平成27年度ひたちなか市施政方針

本間源基市長は、平成27年ひたちなか市議会3月定例会の開会にあたり、平成27年度の市政運営に関する所信を表明しました。ひたちなか市施政方針の全文を掲載します。

6つの施策の柱

第1 防災力の更なる強化と災害に強いまちづくりの推進

第2 福祉・医療の充実と元気づくりの推進

第3 子育て支援と教育の充実

第4 産業の振興と地域経済の活性化

第5 都市基盤の整備と住みやすいまちづくりの推進

第6 自立と協働によるまちづくりと行財政改革等の推進

平成27年度 ひたちなか市施政方針

平成27年第1回ひたちなか市議会3月定例会の開催にあたり,提案いたしました議案などの説明に先立ちまして,市政運営に関する所信の一端を申し上げ,市民並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

東日本大震災からまもなく4年が経過しようとしております。本市においては,平成24年8月に策定した「ひたちなか市復興計画」に基づき,震災以前にも増して元気なひたちなか市を目指し,復旧,復興への歩みを着実に進めてまいりました。現在,震災復旧事業につきましてはほぼ完了し,学校施設の改築・耐震補強,避難道路の整備など,さらなる防災・安全対策の強化に引き続き取り組んでいるところです。しかしながら,東京電力福島第一原子力発電所事故については,避難を余儀なくされている福島県の住民は現在でも12 万人を超えるとされており,未だ収束時期の予測もつかない状況であります。また,近年では日本各地で集中豪雨や土砂災害をはじめとした自然災害も頻発しております。今後首都直下地震,東南海地震の発生も予測されており,市民の生命と財産を守るため,防災・減災にこれからも万全を期していかなければならないと改めて感じているところであります。

また,平成26年度は,本市誕生から20年となる節目の年でありました。8月のロックフェスティバルにおいては,開催15周年と合わせた記念イベントとして,例年より1日多い2週連続した週末の計4日間開催されるとともに,フェスの舞台を活用して,市内児童等による創作イベント「子ども未来・夢プロジェクト」を実施したところであります。また,プロ野球公式戦の誘致や,ひたちなか祭り,産業交流フェアなどのイベントにおける20周年企画の実施のほか,プレミアム商品券の記念拡大発行,記念切手の作成など年間を通じて様々な記念事業を実施し,本市の魅力を市内外に発信してまいりました。昨年11月1日には記念式典を開催し,市の発展にご貢献いただいた方々の功績を讃えるとともに,本市のさらなる飛躍に向けて,多くの皆様方と市誕生20周年を祝ったところであります。

さて,世界経済に目を向けますと,アメリカにおいては,雇用環境の改善に加えて個人消費が増加していることなどから,経済状況は回復傾向にある一方,持ち直しの動きが見られていたユーロ圏経済は,物価が5年半ぶりにマイナスに転じ,デフレに陥る懸念が高まっています。また,中国においても,人件費の上昇などを受けて輸出の大幅な伸びが期待できず,投資も伸び悩むなど,景気が緩やかに減速しつつあります。

長期にわたり低迷してきた日本経済は,政府による経済対策,いわゆるアベノミクスの3本の矢のうち「大胆な金融政策」,「機動的な財政対策」により,円安や株価の上昇に伴う景気の底上げが図られ,失業率は低下傾向となり有効求人倍率が上昇するなど,回復基調で推移しております。しかしながら消費税率引上げ後の国内総生産(GDP)は,増税前の駆込み需要の反動による落込み幅が予想以上に大きく,また急激な円安の影響もあり,4〜6月期,7〜9月期と2期連続のマイナス成長となったことから,政府は,経済再生に向けた道筋を確かなものとするため,消費税率を10%に引き上げる時期を平成29年4月まで1年半先送りし,アベノミクスの3本目の矢「民間投資を喚起する成長戦略」に最優先で取り組むこととしたところであります。

こうした状況を踏まえ,平成27年度の政府税制改正大綱は,企業活動を活性化するための法人税の実効税率引下げや,高齢者世代から若年世代への資産贈与を促す非課税措置の拡充などにより,民間投資や消費の拡大等による成長戦略を税制面から強く後押しするものとなっています。また,企業が本社機能等を地方へ移転する場合や地方での雇用を増やした場合の税制優遇措置の新設など,東京への一極集中を是正し地方の活性化を促す内容が盛り込まれております。

わが国の人口は,平成20年以降減少を続けており,高齢化率が年々高まるとともに,少子化が進行しています。このまま推移すれば,労働力の減少,医療・介護の負担増等により,地域経済,ひいては地域社会を維持していくことが困難になることが予想されます。人口減少・超高齢化という我が国が直面している大きな課題に,国と地方が一体となって取り組む必要があることから,国においては,昨年9月に「まち・ひと・しごと創生本部」を設置し,12月には「まち・ひと・しごと創生法」を施行し,地域がそれぞれの特性を活かした自律的で持続的な社会を創り上げることを目指すこととしました。国においては,これを踏まえ,人口減少と東京一極集中の是正を目指す「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」と,地方での30万人規模の若者向け雇用の創出や地方への人の還流などをめざす,平成27年度から5か年間の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を決定したところであります。

さらに政府においては,地方経済の早期活性化を図るため,地域消費を喚起する事業や地方版総合戦略の早期策定・先行実施などを支援する「地域住民生活等緊急支援のための交付金」などを盛り込んだ総額3兆5,059億円の緊急経済対策を決定し,3兆1,180億円の平成26年度補正予算を編成したところであります。

政府においては,今回の経済対策により平成27年度の国内総生産(GDP)の実質成長率について,目標としていた2%には届かないものの,1.5%程度のプラスに転じると予測しております。昨年10~12月期の国内総生産(GDP)は,前期比0.6%増と3四半期ぶりにプラスに転じたものの,日本経済がデフレから脱却して民間主導の持続的な成長を実現するためには,様々な経済対策を実効性の高いものにして,企業収益を拡大し,それが賃金上昇や雇用拡大につながる経済の好循環を実現していくことが,きわめて重要であると考えております。

このような中で編成された政府の平成27年度予算案は,地方創生,子育てへの支援,防災,安全保障などに重点を置いたものとされ,一般会計の総額につきましては,96兆3,420億円と過去最大となりました。このうち高齢化の進展により増加し続けている社会保障費の財源として,消費税率10%への引上げによる増収分を充てる予定でおりましたが,引上げ時期が先送りされたことにより,約1兆5千億円の財源不足となったところであります。このため,低所得高齢者を対象にした,年金の上乗せ給付については実施が繰り延べされ,介護保険料の軽減策拡充については軽減率等を大幅に圧縮するなどの影響が生じているところであります。しかしながら,政府が重視している女性の活躍を後押しする保育所の待機児童解消策や認知症対策の充実などは予定通り実施することとなり,社会保障関連経費につきましては過去最大の31兆5,300億円までに増加しております。一方,歳入については,消費税率再引上げの延期による税収不足が生ずるものの,企業収益の拡大により法人税収の増加が見込まれることから,財源不足を補う国債の発行額は,6年ぶりに40兆円を下回る36兆9千億円程度に抑制され,基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字を平成22年度比で半減させるという財政健全化目標は達成できる見込が高くなっております。

また,地方自治体の予算編成の指針となる「平成27年度地方財政計画」では,歳出に「まち・ひと・しごと創生事業費」として1兆円を計上するとともに,社会保障関連経費や公共施設の老朽化に伴う維持補修費の増に対応するため,歳出規模を前年度より約1兆9,000億円増の85兆2,700億円としております。一方,歳入において,地方交付税総額を前年度より1,000億円減の16兆8,000億円とする一方,地方税を約7.1%,2兆5,000億円の増を見込んで歳出を賄う計画としております。この税収の伸びは,消費税率8%への引き上げの通年化や,個人,法人の住民税及び償却資産にかかる固定資産税が増収となると見込んだものでありますが,地方における景気回復の実感が乏しい中,税収については不確実な状況と言わざるを得ず,また,地域的な偏りの発生も予測されることから,地方財政計画と実態との乖離が懸念されるところでもあります。

わが国の人口は,すでに6年前から減少局面にありますが,本市におきましても人口はこのところ横ばい状態が続いております。一方で世帯数は増加を続けており,核家族化が進行している状況にあります。そのなかで,単身世帯,高齢者のみの世帯の増加や空き家の増加が進み,その結果,老後や子育てに関する不安が広まってきているのではないかと感じております。また,自治会加入率の低下に見られるように,これまで地域社会を支えてきたコミュニティ機能の低下も生じてきております。

このような核家族化やコミュニティ機能の希薄化という社会の構造的な変化の中で,市として改めて少子・高齢化対策を見直していく必要があるのではないかと考えているところであります。昔ながらの大家族や地域社会は,子育てや介護など,現在の社会保障制度が担っている機能のかなり大きな部分を受け持っておりました。この家族や地域の力をもう一度見直し,現代社会の中で再生し,人と人との絆を強めていくことにより,子育てや介護がしやすい環境が生まれ,子育て世代や高齢者が安心して暮らせるまちづくりへの道筋が見えてくるのではないかと考えております。

また,そのためには,若い人たちが安心して働き,家庭を築くことができる職住近接のまちを目指し,本市の幅広い分野にわたる産業をさらに活性化していくことがまず必要と考えております。合わせて,親世代・子世代・孫世代の三世代の同居,近居を奨励する施策を実施することにより,「家族の絆」づくりを推進してまいります。また,こうした家族世代間の支えあいが難しい場合であっても,コミュニティ,ボランティア団体等の力による「地域の絆」づくりをさらに進めていくことが大切であります。

このように本市に深く根付いている市民の協働,共助の精神をさらに発揮する環境づくりや,ものづくりのしっかりとした基盤をもつ本市の産業のさらなる活性化を図りながら,「家族・地域の絆の再構築」によるまちづくりを着実に進めてまいりたいと考えております。

次に,平成27年度の市政への取組について,前提となる財政状況及び平成27年度予算案をご説明いたします。

まず,地方財政については,本年10月に予定されていた消費税率10%への引き上げが延期され,社会保障関連経費の財源確保が先送りとなる一方,民間保育所入所支援費の拡大など,子ども子育て新制度への予定通りの移行とともに,地方創生への新たな取組が求められているところであります。平成27年度地方財政計画によれば,これら追加の財政需要に必要な財源は,当面の地方税の増収によって賄うこととされておりますが,為替相場や原油価格の変動が企業収益や個人所得に大きく影響する不安定な状況が続いている中,先にも申し述べましたように税収の的確な見通しを立てることは短期的にも長期的にも困難な状況と考えております。

こうした中,本市においては,年度間の財源調整により財政運営の安定を図るため,平成26年度内の執行残額等を3月補正予算において基金に積立てることとし,その結果,年度末の市債管理基金及び財政調整基金の合計残高は,平成25年度末に比べ10億円増の145億円となる見込みであります。平成27年度の予算編成にあたっては,これらの基金も活用しながら,喫緊の課題である学校施設の耐震化や市民生活向上のための施策の充実をはじめ,福祉・医療などの社会保障関連経費の増加に的確に対応していくこととしたところであります。

さらに,ひたちなか市誕生から20年の歩みを振り返り,これまで進めてきた「自立と協働」のまちづくりをさらに発展させるとともに,本市の幅広い分野にわたる産業を活性化し,若い世代が安心して働き,住み続けることができる職住近接のまち,家族,地域の絆で結ばれたまちづくりを目指すための施策に重点的に予算を配分することといたしました。

一方,3月補正予算において,「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」として編成された国の平成26年度補正予算に計上された国の交付金等を活用し,地域消費喚起や地方創生のために先行的に実施する施策として約3億7,500万円を計上したところであります。具体的にはプレミアム付地域商品券発行事業,コミュニティバス運行事業,ひたちなか海浜鉄道の設備投資補助,産業活性化コーディネーターによる中小企業支援,不妊治療費助成,学童クラブ施設整備などを平成27年度より前倒し計上するとともに,新たに,三世代同居や親元近居を支援するための事業に取り組むことといたしました。

平成27年度当初予算案につきまして,まず,歳入の根幹を成す市税につきましては,平成26年度当初予算と比較して約9,000万円減の228億7,100万円を見込んでおります。これは,家屋にかかる固定資産税の評価替による減収を見込んだものであります。

歳出につきましては,人件費の抑制等の行財政改革に引き続き努めておりますが,障害者福祉費,児童福祉費,高齢者福祉費をはじめとする社会保障関連経費や,公共施設の老朽化による維持補修費などの義務的経費が増加しております。

このようななか,湊公園への避難路の整備や,小中学校の改築を含めた耐震化の推進,土地区画整理事業の一斉見直し,都市計画道路西中根田彦線等の基幹的な都市基盤の整備など,市民生活に係る重要な課題に引き続き対処するとともに,医療福祉費支給の中学生外来診療までへの拡大,学童クラブの小学校4年生までへの拡大,教育相談員や学校介助員の増員などの子ども子育て支援策の充実,産業振興策として農業や水産業への新規就業者に対する支援など,将来の発展に向けた事業に積極的に取り組むことといたしました。これにより,当初予算規模は,一般会計で前年度比0.4%増の計512億2,400万円となっております。

特別会計では,市の財政に大きな負担を伴う土地区画整理事業について大幅な見直しを行っているところでありますが,災害時の避難用道路ともなる都市計画道路の整備を重点的に推進すること等に伴い,8会計合計で前年度比約4億2千万円の増となっております。また,国民健康保険特別会計は,保険財政安定のための制度の変更と医療給付費の増加に伴い,前年度より約26億4千万円の歳出の大幅増となり,歳入については保険財政共同安定化事業の交付金として約22億円の増となっております。また,介護保険会計においては,給付費の増加や介護予防事業の拡大に伴い,前年度比約3億4千万円の増となっております。水道事業会計は水道料金の改定を行うとともに,湊系配水施設の耐震改修事業が終了したことから前年度比約16億円の減となっており,特別会計全体では前年度比6.0%増の394億2,327万円となっております。

また,建設業における人手不足や資材不足等による仕事の遅れや,入札不調の結果,平成26年度中に完了できない事業につきましては,平成27年度に繰越をして完結を図ることとし,一般会計で28億1,814万円,特別会計で2億6,325万円の予算を繰越いたします。

次に,平成27年度の市政への取組でございますが,以下に掲げる6つの柱により,施策を推進してまいりたいと考えております。

第1 防災力の更なる強化と災害に強いまちづくりの推進

第1は,防災力のさらなる強化と災害に強いまちづくりの推進であります。

本市においては,東日本大震災発生時に津波による甚大な被害を受けたことから,那珂湊地区,平磯地区,那珂川河口の3箇所に津波監視カメラを配備し,そのモニター機能や非常電源を備えた災害対策本部機能を新しい第三分庁舎に設置し,災害対応の体制強化を図ったところであります。また,避難道路の整備や,避難施設の耐震化などを計画的に推進するとともに,特に災害時に支援が必要な方のための福祉避難所につきましては,太陽光発電蓄電設備及び停電時に点灯するソーラー街路灯の整備が完了したところであります。

また,日製ひたちなか総合病院の緊急時医療用井戸整備への支援や,市内外の団体等との間での災害時応援協定の締結など,様々な観点から災害時の市民生活の安全確保に努めているところであります。また,真に災害に強いまちとするためには,市民一人一人が日頃から災害に備え,防災・減災への意識を持ち続け,地域の人々が互いに支え合う関係を構築することが非常に重要であります。このため,昨年8月末に地震・津波等の災害を想定して,自主防災会や民生委員・児童委員,関係機関・団体参加のもと,通信連絡や避難所開設・運営,要援護者の支援等を行う総合防災訓練を実施したところであります。今後,さらに実践的な訓練となるよう自主防災会や関係機関・団体との連携を図り,さらなる防災体制の強化に努めてまいります。

県及び県内市町村,消防本部等の防災関係機関をつなぐ茨城県防災情報ネットワークシステムにつきましては,運用開始後15年が経過しデジタル通信方式とすることに伴い,本庁及び消防本部の機器の一斉更新をしてまいります。

津波災害時の避難対策につきましては,津波避難計画において有効とされた高台への避難路として,湊公園南側の斜面を通るルートについて,平成27年6月の完了を目指して整備を推進してまいります。さらに,お魚市場などの観光客の避難路として,公園北東側のルートについて拡幅工事に着手するとともに,新たな避難路として,船窪土地区画整理事業地内の都市計画道路和田町常陸海浜公園線の整備に着手いたします。

学校施設の耐震改修につきましては,災害時の避難所ともなる体育館を先行実施しているところでありますが,耐震化整備計画に基づき,勝田第一中学校及び那珂湊中学校の校舎,田彦小学校,那珂湊第三小学校及び大島中学校の体育館の各改築工事,そして,那珂湊第一小学校の校舎,中根,勝倉,三反田,枝川,東石川,長堀,那珂湊第一,阿字ヶ浦の各小学校と阿字ヶ浦中学校の体育館の耐震補強工事が本年度中に完了し,さらに,勝田第三及び佐野中学校の体育館の改築工事と,東石川,田彦,長堀の各小学校と勝田第三中学校の校舎,磯崎小学校の体育館の耐震補強工事を進めているところであります。平成27年度には,新たに中根,勝倉,枝川,市毛,佐野,堀口,高野,田彦,津田,那珂湊第一,平磯の各小学校,勝田第一,勝田第二,佐野,大島,平磯,阿字ヶ浦の各中学校の校舎,佐野及び東石川幼稚園の園舎の耐震補強工事を,それぞれ実施してまいります。

水道事業につきましては,那珂湊地区の浄水・配水機能を耐震性の高い上ヶ砂配水場に集約する湊系配水施設等改修事業が本年度中に完了する見込みとなっております。また,市内の約7割の配水を担う上坪浄水場の更新につきましては,近隣地約3ヘクタールの取得を進めるとともに,平成28年度からの工事着手へ向けて,詳細設計を行ってまいります。さらに,安全・安心な水道水を安定供給するため,引き続き老朽管の布設替えや配水管の整備を計画的に進めてまいります。

また,これらの施設整備には多額の財源を要することから,中期財政収支計画に基づき,18年間据え置いてきました水道料金の改定を行います。

漁港施設の復旧工事につきましては,本年2月にふれあい釣り公園が完了したところですが,漁港中央公園については,地盤調査の結果擁壁の改修工事を追加し,本年5月の完了を目指してまいります。

津波・河川氾濫・高潮対策につきましては,那珂川の堤防の早期整備を国に働きかけるとともに,河口付近につきましては,高潮等の影響による浸水を防止する護岸整備を促進してまいります。また,都市化に対応した上流域の雨水幹線の整備に伴い,下流域の流量が増加し,水田,道路等の冠水が頻発していることから,一級河川大川改修工事の早期完成を目指すとともに,県による一級河川中丸川の改修工事を促進してまいります。平磯2号雨水幹線の整備につきましては,本年度実施をしている海岸部の排水口に続き,冠水被害解消へ向け,平磯駅踏切周辺地区に係る実施設計を進めてまいります。

また,福島第一原発事故による放射線の影響については,市内の小中学校の校庭や幼稚園・保育所の園庭等の空間放射線量の測定及び水道水の検査を引き続き定期的に実施し,公表するとともに,市民への放射線測定器の貸出を行ってまいります。

東海第二原子力発電所への対応につきましては,これまで「原子力所在地域首長懇談会」及び「県央地域首長懇話会」において,構成市町村と連携して取り組んでまいりました。昨年12月には,この取り組みに加わっていなかったUPZ圏内の高萩市,常陸大宮市,鉾田市,大子町の4市町を加えた15市町村からなる「東海第二発電所安全対策首長会議」が結成され,これまでの「県央地域首長懇話会」における取組を継承するとともに,原子力安全協定の見直しについては隣接市村及び20キロメートル圏内の水戸市で構成する「原子力所在地域懇談会」の取組を優先させることを合わせて確認したところであります。

東海第二原発から30キロメートルのUPZ圏内には約98万人もの住民が生活しており,万一事故が発生した場合,住民の避難には想像を絶する困難が予想されます。現行の原子力安全協定では,県と東海村だけが再稼働の可否の判断をはじめとした重要な事項について協議する権限を有しておりますが,本市が原発所在地域として,東海村と同様に意見を述べ,協議できる権限を有することは当然のことと考えております。このことから,原発所在地域自治体としての意見を反映できるよう,原子力安全協定の見直しを進めてまいります。

また,必須となる広域的な避難計画の策定につきましては,県内の避難先及び主な避難ルートが県から示されておりますが,15市町村に及ぶ30キロメートル圏内での秩序立った円滑な避難,さらには自力で避難できない災害弱者への支援,安定ヨウ素剤の事前配布など,解決すべき課題は多岐にわたり,実効性のある避難計画は容易に策定できるものではないと認識しております。市といたしましては,引き続き,県及び関係市町村と連携のもと十分な検討を行いながら,避難計画の策定に取り組んでまいります。

第2 福祉・医療の充実と元気づくりの推進

第2は福祉・医療の充実と元気づくりの推進であります。

市民だれもが末永く健やかに過ごすためには,あらゆる世代の方々が,互いに助け合い,支え合うことができる地域社会を構築することが大切であります。人が支え合い生活を営む一番小さな単位は家族であります。昔ながらの家族は,多世代がともに暮らし,知恵や経験の継承などに加えて,子育てや介護など,現在の社会保障制度が担っている機能のかなり大きな部分を受け持っていたものと考えられます。

まずは,親世代・子世代・孫世代の三世代が同居あるいは近隣に居住することで,「家族の絆」を強めていくことが必要であると考えております。家族が互いに寄り添い支え合う社会を築き上げていくため,新たに多世代の同居あるいは近隣居住を推進するための支援を行ってまいります。

こうした家族の中での支えあいが難しい場合にあっては,隣近所や自治会などの地域コミュニティ,あるいは民生委員,NPOやボランティア団体等の支援による「地域の絆」を強め,地域社会の中での助け合いを深めていくことが大切となります。本市においてはこれまでもこの認識のもとに地域福祉の推進に積極的に取り組んでまいりました。身近な課題について気軽に話し合い,住民同士の交流の場ともなる地域福祉懇談会,通称「井戸端会議」を引き続き子育てサロン活動などを行っている方々にも参加を呼びかけながら,開催してまいります。さらに,地域の実状に即した交流,支え合いが行えるよう,市内のサロン活動について,高齢者,子育て世代を問わず支援を拡充するとともに,活動の担い手となる人材を発掘・育成するための講座を開催してまいります。

高齢者福祉につきましては,平成27年度からの3か年を計画期間とする「第6期高齢者福祉計画及び介護保険事業計画」(しあわせプラン21)に基づき,高齢者の介護・福祉サービスの充実や介護サービス基盤の整備に取り組んでまいります。

在宅高齢者への支援につきましては,医療,介護,福祉の相互連携を図りながら一体的に支援する「地域包括ケアシステム」の推進をいっそう強化するため,おとしより相談センターの職員を増員するするとともに,新たにセンターを1か所設置するなど,高齢者が住み慣れた地域で安心して生活することができる相談支援体制の充実を図ってまいります。また,増加する認知症高齢者対策として,家族,医療機関・介護サービス事業者等の連携を支援しながら,必要なサービスの利用に関する専門的な相談や助言を行う認知症支援推進員を各おとしより相談センターに配置してまいります。さらに,地域の高齢者の交流・支え合いなどに自主的に取り組む「ワイワイふれあい館」の運営を引き続き支援してまいります。

ひとり暮らし高齢者への支援につきましては,市民,民生委員・児童委員,自治会,社会福祉協議会が連携して,見守りや声かけなどにより支えあう本市独自の「小地域ネットワーク事業」をさらに進めることにより,地域の絆で支えられながら,安心して生活することができるまちづくりに取り組んでまいります。

介護保険事業につきましては,認知症高齢者が介護を受けながら共同で生活を送る「グループホーム」や,通所・訪問・宿泊の3つのサービスを一体的に提供する「小規模多機能型居宅介護施設」等の整備を支援してまいります。また,高齢化の進展に伴い介護サービスの需要が高まることが予測されることから,平成29年度内の開設に向け,定員80名の広域型特別養護老人ホームの整備を促進してまいります。

介護予防につきましては,介護保険法改正により市町村事業に移行する「介護予防・日常生活支援総合事業」に,本市として平成27年10月から取り組んでまいります。実施にあたって具体的には,現在,介護保険による給付として「要支援」と認定された方が利用している介護予防訪問介護サービスや通所介護サービスについて,各利用者の認定更新にあわせて,平成28年9月までに順次,市が実施する「介護予防・生活支援サービス」に,移行してまいります。あわせて,各利用者が引き続き適切なサービスを受けられるよう十分に配慮するとともに,法改正の趣旨も踏まえ,地域住民などを主体とした日常生活を支える多様なサービス体制づくりに取り組んでまいります。

また,主に元気な高齢者や生活機能が低下する高齢者を対象とした「一般介護予防事業」におきましても,転倒予防のための体操等を行う「はつらつ教室」や高場,金上の旧デイサービスセンターにおいて本年度から先行的に実施しております「通所型予防サービス事業」などを引き続き実施し,介護予防の充実を図ってまいります。

障害者福祉につきましては,障害のある方が自立した日常生活,社会生活を営むことができるよう,相談支援事業所との連携を図りながら,障害者総合支援法に基づく介護給付や訓練等給付を行うとともに,生活用具の給付など日常生活をサポートする地域生活支援事業を引き続き行ってまいります。

医療体制につきましては,本市の中核医療機関である日立製作所ひたちなか総合病院について,筑波大学医学部との協定に基づき取り組む社会連携講座による医師確保や,重症救急患者等の手術に不可欠な麻酔科医の確保を引き続き支援してまいります。また,広域的な救急医療体制につきましては,救急搬送受入数の増加により,各医療機関の負担が大きくなっていることから,常陸太田・ひたちなか二次医療圏及び水戸二次医療圏を構成する11市町村で負担の調整を図りながら助成を拡大いたします。

予防接種につきましては,新たに,乳幼児におけるおたふくかぜ及びロタウイルスの予防接種費用の一部助成を市独自に行ってまいります。また,妊娠を希望する方で風しん抗体の低い方を対象とした風しん予防接種や,1歳児から中学3年生及び65歳以上の高齢者のインフルエンザ予防接種に係る費用の一部助成を引き続き実施するとともに,対象者の接種率向上に努めてまいります。さらに,肺炎球菌予防接種につきましては,65歳以上の5歳刻みの方などを対象に定期接種を行ってきているところでありますが,あわせて,これに該当しない方で,これまでに接種を受けていない方に対しても助成を実施してまいります。

保健・疾病予防につきましては,40歳以上の5歳刻みの方を対象に行う大腸がん検診及び肝炎ウイルス検診への全額公費負担を引き続き行ってまいります。子宮がん検診及び乳がん検診につきましても,対象年齢に達した方及び未受診の方に,引き続き全額公費負担を行ってまいります。また,がんの早期発見のため,精密検査未受診の方に対して,訪問指導などにより受診の勧奨の徹底を図ってまいります。

健康づくりにつきましては,生涯にわたる健康づくりにつながる市独自の「元気アップ体操」に取り組む「ときめき元気塾」が,この10年で徐々に地域に定着し,現在29自治会で取り組んでいるところであります。さらに,茨城大学と連携し,体操の効果を検証する評価方法の検討を進めることにより,元気アップ体操の一層の普及に努めてまいります。

自殺予防対策につきましては,悩みを抱えている人を必要な支援等につなげることのできるゲートキーパーを養成するための研修会や講演会を引き続き開催するとともに,新たに,ゲートキーパーのフォローアップ研修を開催してまいります。

生活保護受給者の自立支援につきましては,就労能力を有する方に対し,ハローワークと連携して的確な求人情報の提供等を行い,早期の自立を支援してまいります。

また,生活保護には至らない生活困窮者への新たな支援制度である自立相談支援事業につきましては,平成27年度よりワンストップ型の相談窓口を設置し,健康,障害,仕事,家族関係などに関し,複合的な課題を抱えている生活困窮者に対し,ハローワークや市社会福祉協議会などの地域の様々な関係機関とも連携をしながら,自立に向けた支援を行ってまいります。

第3 子育て支援と教育の充実

わが国においては,少子高齢化の進行と相まって,高齢者のみの世帯や,夫婦と子どもだけからなる核家族が一般化する一方,地域コミュニティの機能が希薄化するなど,親子の学びや育ちを世代間や地域社会において支えていく環境が失われつつあります。子どもを安心して産み育てていくことができ,未来を担う子どもたちが健やかに成長するためには,家族や地域の絆の中で支えられ,見守られ,育てられていく環境づくりが何よりも大切であると考えております。

これまで取り組んできましたファミリー・サポート・センター事業につきましては,市報等への掲載や,関係機関への周知に加え,母子手帳交付時にPRチラシを配布し,利用会員及び協力会員の拡大を図ってまいります。また,育児援助を行う協力会員が子育て等に関する知識や技術の向上を図るための講習会を引き続き開催してまいります。

地域のボランティアの方々が中心となって取り組んでいる子育てサロンに対しましては,引き続き,つだ保育所内の子育て支援センターの保育士による出前保育を行い,活動を支援してまいります。また,市内の子育てサロンにより構成される「子育て支援つどいのひろば連絡会」において,子育て支援の知識や技術等の向上を図るための研修会や情報交換会を開催してまいります。

子育て支援施設につきましては,保護者同士の交流に加え,育児情報の入手や育児相談が気軽に行えるよう,民間保育所が行っている地域子育て支援拠点事業を引き続き支援してまいります。また,子どもやその保護者が希望に合った子育て支援事業等を円滑に利用できるよう,保育や子育て支援のみならず,医療,保健,教育などの分野も含めた包括的な支援を行う「子育て支援コーディネーター」を新たに配置してまいります。

母子保健につきましては,妊娠初期から子育て期にかけて,親子の様々な悩みに継続して対応する「母子保健コーディネーター」を新たに配置し,妊娠・出産・育児の切れ目ない支援に努めてまいります。また,乳児期における食育の推進のため,「離乳食教室」を新たに開催いたします。

また,不妊治療の経済的負担を軽減するため,高額となる体外受精及び顕微授精にかかる費用について,国・県補助への市独自の上乗せ助成を引き続き実施してまいります。

障害のある児童生徒への支援につきましては,小中学校における学校介助員を5名増員し,一人一人の状況に応じた介助や安全面の確保,学習活動支援の充実に努めてまいります。

また,社会福祉協議会に委託をしている心身障害児療育訓練センターの「かなりや教室」については,通所する児童の増加に対応し,昨年5月より金上ふれあいセンター内に金上分室を開設し,定員拡大を図ったところであります。また,発達に中軽度の課題のある児童生徒への支援につきましては,平成25年2月に開設した「みんなのみらい支援室」において,小中学校,幼稚園及び保育所の教諭等を対象にした巡回相談やソーシャルスキルトレーニング教室,ペアレントトレーニング教室を引き続き開催してまいります。あわせて,昨年より開始した保育士等を対象とした支援者スキルアップ講習会を引き続き開催してまいります。

医療福祉費支給制度いわゆるマル福につきましては,妊産婦に対し,引き続き市独自に,県の助成対象外の疾病に係る医療費にも助成し,無料化を行ってまいります。子どもにつきましては,県補助事業と合わせ,市独自に3歳未満児の外来診療と中学校3年生までの入院診療の無料化及び小学校6年生までの外来診療の自己負担助成を行ってきたところですが,県補助の対象拡大を契機に,平成27年4月診療分より中学生の外来診療にまで市独自の助成を拡大いたします。

学校教育につきましては,国の法律改正に伴う教育委員会制度改正への対応として,市長と教育委員会により構成される総合教育会議を設置し,教育の方向性を示す大綱の策定に取り組み,本市としての教育行政における責任体制や施策の方向性を明確にしてまいります。

教職員につきましては,児童生徒一人一人に,確かな学力,豊かな心,健やかな体を養い,将来の社会生活を主体的に切り開いていける「生きる力」を育むため,指導主事を1名増員するとともに,引き続き教育研究所に研究推進員を配置し,教職員の資質向上を図ってまいります。さらに,小・中連携し児童生徒の豊かな人間性や社会性を育む観点から,教員の研修を小・中学校一体で行ってまいります。

また,市独自の非常勤講師「スマイルスタディ・サポーター」10名を引き続き配置し,少人数指導やティームティーチングなど多種多様な学習指導に努めてまいります。

さらに,わくわくサイエンス・サポーターや英語指導助手を引き続き配置し,理科教育や英語教育の充実に努めてまいります。

また,地域と連携した「特色ある学校づくり」を推進するため,学校関係者評価委員会の活用や,コミュニティゲスト事業,部活動外部指導者支援事業など地域人材の積極的な参加を図ってまいります。

県内最大規模の生徒数を有する佐野中学校につきましては,学校活動や部活動を行うグラウンドの面積が不足していることから,平成27年度中の供用開始に向けて整備工事を行ってまいります。

学校給食につきましては,引き続き放射性物質の検査を行いながら,県内産の食材を中心とした地産地消による安全安心な提供に取り組んでまいります。

ICT教育の推進につきましては,小中学校各1校を研究推進校に指定し,電子黒板やデジタル教科書,タブレット端末などのICT機器の効果的な活用を引き続き調査研究してまいります。

学校図書室につきましては,学校図書データベース及び蔵書管理ソフトの効果的活用を支援するため,引き続き学校図書室補助員5名による市内小中学校の巡回訪問を行い,児童生徒の読書活動を推進してまいります。

不登校児童生徒への対応につきましては,教育研究所における教育相談員を2名増員し,電話相談及び来所相談,適応指導教室「いちょう広場」による支援に加え,学校訪問による教職員支援を行ってまいります。また,学校に配置した「心の教室相談員」及び県派遣の「スクールカウンセラー」により,通いやすい学校づくりに努めてまいります。また,長期欠席傾向にある児童生徒に対しては,「心のサポーター」が家庭を訪問して学校復帰への積極的な支援を行うとともに,不登校対策支援事業のモデル校である那珂湊中学校に2名の「絆サポーター」を引き続き配置し,那珂湊地区の小中学校の不登校児童生徒の減少に取り組んでまいります。

さらに,教育研究所内の「いじめ・不登校相談センター」において,2名の「カウンセリングアドバイザー」を引き続き配置し,専門的見地から児童生徒や保護者,教職員の支援を行ってまいります。

放課後児童対策につきましては,学童クラブの対象学年を4年生にまで引き上げ,児童の安全安心な居場所を確保するとともに,高野小学校学童クラブにおいては待機児童が多く見込まれることから,学童専用の施設を学校敷地内に設置してまいります。また,放課後などの子どもの遊び・学びの場を提供する「放課後子ども教室」については,引き続き,学校,PTA,地域の方々の協力を得ながら,運営を行ってまいります。

学校の適正規模化につきましては,小規模校が立地する地区のPTAや地域住民の方々との意見交換を引き続き行いながら,子どもたちの健全な成長を支え,学習環境や教育環境を充実させるにふさわしい学校規模を提案し協議を進めるとともに,合わせて小中一貫教育の導入を検討してまいります。

幼児教育につきましては,引き続き,公立幼稚園において地域・家庭との交流を深め,幼児が伸び伸びと育つ教育環境を確保するとともに,小学校と連携し,幼稚園から小学校への移行がスムーズにできるよう努めてまいります。また,多様化する障害児支援に対応するため,介助員を適正配置するなど,一人一人の状態に応じたきめ細かな保育を実施してまいります。

また,子ども・子育て関連3法の施行により,保育所,幼稚園等を通じた共通の給付制度が創設され,本年4月より全ての保育所,公立幼稚園が新たな制度のもとで保育料を定めることとなる一方,私立幼稚園においては,従来の制度による財政措置を受けることが選択できることとされております。本市では,本年4月に新制度へ移行する私立幼稚園はないことから,公立幼稚園の保育料を据え置くとともに,新制度へ移行する市外の私立幼稚園に通う児童の保育料について,市内幼稚園の現況等を勘案しながら新たに定めることといたしました。また,公立幼稚園については,預かり保育や送迎などを実施する私立幼稚園と提供するサービスにおいて差があることから,今後,その役割やあり方,保育料等について検討してまいります。

青少年の健全育成につきましては,学校やボランティア団体の協力を得ながら,洋上学習,自然体験キャンプなどの体験事業を引き続き実施するとともに,高校生会,子ども会育成連合会,ボーイスカウトなどの青少年育成団体の活動を支援してまいります。

図書館につきましては,市民の知と学びの情報拠点として蔵書の充実と情報の提供に努めるとともに,各種講座や朗読会,講演会等の開催を通して引き続き読書活動を推進してまいります。また,各教科の学習や調べ学習で活用できる関連図書資料をまとめた図書パックの貸出しを行い,子どもの読書活動を推進してまいります。また,図書館の今後のあり方につきましては,学識経験者などにより構成される図書館協議会により検討が重ねられ,この2月に答申をいただいたところであります。この中で,バリアフリー化や施設・設備の老朽化などの観点から,将来中央図書館の建て替え等にあたっては,生涯学習,青少年活動,市民活動,子育て支援等の機能を併せ持つ多目的な複合施設も視野に入れながら,機能を充実することが提案されております。このため,中心市街地の活性化策とも関連させながら,今後,図書館のあり方・整備について検討を進めてまいります。

文化財につきましては,虎塚古墳の適切な維持管理を行うとともに,十五郎穴横穴墓群については,確認調査の成果を取りまとめた報告書を刊行し,全体像を明らかにしてまいります。また,那珂湊反射炉につきましては,往時を偲ばせる姿に修復するため,塗装と外構の補修を実施するとともに,全国の各所在地域からの参加も得て「反射炉シンポジウム」を開催し,地域に息づく文化財を内外に発信してまいります。

第4 産業の振興と地域経済の活性化

雇用の促進につきましては,引き続きハローワークと連携し,地域職業相談室における求人情報の提供や職業相談,新卒者の就職を支援するための合同就職面接会を実施してまいります。また,産業活性化コーディネーターが市内企業を訪問し,会社説明会への参加を働きかけるなど,求人の掘り起こしに取り組んでまいります。県の雇用創出基金を活用する緊急雇用創出事業については,既存事業の事業期間を延長し引き続き実施してまいります。

企業誘致の取組につきましては,引き続き,企業立地セミナーやポートセールス等を実施し,茨城港常陸那珂港区,北関東自動車道,常陸那珂工業団地などの産業流通インフラの優位性,固定資産税の課税免除などの各種優遇制度を積極的にPRしながら,新たな企業進出や設備投資を促進してまいります。また,平成24年3月に認定を受けた茨城産業再生特区による法人税や固定資産税などの税制優遇制度につきましては,本年1月末現在で約70社が活用しており,新たな設備投資や企業の新規立地が図られているところであります。この優遇制度につきましては,国の集中復興期間である平成27年度末をもって終了する予定でありますことから,国に対し期間の延長などを求めてまいります。

中小企業対策につきましては,設備投資や運転資金を対象とする振興金融及び自治金融について,融資期間及び融資限度額の拡充に伴い需要が増加しており,引き続き信用保証料の補給を実施し,中小企業の資金確保と経営安定化を図ってまいります。つなぎ資金として需要の多い特別融資制度の短期資金につきましては,市内金融機関に5億5,000万円を預託することにより16億5,000万円の融資枠を維持し,県内で最も低利な0.9%の貸付利率による融資を引き続き実施してまいります。

また,地域の創業を促進するため,昨年6月に策定した「ひたちなか市創業支援事業計画」に基づき,商工会議所やテクノセンターなどと連携しながら,創業融資に係る信用保証料を補助するなどの優遇策を講じてまいります。

工業につきましては,新製品・新技術の開発等の補助を引き続き実施するとともに,産業活性化コーディネーターによる訪問支援活動やテクノセンター,なかネットワークシステム,茨城高専,商工会議所などとの産学官連携により,中小企業の技術力・経営力の向上や新製品の開発,人材の確保育成等を支援してまいります。また,販路開拓につきましては,商工会議所,テクノセンター,ジェトロ茨城事務所と連携しながら,市内中小企業に対し国内外の展示会に出展する費用等について引き続き助成してまいります。

商業につきましては,商工会議所が取り組む,市内2箇所のコミュニティ交流サロンの運営や地域名産品の開発及び販路開拓を引き続き支援するなど,商店街及び商業の活性化に取り組んでまいります。また,商工会議所が毎年発行しているプレミアム付商品券に対する支援につきましては,地方の消費意欲を力強く喚起し地元商店街や地域経済を活性化すること等をねらいとして編成された国の平成26年度補正予算による交付金を活用し,平成27年度は発行規模を過去最大となる7億8,000万円に,プレミアムを従来の倍となる20%に拡大してまいります。

さらに,本市の産業を広く紹介し,市民と地元産業界との交流の機会でもある産業交流フェア,みなと産業祭を実施してまいります。

農業につきましては,農地の貸し借りの仲介などを行う農地中間管理機構に指定された「茨城県農林振興公社」と連携しながら,地域農業の担い手への農地の集積・流動化に努めてまいります。また,認定農業者が行う経営改善や規模拡大に必要な農業機械,施設・設備の導入に対し,新たに国・県の補助制度も活用しながら,引き続き助成を行ってまいります。また,新規就農者の確保育成のため,JA常陸が主体となって実施している新規就農講座を支援するとともに,新たに農業を始める方が作成する就農計画を認定し,認定者による国の給付制度の活用等を支援してまいります。

本市が生産日本一を誇るほしいもにつきましては,本年1月,3回目となるファッションクルーズでの「ほしいも品評会」を開催し,即売も含め多くの人出で賑わったところです。近年,県内他市町村でもほしいも生産が活発化しており,産地間競争の激化が懸念されていることから,衛生面に配慮した本市の高品質のほしいもをPRし,付加価値の向上を図りながら,地域ブランド化を推進していく必要があります。このため,東海村,那珂市とともに組織している「ひたちなか・東海・那珂ほしいも協議会」において,新品種の導入も検討しながら,品質向上のための三ツ星認定農家の育成に努めるとともに,生産農家が導入する機械や設備に対し助成を行ってまいります。

また,農業用水の確保と安定的な供給を図るため,「国営那珂川沿岸農業水利事業」を促進するとともに,受益地となる中根荒谷地区の畑地基盤整備の事業化を支援してまいります。さらに,農地の維持管理の負担軽減と自然環境の保全を図るため,国の多面的機能支払交付金を活用し,土地改良区等が行う農地の管理活動を支援してまいります。また,県事業のふるさと農道につきましては,国道6号横断部の整備を促進してまいります。

水産業につきましては,引き続き魚介類の放射性物質の検査結果を踏まえ,漁協と連携して,安全安心な水産物の提供に努めてまいります。また,各種イベント等における水産物のPR,魚介類を利用した調理教室の開催などの魚食普及活動を支援し,水産物の販路拡大を図るとともに,漁業の新たな担い手を確保するため,漁協と連携して宿泊型の漁業体験研修を行ってまいります。6次産業化の取組につきましては,昨年11月にオープンした那珂湊漁協の地魚加工販売施設,現在整備を進めている磯崎漁協の荷捌き施設や加工処理施設の活用を図りながら,漁協女性部などが取り組む未利用魚の加工販売や新たな加工品の開発・研究を支援してまいります。漁港の整備につきましては,県の取り組む那珂湊漁港の東防波堤の補強等を促進してまいります。

観光につきましては,ワークショップなどを通じて市民の皆様から広くご提案をいただきながら策定を進めてきました「第2期観光振興計画」に基づき,ひたちなか海浜鉄道利用による市内回遊の促進や,海水浴,磯遊びはもちろんビーチバレーなどのイベント開催を通じ,海の魅力を最大限に引き出しながら交流人口の拡大を図るとともに,勝田全国マラソン大会でのウエルカムコンサートやロックフェスティバルでの観光案内など,全国から訪れる多くのお客様へのもてなしに努めてまいります。また,本市の魅力を伝えるための県外での広報宣伝活動,群馬・栃木・埼玉県の地元TV,フェイスブックなど複数の媒体を活用しての情報発信に加え,観光パンフレットの多言語化や,駅や主要施設等への無料Wi-Fiの設置を行い,外国人観光客の誘致にも取り組んでまいります。

第5 都市基盤の整備と住みやすいまちづくりの推進

都市基盤の整備と住みやすいまちづくりの推進 平成20年度から取り組んでいる「中心市街地整備事業」につきましては,回遊性を高めるための文化会館周辺等の歩道整備の外,表町商店街等における歩道の段差を解消するバリアフリー化を引き続き進めてまいります。また,駅利用者の利便性を高めるため,本年4月の供用開始へ向けて,佐和駅西口駅前広場にトイレの整備を進めているところでありますが,平成27年度はさらに勝田駅西口,佐和駅及び那珂湊駅のバス,タクシー等の乗降口に雨よけ施設を設置してまいります。

中心市街地の活性化につきましては,商工会議所が中心となって設立準備を進めている「まちづくり会社」が実施する新たな中心市街地活性化事業に対し補助をしてまいります。また,市としても高齢者の居場所や子育て支援センター,図書館,生涯学習の場など,中心市街地に求められる機能とその配置などについて検討をしてまいります。なお,これらの機能を集約できる施設として,日立グループが所有する旧サイエンスラボラトリの活用が有効と考えられることから,今後その取得も視野に入れ,まちづくり会社との役割分担を図りながら,中心市街地の活性化に取り組んでまいります。

ひたちなか地区につきましては,平成18年に策定したひたちなか地区留保地利用計画がまもなく策定後10年を迎えます。このため土地利用の現況等を踏まえ,将来を見据えた利活用のあり方について再検討するための意見交換の場として,本年1月に有識者,関係団体や事業者,国,県,市,村等で構成する「ひたちなか地区都市整備に関する座談会」が開催されたところです。今後も,市民や関係団体等のご意見をうかがいながら,ひたちなか地区にふさわしい今後のまちづくりについて検討を進めてまいります。また,昨年4月より本市が国から無償で借り受け管理している,総合運動公園に隣接する新光町46番につきましては,総面積約39.7ヘクタールのうち約7.3ヘクタールについて多目的に使用できる広場として整備し,ロックフェスティバルや産業交流フェア等の臨時駐車場,消防出初式の会場などに活用しているところであります。さらに,サッカーやソフトボール,グラウンドゴルフ等の市民スポーツの場として有効に活用できるよう,地域の方々や関係団体と協議しながら,約11.7ヘクタールに拡張・整備してまいります。

茨城港常陸那珂港区につきましては,平成24年度に新規採択された中央ふ頭地区水深12メートル耐震強化岸壁整備事業が,当初計画から1年前倒しとなる平成27年度末の供用開始に向けて,着々と進められております。また,さらに今後予定されている完成自動車の輸出に対応するため,東京電力常陸那珂火力発電所が排出する石炭灰による新たな埋立地造成に向けた準備が進められるとともに,中央ふ頭の新たな水深12メートル岸壁の整備着手に向け,国に対し平成27年度予算化を働きかけているところであります。港湾の利用につきましては,平成25年のコンテナ貨物量が過去最高を記録し,平成26年は平成25年を更に上回る見込みとなっております。既存航路の安定化や新規航路の開設を目的として,県,東海村等と共同で開始したコンテナ貨物荷主企業等に対する助成措置につきましては,平成26年度に想定を上回る申請があったことから,平成27年度は1.5倍に増額し,さらなるコンテナ航路の拡大を図ってまいります。また,本年2月には,製造業が集積する北関東自動車道沿線の企業を対象としたセミナーを群馬県高崎市において開催し,常陸那珂港区のPRを行ってまいりました。引き続き国内外へのトップセールス等に積極的に取り組み,着々とインフラ整備が進む常陸那珂港区の優位性を最大限にアピールし,港のさらなる利用促進に努めてまいります。

土地区画整理事業につきましては,地価の下落及び宅地需要の縮小による収支の大幅な悪化を背景に,現状道路の活用,家屋移転の削減等により全体事業費を抑制しながら,基幹となる都市計画道路や通学路,雨水排水路の整備等の公共性の高い事業を優先することを基本に,市内7地区の事業計画の抜本的な見直しに取り組んでいるところであります。特に先行して見直しを行っている組合施行の六ッ野地区につきましては,仮換地の取消,再指定を行い,見直し業務を完了させてまいります。市施行の佐和駅東・武田・東部第1・東部第2・阿字ヶ浦地区につきましても,見直し計画案に対する個別説明会等を実施し,権利者と合意形成を図ってまいります。同じく船窪地区につきましては,津波発生時の緊急避難経路となり,観光振興やおさかな市場周辺の渋滞の緩和にも効果の高い和田町常陸海浜公園線の早期整備を優先課題として,見直し作業を進めてまいります。佐和駅中央地区につきましては,事業完了に向けて平成28年1月の換地処分を目指すとともに,西古内地区につきましては,昨年12月に組合解散が認可されたことから,清算事務を進めているところであります。

道路につきましては,用地取得に時間を要している市北部と東海村を結ぶ高野小松原線整備の早期完了を引き続き目指してまいります。また,佐野中学校の通学路である佐野中通り線につきましては,平成27年度中の完了へ向けて,交差点部周辺の整備を進めてまいります。また,国道245号につきましては,国道拡幅の早期完了及び湊大橋の4車線化を引き続き促進してまいります。東部第1土地区画整理事業地内と東中根団地を結ぶ勝田中根線につきましては,平成28年度内の供用開始へ向けて,整備に着手してまいります。西中根田彦線につきましては,平成27年度末の完了に向け,引き続きJR常磐線との立体交差の整備を進めるとともに,側道,勝田佐野線及び勝田停車場佐和線との交差点部を整備してまいります。また,東石川高野線につきましては,六ッ野土地区画整理事業地区に接続する高場地内に係る実施設計を行ってまいります。

親水性中央公園の整備につきましては,中丸川の治水対策として,県が実施する多目的遊水地整備事業との調整を図りながら,用地取得及び工作物等の補償を進めるとともに,自然環境を活かしつつ,まちの中心部にふさわしい公園として整備するため,市民のご意見等をいただきながら実施設計を進めてまいります。

既存の都市公園につきましては,公園施設長寿命化計画に基づき,公園施設の改修や維持管理を進めてまいります。また,六ッ野公園のスポーツ広場につきましては,六ッ野土地区画整理事業の見直しにあわせて六ッ野スポーツの杜公園として移設整備を進めてまいります。

名平洞の水質対策につきましては,公園内に井戸を設置し汲み上げた水を流入させるなど,引き続き水質浄化に努めてまいります。

生活排水につきましては,生活環境の向上と公共用水域の水質保全を図るため,公共下水道整備実施5か年計画に基づき,下水道事業に係る市債残高を増加させない範囲で,効果的・効率的な管渠の整備を進めるとともに,供用開始区域における未接続者に対する戸別訪問の強化や街頭キャンペーン等を行い,接続率向上に努めてまいります。

合併処理浄化槽については,地域の状況に即し,下水道事業との役割分担を図りながら,設置費用及び単独処理浄化槽の撤去費用の一部を引き続き助成し,水洗化率の向上を図ってまいります。

昭和55年5月に供用開始した下水浄化センターにつきましては,長寿命化計画に基づき,老朽化が進む受変電設備の更新のための実施設計を行ってまいります。

公共交通の充実につきましては,平成26年4月に利用者や地域からのご意見・ご要望に基づき「スマイルあおぞらバス」路線の一部見直しを行ったところであります。公共交通のさらなる利便性向上に向け,新たにワゴン車による運行を1路線増やす路線再編を行い,運行時間の短縮化や運行本数の拡大を図ってまいります。

ひたちなか海浜鉄道につきましては,昨年10月1日に供用を開始した新駅「高田の鉄橋駅」は,想定需要の2倍近い1日約70人の利用をいただいております。平成26年度の海浜鉄道利用者数は,新会社発足以来最高でありました前年度をさらに上回り年間90万人を超える見込であります。市では,おらが湊鐵道応援団等と連携して,さらなる湊線の利用促進を図るとともに,国・県と連携して安全運行確保のための設備投資等補助を引き続き行い,特に老朽3車両の更新については,国の補正予算を活用し平成26年度に予算を前倒し計上して進めてまいります。また,阿字ヶ浦駅から先の延伸につきましては,平成25年度にルート案とその費用及び効果,課題等について調査を行い,平成26年度は,これまでネモフィラ,コキアシーズンの休日を中心に運行している阿字ヶ浦駅と国営ひたち海浜公園をつなぐシャトルバスの運行を試行的に拡充し,利用需要等の検討を進めてまいりました。今後はこれらの調査結果を踏まえ,阿字ヶ浦土地区画整理事業計画の見直しと合わせ,最適なルートや経費,それに伴う効果,課題等について具体的検討を進めながら,延伸に対する市民の理解と支援を得ていきたいと考えております。

環境保全につきましては,市環境基本計画に定める持続可能な循環型の地域社会づくりを目指し,引き続きひたちなか市の環境を良くする会等との協働により,生ごみ及びほしいも加工残さの堆肥化事業,環境講座や環境シンポジウムの開催,太陽光などの再生可能エネルギーをはじめとする環境負荷の少ないエネルギーの普及啓発などに取り組んでまいります。

ごみの減量化・再資源化の推進につきましては,自治会や子ども会による資源回収を促進するとともに,家庭用生ごみ処理容器購入に係る費用を引き続き助成してまいります。また,昨年8月よりコミュニティセンターや公共施設において行っている「使用済小型家電」の拠点回収について引き続き周知・啓発に取り組むとともに,マイバッグ持参運動,レジ袋有料化,エコショップ登録につきましては,参加店舗のさらなる拡大に取り組んでまいります。 ごみ処理につきましては,稼動後3年を経過した可燃ごみの焼却施設である「ひたちなか・東海クリーンセンター」の適正な維持管理に努めるとともに,現在,委託処理をしている不燃ごみ処理及び資源リサイクルについては,東海村と協議しながら,今後の処理方法及び新たな施設の建設・運営のあり方を検討してまいります。

市営墓地につきましては,昨年4月に完成しました「たかのす霊園」の第5期区画の使用者を募集するとともに,引き続き需要が見込まれることから,第6期整備へ向けて,用地の購入を進めてまいります。また,家族観の変化やライフスタイルの多様化に伴い,葬送に対する考えや墓地の形態も多様化してきていることから,市民アンケート調査を実施し,今後の墓地整備のあり方を検討してまいります。

市営住宅につきましては,既存住宅の長寿命化のための改修工事を計画的に進めるとともに,耐用年数や構造上から耐震補強が困難な住宅の用途廃止を引き続き進めてまいります。また,それに伴う住宅戸数の不足に対応するため,民間賃貸住宅を活用した家賃補助を拡大してまいります。

高齢化,核家族化の進行に伴い増加が予想される空き家の対策につきましては,「空家等対策の推進に関する特別措置法」の整備や,倒壊のおそれがある空き家を有する土地について固定資産税の軽減措置を適用外にすることを盛り込んだ平成27年度税制改正が国により進められております。本市としても,これらの法整備等の状況を踏まえ,地域の実情に即した条例の制定を行い,所有者への適正管理の指導や事前相談,安全対策等に取り組んでまいります。合わせて,地域の集会所など,市民の活動施設としての有効活用について検討をしてまいります。

交通安全対策につきましては,市交通安全対策本部を中心に,市民,関係機関・団体と連携して交通安全運動に取り組むとともに,交通安全フェスティバルや交通安全指導者講習会の開催,交通安全教育指導員による小学校や幼稚園,自治会等の幅広い世代を対象とした安全教育の推進などに取り組んでまいります。特に,高齢者の交通事故が増加していることから,高齢者を対象とした交通安全研修会の開催や関係団体と連携した反射材着用運動等の推進,高齢者運転免許自主返納支援制度の利用促進などに努めるとともに,歩道やカーブミラー等の交通安全施設の整備を行ってまいります。

消防・救急につきましては,広域消防体制のさらなる充実・強化のため,災害時対応の拠点となる消防庁舎等の改修を行うとともに,高規格救急自動車,水槽付ポンプ自動車等の車両更新のほか,消防資機材の整備を進めてまいります。

消防団につきましては,市毛地区の第5分団の消防ポンプ車両を更新してまいります。

防犯対策につきましては,自治会等が行う防犯パトロール活動を引き続き支援するとともに,防犯灯につきましては,LEDへの移行を促進しながら,設置や維持管理に対する助成を行ってまいります。また,市内26自治会にあります水銀灯等の撤去経費が,蛍光灯などに比べ高額であることから,平成27年度より,新たに水銀灯等の撤去費に対する助成を行ってまいります。

第6 自立と協働のまちづくりと行財政改革等の推進

本市におきましては,平成22年4月に市民参画のもとにつくりあげた「ひたちなか市自立と協働のまちづくり基本条例」を契機に,さらなる協働のまちづくりが進められてきております。中学校単位のすべてのコミュニティ組織に立ち上げられた「まちづくり市民会議」においては,地域の課題解決等に向けた自主的な取組や活動が活発に行われております。また,地域の自主的活動や生涯学習の拠点につきましても,平成26年4月より,中央公民館を除く全ての公民館等が地域による運営に移行したところであります。今後ともまちづくりにおいて,自治会や地域だけでは解決が困難な課題については,市が行政としての役割をしっかりと果たしながら,市民会議,各コミュニティセンター等の運営を支援してまいります。

市民大学につきましては,市民の多様な学習ニーズに即したテーマを設定するなど,生涯を通していつでも学ぶことができる機会を提供してまいります。

芸術・文化につきましては,市内の全児童生徒を対象とする芸術文化鑑賞事業を実施するとともに,伝統文化の継承に取り組む子どもたちの成果の発表の場として「子ども伝統文化フェスティバル」を引き続き開催してまいります。また,文化会館につきましては,音響設備及び舞台設備の改修が本年度に完了しますことから,生活・文化・スポーツ公社主催による質の高い舞台芸術の催しの支援等を行ってまいります。

勝田全国マラソン大会につきましては,多くのボランティアの方々のご協力と沿道の市民の皆様による温かい応援などに支えられ,10年連続して参加者が増加し,本年1月の大会は過去最多の24,195人のエントリーをいただいたところであります。今後とも,商工会議所と連携して前夜祭を開催するなど,大会運営に当たっておもてなしをはじめとするサービス向上に努めてまいります。また,今後さらに参加者が増加することも予測されることから,コース設定やランナーの安全確保策等について検討してまいります。

体育施設につきましては,総合運動公園のレクリェーション広場の人工芝について,老朽化に伴う張り替え工事を行ってまいります。

国際交流につきましては,国際交流協会との協働により,国際交流イベントなどを引き続き開催し,市民と外国人の交流や国際理解の促進を図るとともに,多言語による生活情報の提供等を行ってまいります。

男女共同参画社会の実現に向けた取組につきましては,平成27年度に最終年を迎える第2次男女共同参画計画の見直しを進めるとともに,市民との協働事業である「ハーモニーフェスタ」を開催し,啓発活動等に引き続き努めてまいります。配偶者等への暴力であるドメスティック・バイオレンスへの対応につきましては,関係機関と協力しながら,被害者に寄り添った支援に引き続き取り組んでまいります。

消費生活につきましては,インターネット等をめぐるトラブルや高齢者からの相談が増えている状況に対応するため,消費生活啓発相談員による相談活動を引き続き行ってまいります。また,消費生活啓発推進員や消費者団体と連携を図りながら,消費者被害にあわないための各種講座や消費生活展を開催してまいります。

広報につきましては,「市報ひたちなか」やホームページに加え,インターネット動画,ソーシャルネットワーキングサービスなどの多様なメディアを活用しながら,これまでのイベントや制度に関するお知らせに加え,今後,市の現状・課題や政策などについても積極的に情報発信してまいります。

市民相談につきましては,件数が増加するとともに内容が複雑化・多様化しており,関連する部署の連携による対応を強化するほか,無料弁護士相談を引き続き実施してまいります。

行財政改革の取組につきましては,平成27年度は第7次行財政改革大綱の推進期間の最終年度となることから,引き続き,平成28年度から30年度の3か年を期間とする第8次行財政改革大綱を策定し,さらなる行財政改革の推進に努めてまいります。

行政組織機構につきましては,平成27年度は現行体制で対応してまいりますが,子育て支援等,部局を超えて取り組む必要がある行政需要等に的確に対応できるよう,引き続き組織体制のあり方を検討してまいります。また,昨年12月の第3分庁舎の完成に伴い,本年2月から市民サービスの向上を図るため,生活・文化・スポーツ公社の上・下水道窓口を企業合同庁舎から本庁舎1階に移し,日曜業務を開始するとともに,市観光協会を3階から1階に移したところであります。

公共事業の執行手続きにつきましては,近年,公共工事の入札不調等が続く状況を踏まえ,計画的かつ適正な事業執行を図るため,入札等のあり方を検討してまいります。

市が保有する公共施設や公共インフラにつきましては,高度経済成長期に整備されたものが多く,今後一斉に補修や更新の時期を迎えることから,効率的・計画的に公共施設等を管理するための「公共施設等総合管理計画」を策定してまいります。

住民参加型市場公募地方債である「ひたちなか市民債」につきましては,引き続き市民生活に身近な事業を選定しながら発行し,市民のまちづくりへの関心を高めていただくとともに,金利コストの低減や資金調達の多様化を図ってまいります。

政府が進めている「社会保障・税番号制度」への対応につきましては,平成28年1月からの番号利用開始に向け,関連する業務システムの改修を行うとともに個人番号を通知し,希望者へのICカードの交付を行ってまいります。

また,本年10月1日を基準日として全国一斉に実施される国勢調査につきましては,人口や世帯の状況などを把握することにより,行政施策や経済活動などの基礎資料となる重要な調査でありますので,市民の皆様のご理解とご協力をいただきながら実施してまいります。

那珂湊支所につきましては,耐震診断の結果,大規模地震により倒壊等の危険性があることから,教育委員会移転後の第二庁舎は取り壊すとともに,第一庁舎は,地域の方々のご意見もお聴きし,現在の支所機能に防災機能等を加えるなどの検討を行いながら,建て替えを進めてまいります。

平成24年10月に県より取得した旧県立那珂湊第二高等学校につきましては,小中学校施設耐震化等に伴う改築の際の代替校舎として活用してきているほか,今後,医療や福祉分野などにおける若者の人材養成や市民のスポーツ・文化活動の場など,幅広い観点から活用を引き続き検討してまいります。

新たなまちづくりの指針となる第3次総合計画につきましては,市民からのご意見・ご提案を幅広くいただくとともに,市議会とも緊密に連携しながら,平成27年度中に策定をしてまいります。一方,国においては,人口減少と東京一極集中の是正を目指す対策を盛り込んだ,平成27年度から5か年間の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を決定したところであります。本市においても,国による人口減少対策,地方創生の取組に合わせて,中長期的な人口の展望を踏まえた今後5年間の取組を位置付ける総合戦略の策定を,総合企画審議会等のご意見を踏まえ,第3次総合計画との整合を図りながら進めてまいりたいと考えております。

広域行政につきましては,茨城港常陸那珂港区の整備やひたちなか地区の土地利用の推進などの諸課題を共有する2市1村の先行合併として本市が誕生した経緯を踏まえ,東海村との合併機運の醸成に引き続き努めます。さらに,住民サービスの向上や効率的な財政運営,産業,観光振興などの観点から,生活圏等を共有する那珂市や大洗町をはじめとする近隣市町村との広域的連携を推進してまいります。

以上,平成27年度の施政方針をご説明申し上げました。

本市の市政運営につきまして,市民並びに議員各位の格別なるご理解とご協力を賜りますようお願いを申しあげます。

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更新日:2017年02月01日