じく3月に見直し業務が完了する東部第1地区について,見直し計画に基づく事業に着手するとともに,勝田中根線を東中根団地まで開通させてまいります。佐和駅東・武田・東部第2・阿字ヶ浦・船窪地区につきましては,引き続き地権者との合意形成を図りながら,都市計画及び事業計画の変更等の手続を進めてまいります。佐和駅中央地区につきましては,本年1月29日に換地処分を行ったことから,今後,清算事務を進めてまいります。

道路につきましては,平成21年度から進めてきた西中根田彦線の整備事業が完了し,常磐線をまたぐ「外野跨線橋」が2月27日に供用開始し,大島陸橋,高場陸橋の交通渋滞緩和をはじめ,本市の道路交通機能の大幅な向上が図られたものと考えております。さらに,東中根高場線の高場陸橋につきまして,都市計画決定された4車線化に向けて基礎的な調査を実施いたします。佐野中学校の通学路である佐野中通り線につきましては,平成28年度中の完了に向けて,交差点部周辺の整備を進めてまいります。用地取得に時間を要している市北部と東海村を結ぶ高野小松原線整備につきましては,引き続き早期完了を目指してまいります。東石川高野線につきましては,高場地内において用地取得等を進め,六ッ野土地区画整理事業地区への接続を図ります。また,国道245号につきましては,拡幅の早期完了及び湊大橋の4車線化を引き続き促進してまいります。

都市公園につきましては,住宅の立地が進む東部第2土地区画整理地内の向野第12公園について,地域に親しまれる公園となるよう,市民のご意見等をいただきながら整備を行ってまいります。親水性中央公園につきましては,自然環境を活かした公園として,中丸川の治水対策を目的として県が実施する多目的遊水地整備事業との調整を図りながら,用地取得及び工作物等の補償を進めるとともに,長堀橋南側エリアのビオトープ等の整備に着手してまいります。既存の都市公園につきましては,公園施設長寿命化計画に基づき,公園施設の改修や維持管理を行ってまいります。

生活排水につきましては,生活環境の向上と公共用水域の水質保全を図るため,下水道事業については整備に係る市債残高を増加させない範囲で,効果的・効率的な管渠の整備を進めるとともに,供用開始区域における未接続者に対する戸別訪問や街頭キャンペーン等を行い,接続率向上に努めてまいります。下水浄化センターにつきましては,長寿命化計画に基づき,老朽化が進む受変電設備の更新のための工事を行ってまいります。また,合併処理浄化槽については,地域の状況に即し,下水道事業との役割分担を図りながら,設置費用及び単独処理浄化槽の撤去費用の一部を引き続き助成し,水洗化率の向上を図ってまいります。

環境保全につきましては,持続可能な循環型の地域社会づくりを目指し,引き続き「ひたちなか市の環境を良くする会」等との協働により環境講座や環境シンポジウムを開催するとともに,省エネルギーや資源の有効利用等の普及啓発に取り組んでまいります。

ごみの減量化・再資源化の推進につきましては,自治会や子ども会による資源回収を促進するとともに,家庭用生ごみ処理容器の普及を図るため,引き続き購入費用を助成してまいります。生ごみの堆肥化や干しいも加工残渣の堆肥化につきましては,「ひたちなか市の環境を良くする会」等において実証試験に取り組んできたほか,現在,「ひたちなか・東海・那珂ほしいも協議会」においても,干しいも加工残渣の堆肥化の実証試験を行っているところであり,今後もこれらの活動に取り組む地域・団体等への支援を行ってまいります。また,使用済小型家電回収拠点の拡大,マイバッグ持参運動の普及啓発や,レジ袋有料化及びエコショップ登録の参加店舗の拡大に取り組んでまいります。可燃ごみの焼却施設である「ひたちなか・東海クリーンセンター」については,適切な維持管理に努めるとともに,現在委託処理をしている不燃ごみ処分及び資源リサイクルについては,東海村と協議しながら,施設整備を含めた今後の処理の方向性を検討してまいります。

市営墓地につきましては,引き続き需要が見込まれることから,用地取得が完了した「たかのす霊園」の第6期区画整備の実施設計を行ってまいります。

市営住宅につきましては,既存住宅の長寿命化のための改修工事を計画的に進めるとともに,耐用年数や構造上から耐震補強が困難な住宅の用途廃止を引き続き進め,それに伴う住宅戸数の不足に対応するため,民間賃貸住宅を活用した家賃補助を拡大してまいります。

公共交通の充実につきましては,本年1月から「スマイルあおぞらバス」のワゴン車による「田彦・金上コース」を新設し合計7路線とするとともに,運行範囲の拡大や既存路線の運行本数の増加などを図ったところであります。今後も西中根田彦線の開通をはじめとした交通状況の変化や利用ニーズなどに対応しながら,スマイルあおぞらバスの更なる利便性向上と利用促進に努めてまいります。

ひたちなか海浜鉄道につきましては,本年度は利用者数が新会社発足以来の最高記録を更新し,年間100万人に近づく見込みであります。このようなことから,県と協調して行ってきた線路設備などの修繕費に係る経営支援補助は本年度をもって終了とするところまで,収支改善が進んできております。引き続き,自立した経営に向けて,おらが湊鐵道応援団や沿線住民等と連携しながら,更なる湊線の利用促進に努めてまいります。また,湊線の安全運行を確保するための設備投資費補助につきましては,引き続き国・県と連携して計画的に実施してまいります。阿字ヶ浦駅からひたちなか地区方面への延伸につきましては,本年度はルートの選定と,延伸先の駅前広場等の整備も含めた概算工事費の算定,延伸による経済効果及び課題などに関する調査を行っているところであります。平成28年度は,延伸の事業化に向けて,関係機関と調整しながら,さらに詳細な検討を進めるとともに,国の補助制度の活用の前提となる「地域公共交通網形成計画」を策定いたします。公共交通の市内循環による利便性向上及び交流人口の拡大等を目指す湊線延伸の実現については,市民のご理解をいただきながら,ひたちなか地区の土地利用や阿字ヶ浦土地区画整理事業計画の見直しとの関連の中で,まちづくりの視点に立って積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

第6 自立と協働のまちづくりと行財政改革の推進

第6は,自立と協働のまちづくりと行財政改革の推進であります。

本市におきましては,平成22年4月に市民参画のもとにつくりあげられた「ひたちなか市自立と協働のまちづくり基本条例」を契機に,協働のまちづくりが積極的に進められております。中学校区単位のコミュニティ組織がコミュニティセンターの運営を行うとともに「まちづくり市民会議」を立ち上げ,地域の課題解決等に向けた自主的な取組を活発に進めております。今後も,市は行政としての役割をしっかりと果たしながら,市民との適切な役割分担に基づき,更なる協働のまちづくりを進めてまいりたいと考えております。

生涯学習の推進につきましては,各コミュニティセンター等において,地域の状況やニーズに即した特色ある学びや生きがいづくりのための活動などが展開されているところであります。一方,市におきましては,まちづくりや人材育成など市としてふさわしいテーマを設定しながら,引き続き市民大学を主催するとともに,新たに中心市街地に「子育て支援・多世代交流施設」の整備を進め,生涯を通して学ぶことができる機会や場の充実に努めてまいります。

国際交流につきましては,相互の国際理解の促進を図るため,交流イベント等の事業に取り組む国際交流協会の運営の強化を支援するとともに,多言語による生活情報の提供や日本語教育の充実などを進め,外国籍の市民が地域社会の一員として生活しやすい環境づくりを目指してまいります。

男女共同参画社会の推進につきましては,平成28年度からの「第3次男女共同参画計画」に基づき,男女共同参画推進事業所に対する表彰事業や「ハーモニーフェスタ」の開催を行うなど,引き続き啓発活動に取り組んでまいります。配偶者等への暴力であるドメスティック・バイオレンスへの対応につきましては,関係機関と協力しながら,被害者に寄り添った支援に引き続き取り組んでまいります。

消費生活につきましては,多様化する消費者問題等に対応するための市民に身近な窓口として,消費生活センターでの相談活動を引き続き実施するとともに,依然として多い高齢者の被害を未然に防止する啓発活動に取り組んでまいります。また,消費者問題への関心を喚起する市民講座や消費生活展を開催してまいります。

広報につきましては,「市報ひたちなか」や「くらしの便利帳」の発行に加えて,インターネットやラジオなど多様なメディアを活用して,市民生活に密接に関わるお知らせの提供に努めるとともに,本市の事業や政策などについて積極的に情報発信してまいります。

また,市民相談や無料弁護士相談を引き続き実施し,複雑化・多様化する市民からの相談等に適切に対応してまいります。

行財政改革につきましては,平成28年度から3か年を推進期間とする「第8次行財政改革大綱」に基づき,自立的で持続可能な財政運営,市民満足度の高い行政サービスの提供,効率的な行政運営などに積極的に取り組んでまいります。国の第三セクター等改革推進債を活用して破たん処理せず債務超過の解消を図った住宅・都市サービス公社につきましては,保有する土地の早期売却に努め,処分可能な土地が残り数区画となってきていることから,今後は公社の解散に向けた準備を進めてまいります。

また,本市が日立製作所から昭和62年より買取りを前提に無償借地している石川運動ひろばにつきましては,平成28年度末にその契約の期限を迎えます。石川運動ひろばは,中心市街地において「病院と健康づくり」をテーマにしたまちづくりを進める上で核となる施設であるほか,勝田マラソンや災害時の避難場所としても重要な施設になっております。一方買取りのための基金については,昭和62年度に造成したところですが,財政状況,地価の動向から,平成17年度以降積立を見送ったため,現在の残高は約9億7千万円となっており,不足が見込まれております。このため,日立製作所と契約期間の2年間の延長について協議し,このたびご理解をいただいたところであります。今回,平成27年度市財政の決算見込みに基づき1億円の基金積立金を3月補正予算に計上するとともに,今後,積立所要額及び価格等の買取条件について,検討,協議を行ってまいります。

住民参加型市場公募地方債である「ひたちなか市民債」につきましては,市民生活に身近な事業の財源として活用することにより,市民のまちづくりへの関心を高めていただくとともに,金利コストの低減や資金調達の多様化を図るものであり,引き続き,利率,規模を検討しながら発行してまいります。

社会保障・税番号制度いわゆる「マイナンバー制度」の個人番号の利用につきましては,法定事務のほか,市独自の利用事務として,医療福祉費の支給事務と就学援助費の交付事務を条例で定めたところですが,情報漏えいなどの懸念も指摘されていることから,市独自利用の範囲の拡大につきましては慎重に検討してまいります。

また,個人番号を含む特定個人情報のセキュリティ対策につきましては,本年度に住民記録システム端末の回線とインターネット回線を分離することにより情報流出の経路を完全に遮断し,安全を確保したところであります。今後も,本年度に策定した「第4次ひたちなか市ICT推進計画」に基づき,本市が取り扱う情報のセキュリティに万全を期してまいります。

行政組織機構につきましては,増加する空き家への対策を推進するため,市民活動課に空家等対策推進室を設置するとともに,平成31年度に茨城県で開催される国民体育大会等の準備業務を行うため,スポーツ振興課に国体推進室を設置いたします。さらに,家庭における児童養育に関する相談体制を強化するため,児童福祉課に家庭児童相談室を設置いたします。また,臨時福祉給付金室を廃止し,低所得者に対する「臨時福祉給付金」及び65歳以上の低所得者などに対する新たな「年金生活者等支援臨時福祉給付金」については,社会福祉課において流動的な体制をとりながら給付事務を行ってまいります。

那珂湊支所改築につきましては,地域の方々や関係団体からのご意見も伺いながら,防災機能を加えるとともに地域の歴史等に関する展示スペースを設けるなど,那珂湊地区にふさわしい新庁舎として建設してまいります。

旧県立那珂湊第二高等学校につきましては,平成28年度から平成29年度までの間,那珂湊第三小学校の改築に伴う代替校舎として活用してまいります。その後の利活用につきましては,市民のスポーツ・文化活動の場や若者が学び集う場など,地域の活性化に資する利活用を引き続き検討してまいります。

広域行政につきましては,2市1村の先行合併として本市が誕生した経緯を踏まえ,茨城港常陸那珂港区の整備やひたちなか地区の土地利用の推進などの諸課題を共有する東海村との合併機運の醸成に引き続き努めてまいります。さらに,住民サービスの向上や効率的な財政運営,産業,観光振興などの観点から,生活圏等を共有する那珂市や大洗町をはじめとする近隣市町村との間で,広域的な連携や県央地域の定住自立圏構想事業の具体化などを進めてまいります。

以上,平成28年度の施政方針を申し上げました。

本市の市政運営につきまして,市民並びに議員各位の格別なるご理解とご協力を賜りますようお願いを申し上げます。

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〒: 312-8501
茨城県ひたちなか市東石川2丁目10番1号
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更新日:2017年02月01日