平成29年度ひたちなか市施政方針

本間源基市長は、平成29年ひたちなか市議会3月定例会の開会(平成29年3月1日)に当たり、平成29年度の市政運営に関する所信を表明しました。ひたちなか市施政方針の全文を掲載します。

6つの施策の柱

第1 災害に強く安全安心に暮らせるまちづくりの推進

第2 産業の振興と地域経済の活性化

第3 福祉・医療の充実と元気づくりの推進

第4 子育て支援と教育の充実

第5 都市基盤の整備と住みやすいまちづくりの推進

第6 自立と協働のまちづくりと行財政改革の推進

平成29年度 ひたちなか市施政方針

平成29年第1回ひたちなか市議会3月定例会の開催に当たり,提案いたしました議案などの説明に先立ちまして,市政運営に関する所信の一端を申し上げ,市民並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

昨年を振り返りますと,熊本地震や鳥取県中部地震に加え,11月の福島県沖地震による津波注意報の発令に伴う避難所開設,年末には茨城県北部で最大震度6弱の地震と,大きな地震の多発した年でありました。また,8月には台風や集中豪雨が続き,市内においても床上・床下浸水や道路の冠水,土砂崩れなどの被害がありました。さらに,昨年末から鳥インフルエンザ発生への備えに取り組むなど,危機管理の大切さを改めて実感した1年でありました。東日本大震災から間もなく6年が経過し,震災の記憶が遠くなろうとしている中,様々な事象や事態を想定し,緊張感を持ち続けながら,安心して暮らせるまちづくりのため,市民の皆様との協働により,防災・減災の取組を進めてまいりたいと考えております。

さて,世界情勢に目を向けますと,アメリカにおいては,共和党のトランプ氏が大統領に就任し,移民政策や通商政策などにおいて,これまでの方針を大きく変更する政策を次々と表明し,世界情勢は混迷の様相を見せております。

経済の面では,アメリカ及びユーロ圏において,雇用・所得環境の改善を背景に,景気は緩やかに回復していく見込みとされております。しかしながら,アメリカの新大統領の政策運営については,具体的内容や財源の手当てなどに依然として不透明な部分が多く,先を見通せない状況であり,アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)が行う利上げや,イギリスの欧州連合(EU)からの離脱などが世界経済に与える影響も不透明であります。ものづくりを中心とする本市の経済や産業はアメリカ,ヨーロッパと密接につながっており,企業の業績や港湾の利用などにおいて海外の政治・経済情勢の影響を直接受けることが懸念され,今後も世界経済の動向を注視する必要があります。

日本経済につきましては,完全失業率の低下など雇用情勢の改善が続き,昨年10月から12月期の国内総生産(GDP)成長率も4四半期連続のプラスとなっており,基調としては緩やかな回復傾向にあります。しかしながら,この持ち直しの動きは外需に支えられた限定的なものであり,年金などに関する将来不安の高まりから消費回復の足取りは重く,地域経済に潤いがもたらされているという実感はなかなか持てない状況であります。政府の先行き見通しにおいては,現在の好調な企業収益を今後は投資の増加,賃上げ及び雇用環境の改善につなげることにより,経済の好循環の拡大が図られるとする一方,海外経済及び金融資本市場の不透明性の下で,景気回復の下支えには内需の拡大を図る必要があるとされているところであります。

政府が成長戦略に組み入れていた環太平洋経済連携協定(TPP)につきましては,本年1月に協定の承認が閣議決定され,一連の国内手続を完了したものの,アメリカではトランプ大統領がTPPから永久に離脱し,二国間協議をとる方針を表明しており,通商関係についても先が見通せない情勢となっております。

また,本年4月の予定であった消費税率10%への引上げ時期については,2年半延期され,平成31年10月からの実施の予定となっております。地方自治体においては,これまでも少子高齢社会に対応した社会保障の充実に独自に取り組んでいるところであり,これらの施策の推進に支障が生じることのないよう,必要な財源の確保が求められております。

政府においては経済再生,財政再建,社会保障改革の3つを同時に取り組む方針の下,これまでの有効求人倍率,完全失業率及び賃金引上げ率の改善をアベノミクスの成果としつつ,今後は経済成長,子育て支援及び社会保障拡充により「成長と分配の好循環」を拡大し,一億総活躍社会の実現を図ることとしております。昨年10月には,「未来への投資」の加速を目的として,総額4兆1千億円の平成28年度第2次補正予算を編成し,子育て・介護の環境整備や,訪日外国人旅行者の受入れ及び東京オリンピック・パラリンピックに対応するためのインフラ整備,IoTビジネスの創出や科学技術イノベーション等の推進,中小企業・小規模事業者の経営支援,熊本地震や東日本大震災からの復興などのための予算を盛り込みました。続けて本年1月には,法人税収の落ち込みに対処するため赤字国債を追加発行しながら,災害復旧・復興や保育士等の待遇改善などのための6,225億円の第3次補正予算を編成したところであります。

また,当初予算としては5年連続で過去最大を更新する政府の一般会計総額97兆4,547億円の平成29年度予算案が編成され,経済再生と財政健全化の両立を目指し,成長と分配の好循環に向けた重要政策課題に取り組むものとしております。歳出においては,保育士,介護人材等の処遇改善などの社会保障の充実,給付型奨学金の創設や幼児教育無償化の拡大などの教育費の負担軽減,人工知能や自動走行などによる第4次産業革命の推進や農林水産業の競争力強化,観光立国の推進などによる経済再生,能力評価を反映した賃上げを図る企業に対する助成や同一労働・同一賃金などの雇用環境の改善による働き方改革等の施策に取り組む一方,社会保障費の伸びを抑制するため,医療・介護の保険料や窓口負担を一部引き上げるものとなっております。

歳入においては,消費税率10%への引上げの延期や景気回復の遅れにより税収の伸びが頭打ちとなったことから,国債の発行額は34兆3,698億円で,歳入全体の35.3%を占めております。基礎的財政収支の赤字額は10兆8,413億円と5年ぶりに拡大し,国が財政健全化計画に掲げる「基礎的財政収支を2020年度までに黒字化させる」という目標の達成は一段と困難なものになっております。

一方,本市の人口につきましては,昨年10月に公表された平成27年国勢調査の結果では155,689人と国勢調査上初めての減少となりました。しかしながら,前回の平成22年国勢調査人口に,その後の月々の出生・死亡の差による自然動態,転入・転出の差による社会動態を加えた常住人口の推移では,本市の人口はほぼ横ばいの状況と認識していたところであり,実際に平成28年は218人の増となっております。また,国勢調査による年齢別では15歳未満の年少人口の割合は14.2%と国・県の割合を上回り,65歳以上の高齢者人口の割合は23.9%と国・県の割合を下回る結果となっており,人口減少・少子高齢化は本市において全国的な傾向よりも緩やかに進行していることが窺えます。これは,本市がこれまで職住近接のまちづくりを基本に据え,人口の定住・交流を促進し,まちの活力を維持するための諸施策に取り組んできたことの一定の成果と考えております。

このため,引き続き,家族や地域の絆の再構築,「地域包括ケアシステム」による医療・介護の総合的な連携の推進,子育て支援の充実,産業振興による雇用の確保などにさらに力を入れて取り組み,若い世代から高齢者世代までが支え合い,安心して暮らし続けることができるまち,第3次総合計画に掲げる「世界とふれあう自立協働都市 ~豊かな産業といきいきとした暮らしが広がる元気あふれるまち~」の実現を目指してまいります。

次に,平成29年度の市政への取組について,前提となる財政状況及び平成29年度予算案をご説明いたします。

平成29年度地方財政計画によれば,個人住民税所得割や法人住民税法人税割などの増収に伴い,市町村税は総額で前年度比2.1%の増と見込まれているところであります。

一方,本市の税収見通しについては,海外経済の不確実性や,金融資本市場の変動等が,海外展開している市内の大手企業に与える影響に留意する必要があり,とりわけ法人市民税の動向を的確に見極めることは困難であると考えております。

また,消費税率引上げの延期に伴い,法人住民税法人税割の更なる国税化や車体課税の見直しなどの地方税の減収につながる改正については,実施が先送りされたものの,平成29年度の社会保障費が国・地方で合わせて1.8兆円規模に上り,将来に向けた社会保障の財源確保については依然として不透明な状況にあります。

こうした中,本市においては,少子・超高齢化,人口減少社会の到来を見据えた将来的な財政需要に備えるため,事業の見直しや市債の抑制,決算剰余金の活用などにより,市債管理基金や財政調整基金の積み増しを図ってきたところであります。特に平成28年度においては,法人市民税の減収分を減収補てん債の発行により補うとともに,普通交付税の確定額や震災復興特別交付税の交付見込額及び予算の執行状況等を勘案し,3月補正予算において基金の取崩しを中止することにより,市債管理基金及び財政調整基金の合計残高は,平成27年度末の約146億6,500万円を維持できる見込みであります。平成29年度の予算編成に当たっては,これらの基金も活用しながら,福祉や医療,介護などの社会保障関連経費の増加に確実に対応するとともに,市民生活向上のための施策に積極的に取り組むこととしたところであります。

また,3月補正予算においては,国の平成28年度補正予算に対応し,保育士等の処遇改善に係る施設型給付費を増額するとともに,消費税率引上げの影響に配慮した低所得者に対する臨時福祉給付金及び小中学校改築事業費の平成29年度執行予定分を前倒し計上することにより,総額17億5,146万円としたところであります。

次に,平成29年度当初予算案についてでありますが,まず,歳入の根幹を成す市税につきましては,法人市民税において,法人実効税率引下げによる影響はあるものの,有効求人倍率及び賃上げ率の好調な推移など,雇用・所得環境の緩やかな改善を背景に個人市民税の増収を見込み,市税全体としては前年度当初予算と比較して2.6%増の234億9,510万円としております。

本市におきましては,行財政改革の推進による歳出抑制に取り組む一方,企業誘致や雇用創出などに積極的に取り組み,税収などの自主財源の確保に努めてきておりますが,福祉や医療,介護などの社会保障関連経費や,公共施設の老朽化による維持補修,主要設備の更新等に係る経費が増加しております。

このような中,歳出につきましては,緊急性の高い事業や,今後の本市の発展に必要不可欠な事業等に対して限りある財源を重点的・積極的に振り向けることといたしました。具体的には,喫緊の課題として,医師確保等の市民の安心を支える地域医療体制の充実,保育需要に対応するための民間保育所の新設・建替支援に取り組みます。また,少子高齢化への対応として,三世代同居・近居の支援,地域包括ケアの推進,子育て支援の拠点整備,放課後の子どもの居場所である学童クラブの運営体制強化,学校規模適正化などによる教育環境の向上等に取り組むとともに,所得格差等を背景とする児童・生徒及び家庭状況に向き合う施策として,就学援助の拡大や学校と連携した学習支援などに積極的に取り組んでまいります。さらに,防災対策として,津波避難道路の整備や親水性中央公園の整備を含めた河川改修事業などを着実に進めるほか,交通弱者の移動手段の確保及び交流人口の拡大,地域活性化などの複合的な効果を期待できるひたちなか海浜鉄道湊線の延伸実現に向けた取組など,魅力あるまちづくりを推進する施策に積極的に取り組むこととしております。これにより,一般会計の当初予算案は,前年度比4.6%の増となり,本市において過去2番目の規模である543億2千万円となっております。

特別会計では,事業計画の大幅な見直しを行っている土地区画整理事業について,見直し後の計画等に基づき,地区ごとに優先すべき課題や,公共性の高い施設の整備などに重点的に取り組むこととし,土地区画整理事業7会計合計の当初予算規模は,前年度比3億5,399万円の増となっております。また,公共下水道事業会計では,下水道施設の長寿命化工事のほか,市内の大雨時の治水対策をさらに進めるため,新たな雨水幹線の整備に着手することから,前年度比4億4,327万円の増となっております。国民健康保険事業会計は,昨年10月の制度変更により,会社員等の加入する社会保険の対象者が拡大することに伴って,国保の被保険者数が大幅に減少する一方,高齢化の進展による医療費の増加が見込まれることから,国保財政の安定を図るため,一般会計からの繰出金を前年度比4億6,904万円増額しております。また,介護保険事業会計においては,介護保険給付費の増加などに伴い,前年度比6億6,463万円の増となっております。上坪浄水場の移転改築工事費を計上する水道事業会計を含めた特別会計全体では,前年度比4.2%増の423億8,822万円となっております。

また,国との事前協議や権利者との調整に日数を要した事業や,国の平成28年度補正予算に対応して計上した事業などにつきましては,平成29年度に繰越をして完結を図ることとし,一般会計では53億3,295万円,特別会計では5億7,067万円の予算を繰越いたします。

次に,平成29年度の市政への取組でございますが,以下に掲げる6つの柱により,施策を推進してまいりたいと考えております。

第1 災害に強く安全安心に暮らせるまちづくりの推進

第1は,災害に強く安全安心に暮らせるまちづくりの推進であります。

近年,全国的に,地震や台風,集中豪雨など大規模な自然災害が頻発しております。市民の生命,財産,安全安心な暮らしを守ることは市政の最重要課題であります。一方,本市におきましては,「自らの地域は自らが守る」という意識が市民に根付いており,自主防災会を中心に活発な防災活動が行われております。引き続き市民参加型の実践的な総合防災訓練を実施し,訓練の検証等を通じて,課題の共有・改善を図り,市民,関係団体等と連携しながら,更なる防災体制の強化に努めてまいります。

津波・河川氾濫・高潮対策につきましては,引き続き那珂川堤防の早期整備を国に強く働きかけるとともに,沿岸部の津波・高潮対策として県が実施する護岸整備を促進してまいります。あわせて,津波からの避難路ともなる船窪土地区画整理事業地内の都市計画道路和田町常陸海浜公園線について,平成31年度の供用開始に向けて整備を進めてまいります。

河川改修につきましては,水田,道路等の冠水被害解消を目指し,大川改修工事の早期完成を図るとともに,親水性中央公園整備事業と合わせて,県が実施する中丸川の改修を引き続き促進してまいります。また,大島地区,高場地区の雨水幹線につきまして,下流域である河川改修の進捗との整合を図りながら新たに整備に着手いたします。平磯2号雨水幹線につきましては,平磯駅踏切周辺の冠水被害解消のため,下流側に向けて工事を進めてまいります。

学校施設の耐震改修につきましては,中根,枝川,堀口,田彦,津田,那珂湊第一,平磯の各小学校及び佐野,平磯,阿字ヶ浦の各中学校の校舎,佐野幼稚園の園舎の耐震補強工事が完了したところであります。また,阿字ヶ浦小学校及び勝田第二中学校の校舎,高野及び那珂湊第三幼稚園の園舎については平成28年度中に完了する予定であります。さらに,那珂湊第三小学校及び勝田第二中学校の校舎については,本年度当初から改築工事に着手し,平成29年度完了を予定しております。また,勝倉及び三反田小学校については,昨年10月の国の第2次補正予算による補助採択後の着手となったことから,平成30年度完了の見込みとなりましたが,これらの整備をもって本市の全ての学校施設の耐震化が完了いたします。

水道事業につきましては,市内の約7割の配水を担う上坪浄水場の移転改築事業について,平成28年度から建設用地の整地及び法面擁壁工事に着手するとともに,沈澱池やろ過池など,浄水処理施設の第2期詳細設計を行っており,平成29年度は,配水池の建設工事及び導水管・配水管の布設工事に着手いたします。また,引き続き老朽化した配水管の更新を計画的に進めるなど,「水道事業第3期基本計画」に基づき,災害に強く安全でおいしい水の安定供給に向けた取組を進めてまいります。

東海第二原子力発電所への対応につきましては,東海村と周辺5市で構成する「原子力所在地域首長懇談会」及びUPZ圏の15市町村からなる「東海第二発電所安全対策首長会議」の構成市町村と連携しながら,原子力安全協定の範囲及び権限の拡大,見直しを強く求めているところであります。昨年12月に開かれた「原子力所在地域首長懇談会」で示された日本原子力発電側の消極的な姿勢に対し,構成6市村の首長は強く反発し,去る2月9日に原電社長に対し,協定見直しを再度申し入れたところであります。福島第一原発事故を踏まえれば,被害の範囲を行政界で分けることができないのは自明であり,本市が東海村と同様に意見を述べ,協議できる権限を有することは当然のことと認識しております。引き続き原発所在地域の自治体として意見を反映できるよう,協定の見直しの実現に努めてまいります。

原子力災害に備えた広域的な避難計画につきましては,市としての基本方針案を,昨年10月から11月にかけて,コミュニティを単位として12回にわたる住民説明会を開催し説明してまいりました。市民の皆様からは,避難行動要支援者への対応や,複合災害をはじめとする様々な事象への対応などに関して,数多くのご意見,ご指摘を頂きました。頂いたこれらの課題等について今後さらに検討を進めるとともに,本市の避難先となる県内外の関係市町村等とも連携を密にしながら,より実効性の高い広域避難計画の策定に取り組んでまいります。

安定ヨウ素剤の事前配布につきましては,昨年8月から市独自の全市民を対象とした医師との連携による薬局での配布方式により実施しております。引き続き薬剤師から配布勧奨を行っていただくなど,関係機関との連携やPRの強化を図りながら配布率向上に努めてまいります。さらに,3歳未満の乳幼児が服用することができる,新たに開発されたゼリータイプの安定ヨウ素剤を配布してまいります。

また,8千ベクレルを超える指定廃棄物につきましては,国の負担により,旧那珂湊清掃センター敷地内にコンクリート製の堅牢な施設を設置し安全な保管を行うとともに,基準値を下回った廃棄物についても国の責任と負担に基づき,適切な処分を図ってまいります。

消防・救急につきましては,災害対応の拠点となる消防庁舎等の改修を行うとともに,高規格救急自動車や水槽付き消防ポンプ自動車等の更新,消防・救急資機材の整備等を計画的に実施し,広域消防体制の更なる充実・強化に努めてまいります。また,119番通報受信や出動指令などを統括する消防通信指令システムの精密機器類の定期更新を行い,通信体制に万全を期してまいります。さらに,聴覚や言語機能などに障害のある方々の通報手段として,これまでのファクス利用に加え,スマートフォン等で居場所や状況を通報することができる「NET119」システムを新たに導入してまいります。

消防団活動の支援につきましては,引き続き団員の確保に努めるとともに,足崎地区の第25分団の消防ポンプ自動車を更新し,装備の充実を図ります。

交通安全対策につきましては,全国的に高齢者の関係する交通事故が多発し,大きな社会問題となっております。市では,運転に不安を持つ高齢者の自主的な運転免許証の返納を促すため,返納者にスマイルあおぞらバスの1年間無料パスを交付しております。今後引き続き,高齢者を対象とした交通安全研修会の開催等を行うとともに,市交通安全対策本部を中心に,関係機関・団体と連携し,交通安全運動の実施,交通安全フェスティバルや交通安全指導者講習会の開催,交通安全教育指導員による安全教育の推進などに取り組んでまいります。

防犯につきましては,引き続き自治会等による防犯パトロール活動や児童・生徒の見守り活動などを支援するとともに,自治会が実施する防犯灯の設置,維持管理,LED灯への交換等に対する助成を行ってまいります。

空き家対策につきましては,「空家等対策の推進に関する条例」に基づき,実態調査を進め,建物の状態や危険度合いにより所有者への指導等を行っているところであります。今後も「空家等対策計画」に基づき,自治会や関係機関などと連携しながら空家等の状態に応じて,「発生抑制」,「有効活用の促進」,「適正な管理がされていない状態の解消」のための対策を総合的に進めるとともに,特に危険性の高い「特定空家等」及び「管理不全空家」に対しては,危険を回避するための緊急安全措置を講じるなど,適切な対処に努めてまいります。

第2 産業の振興と地域経済の活性化

第2は,産業の振興と地域経済の活性化であります。

雇用の促進につきましては,ハローワーク水戸と連携し,ワークプラザ勝田内の地域職業相談室において求人情報の提供を行うとともに,新卒者の就職を支援するための合同就職面接会等を実施してまいります。また,仕事と子育ての両立を目指す方の就職を応援するためのセミナーを開催してまいります。

企業誘致の取組につきましては,東日本大震災による被災地域の経済復興のために創設された「茨城産業再生特区」制度の適用期限が,当初の平成27年度末から平成32年度末までに延長されたところであります。この特区制度と合わせて,市独自の固定資産税の課税免除をはじめとする企業立地のための各種優遇制度や,港湾とこれに直結する高速道路などの産業流通インフラの優位性等を,企業立地セミナー等の開催を通じて引き続き積極的にPRし,企業進出や新たな設備投資を促進してまいります。

中小企業支援につきましては,振興金融及び自治金融について,引き続き信用保証料の全額補給を実施し,中小企業の資金確保と経営安定化を図ってまいります。つなぎ資金として需要の多い特別融資制度の短期資金につきましては,引き続き市内金融機関に5億5千万円を預託することにより16億5千万円の融資枠を維持し,市独自の低利融資を実施してまいります。また,商工会議所やテクノセンターなどと連携して創業を支援するとともに,創業融資に係る信用保証料を補助するなどの優遇策を講じてまいります。

工業につきましては,引き続き産業活性化コーディネーターや「なかネットワークシステム」の活動を通じて,テクノセンター等の産業支援機関や茨城高専,商工会議所などとの産学官連携を強化し,ものづくり企業の生産性の向上や人材育成等を支援するとともに,新製品等の開発や技能訓練事業等に対する補助を実施してまいります。地方創生加速化交付金を活用した日立市,常陸太田市との共同による「3市連携デジタルものづくり拠点化事業」については,テクノセンターと連携し,技術講座の開催のほか,平成28年度は医療機器分野における設計図等のデジタルデータの企業間の共有・活用の検討に取り組んでおり,平成29年度はさらに自動車部品の分野で取り組んでまいります。また,中小企業の海外を含めた販路開拓に向け,ジェトロ茨城事務所などの関係機関との連携強化を図るとともに,新たに商工会議所ロサンゼルス事務所の現地コーディネーター配置に対する助成を行うほか,企業の国内外の展示会や見本市への出展費用等について引き続き補助してまいります。

商業につきましては,商工会議所が取り組む市内2箇所のコミュニティ交流サロンの運営や空き店舗チャレンジショップ事業,さらに,消費喚起により地元商店街や地域経済の活性化を図るプレミアム付商品券の発行を引き続き支援してまいります。また,商店街等が管理する街路灯について,LED灯への交換に加え,老朽化した既存街路灯の撤去費も助成の対象といたします。

農業につきましては,次代の担い手への支援として,認定農業者等が取り組む経営改善や規模拡大に必要な農業機械,施設・設備等の導入に対し,引き続き助成してまいります。また,米の新品種「ふくまる」を県内で初めて農薬等を軽減して生産している本市の「認定農業者の会」につきましては,県の技術指導者を招いた栽培方法に関する現地勉強会を市で主催するなど,引き続き活動を支援してまいります。また,新規就農者の確保につきましては,平成27年度の1名に続き,平成28年度は2名が認定就農者となったところでありますが,今後も国の給付制度などを活用しながら就農支援を行ってまいります。

生産量日本一を誇るほしいもにつきましては,消費者に信頼される産地を目指して,「ひたちなか・東海・那珂ほしいも協議会」において生産履歴の記帳,衛生加工,適正な品質表示の実践による「ほしいも生産三ツ星運動」を引き続き推進するとともに,協議会に設置した「ブランド化検討委員会」を中心に,更なるブランド化に向けた取組を検討してまいります。今後もファッションクルーズにおける品評会開催などを通じて,衛生面に配慮した本市の高品質のほしいもをPRしてまいります。

また,農業用水の安定的な確保・供給を図る「国営那珂川沿岸農業水利事業」につきましては,柳沢機場及び湊幹線用水路の実施設計が行われており,引き続き早期着工を促進してまいります。受益地となる中根荒谷地区においては,現在,畑地帯総合整備事業の実施に向けて関係地権者から同意取得を行っているところであり,引き続き地元の推進協議会や県と連携し事業化を推進してまいります。さらに,本市の優良農地の維持を図るため,国の多面的機能支払交付金を活用し,水路敷の草刈りや泥払い等の維持管理を行う農業者等の団体を支援するほか,土地改良区が行う県単土地改良事業による水路の整備等を支援してまいります。また,県事業のふるさと農道整備につきましては,現在国道6号横断部のトンネル工事を実施しているところであり,平成30年度開通に向けて事業を促進してまいります。

水産業につきましては,議員提案による「魚食の普及推進に関する条例」が平成28年4月に施行されたことを契機に,商工会議所や漁協等を中心に「食と漁の地域活性化シンポジウム」やイベントにおける物品販売,PR等が行われてきたところであります。更なる魚食普及のため,これらの関係団体と連携して新たに「魚食普及活動実行委員会」を設置し,子どもたちも一緒に楽しめる講演会,地魚を使用した料理教室の開催などを行い,地元水産物の消費拡大を推進してまいります。また,漁協と連携しながら,引き続き漁業体験研修を実施し,漁業の新たな担い手の確保に努めてまいります。県事業である那珂湊,磯崎の両漁港の整備につきましては,防波堤や岸壁などの老朽化対策及び災害に強い構造への改修を促進してまいります。

観光につきましては,国内外からの多くの集客を誇る国営ひたち海浜公園をはじめ本市の優れた観光資源に加えて,地元の食の楽しみや特色あるイベントなど,本市ならではの多彩な魅力を総合的に発揮しながら,市民力を活かした,おもてなしの心による観光を推進してまいります。市の玄関口である勝田駅から海岸部に向かうひたちなか海浜鉄道湊線につきましては,観光客の移動手段の一つであると同時に,元気なローカル鉄道の存在自体が本市の貴重な観光資源となっております。駅周辺では,大学生等による「みなとメディアミュージアム」の活動と協働して,観光名所や地域の特徴を文字としてデザイン化した案内標識を設置し,湊線利用者等が楽しみながらまち歩きができる環境づくりを進めております。平成28年度は那珂湊駅を起点とした地域,平成29年度は,さらに殿山駅から阿字ヶ浦駅までの沿線地域に拡大して整備を進め,観光客のまちなかへの回遊を促進してまいります。また,観光協会と連携して,本年4月から土曜・日曜・祝日や海浜公園の多客期に観光案内所を勝田駅に開設し,観光施設や交通,宿泊,飲食などの情報提供サービスを行ってまいります。あわせて,訪日外国人を含む観光客の居住地や旅行の目的,宿泊先などについて情報収集を行い,今後のサービス向上のための基礎調査としてまいります。さらに,県央地域の9市町村で構成する定住自立圏の枠組みを活用するなど,広域的な観光の魅力の発信と集客力の向上,回遊観光の推進を図ってまいります。

また,本市の豊かな産業を広く紹介し,市民と地元産業界等の交流を図るため,産業交流フェア及びみなと産業祭を引き続き実施するとともに,姉妹都市である石巻市や那須塩原市のほか,タコの産地として知られる明石市や南三陸町との交流事業を推進し,本市産品のPRに努めてまいります。

第3 福祉・医療の充実と元気づくりの推進

第3は,福祉・医療の充実と元気づくりの推進であります。

福祉のまちづくりの基本は,支え合いであり,その支え合いの基本となる単位は「家族」であります。現在の社会の中で大きな課題となっている子育てや介護などの分野において,「家族の絆」を再構築し,家族の力を高めていくことがまず大切であると考えております。このため,転入により,市内で三世代家族が同居・近居を始める際に住宅の取得やリフォーム等を行う費用に補助をする「三世代同居等支援住宅助成金交付事業」を平成27年度から他自治体に先駆けて実施しており,これまでに120件を超える申請があったところであります。若い世帯をはじめとする人口増加にもつながる施策であり,引き続き制度の周知に努めてまいります。

一方,地域福祉の推進は,地域社会における助け合い,「地域の絆」を強める取組であります。身近な課題について気軽に話し合い,住民同士の交流の場ともなる地域福祉懇談会,通称「井戸端会議」を引き続きコミュニティ単位で開催してまいります。あわせて,コミュニティ,自治会等と連携して,地域福祉の担い手を発掘・養成するとともに,高齢者や子育て世帯に対する地域の実情に応じた支援のあり方などについて検討してまいります。さらに,社会福祉協議会とも連携しながら,「ワイワイふれあい館」の活動をはじめ,子育て支援や高齢者交流を行う市民のサロン活動について,立ち上げや拡大を支援するとともに,サロンフェスティバルや活動実践講座等を開催し,相互交流や担い手育成を図ってまいります。

高齢者福祉につきましては,平成30年度からの3か年を計画期間とする高齢者福祉計画及び介護保険事業計画「第7期しあわせプラン21」を策定してまいります。また,団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途として,医療,介護,生活支援・介護予防などのサービスを一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の構築に取り組んでまいります。具体的には,在宅医療と介護の一体的な推進に向けて,医師会をはじめ各関係団体と検討を行ってきた「在宅医療介護連携準備会」を平成29年度には「在宅医療介護連携推進協議会」に発展させ,医療・介護に携わる多職種連携の強化と市民への情報提供等に取り組んでまいります。また,市内4か所のおとしより相談センターを中心に相談支援を引き続き行うとともに,特に今後増加が予想される認知症の方やそのご家族等に対しては,認知症地域支援推進員や複数の専門職で構成する認知症初期集中支援チームにより,認知症の初期段階からの相談を実施し,早期の専門医受診や介護保険サービス利用等を促進してまいります。

介護保険事業につきましては,「第6期しあわせプラン21」に基づき,80床の特別養護老人ホームが平成29年度中に市内に開設される予定であります。今後も介護保険サービスに対する需要に即しながら,施設整備等による介護サービス基盤の充実を図ってまいります。

高齢者の生活機能の低下を予防する一般介護予防事業につきましては,高場・金上の旧デイサービスセンターにおいて「元気サポート教室」を引き続き実施してまいります。また,元気アップ体操の普及に中心的な役割を担う地域の元気アップサポーターを養成するとともに,研修によるスキルアップを図ってまいります。また,各自治会で介護予防活動に取り組む「ときめき元気塾」につきましては,専門的立場からの助言や運動指導を行う理学療法士及び作業療法士の派遣を引き続き行ってまいります。

障害者福祉につきましては,障害のある方一人一人が家族や地域社会の中で希望する生活を送ることができるよう,障害者総合支援法に基づき,介護給付や訓練等給付のほか,地域生活支援事業による日常生活用具の給付などを引き続き実施するとともに,障害のある方に対する差別解消を図るため,新たに「障害者理解促進事業」として,市民や企業,学校等を対象に障害特性に応じた配慮方法などに関する講座を開催してまいります。

生活保護受給者や生活困窮者の自立に向けた支援につきましては,引き続きハローワークなどの関係機関と連携を図りながら取り組んでまいります。

市民の安心を健康面で支える地域医療体制につきましては,市の中核医療機関である日立製作所ひたちなか総合病院に対し,救急医療等に不可欠な麻酔科医の確保を引き続き支援するとともに,筑波大学附属病院との協定に基づく社会連携講座への支援を拡大し,派遣専門医の増員を図ってまいります。また,茨城県央地域定住自立圏の事業として,関係自治体と連携し水戸赤十字病院に周産期の産婦人科医を確保してまいります。

国民健康保険事業につきましては,制度の見直し等により所得の比較的高い被保険者層の減少に伴い保険税収入が減少する一方,高齢化の進行などに伴って一人当たりの医療費が増大することにより,国民健康保険特別会計への一般会計からの繰出しは近年増加の一途となっております。このような中,平成27年5月の法改正により,平成30年度から国民健康保険の財政を都道府県との共同運営に移行させることとなりましたが,それに伴い新たな国の支援,県の負担等は行われないため,市町村の財政運営の改善にはつながらず,むしろ事務量の増大が大きな負担となることが懸念されております。本市の今後の国保財政のあり方等について,保険税率改定も視野に入れながら慎重に検討してまいりたいと考えております。

疾病予防対策につきましては,引き続き市独自に乳幼児へのおたふくかぜ及びロタウイルス予防接種や,妊娠を希望する方を対象とした風しん予防接種,1歳児から中学校3年生までのインフルエンザ予防接種に係る費用の一部,さらにこれまでに定期接種を受けていない65歳以上の高齢者に対する肺炎球菌予防接種について,助成を実施いたします。また,生活習慣病を予防するため,食生活等に関する周知啓発や保健指導の充実に取り組んでまいります。がんなどの早期発見対策としましては,国民健康保険被保険者のうち40歳から60歳までの5歳刻みの方を対象とする検診については,特定健診,各種がん検診,肝炎ウイルス検診などを組み合わせた総合健診として新たに実施してまいります。また,5歳刻みの対象年齢の方に無料クーポンを配布している子宮頸がん検診・乳がん検診につきましては,平成29年度から国の補助対象が子宮頸がん検診は20歳,乳がん検診は40歳のみに縮小となりますが,その他の年齢の方々にも引き続き市単独の全額公費負担による検診を実施してまいります。また,これまでの乳がん検診に加えて,総合健診及び胃がん検診についても予約制を導入し,待ち時間の短縮を図ることなどにより受診率の向上に努めてまいります。

市民の健康づくり等を推進するスポーツの振興につきましては,本年1月の「勝田全国マラソン大会」には47の全ての都道府県から2万1千人を超える参加申込みがあり,多くのボランティアの方々に支えられながら,競技大会としてはもちろん,市民,ランナーの相互交流,地域の活性化に資する一大イベントとして開催することができました。今後も警察,体育協会をはじめとする関係機関と連携して,安全安心に走ることのできる環境づくりに努めるとともに,商工会議所との連携による前日祭の開催など,スポーツを通じて楽しんでいただける大会を目指してまいります。また,2019年に茨城県で開催される「国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会」につきましては,昨年11月に設立した市の実行委員会を中心に,大会の成功に向けて準備に万全を期すとともに,バレーボールの競技会場となる総合運動公園総合体育館の改修工事を実施してまいります。また,2020年開催の「東京オリンピック・パラリンピック」につきましては,引き続き県や関係団体との連携を図りながら,キャンプ誘致等に関する情報交換を行ってまいります。

第4 子育て支援と教育の充実

第4は,子育て支援と教育の充実であります。

中心市街地に整備中の新たな子育て支援センターにつきましては,子育て関連団体や子育てサロンの代表者などからなる運営委員会を設置し,ご意見を頂きながら開設準備を進めているところです。子育て世代を含めた幅広い世代の交流にもつながるよう,生涯学習や市民活動の場など複合的な機能を有する「子育て支援・多世代交流施設」として,本年10月のオープンを目指してまいります。また,乳幼児や保護者同士の交流,育児相談などに民間保育所が取り組む地域子育て支援拠点事業を引き続き支援してまいります。

また,市民が担うファミリー・サポート・センター事業につきましては,育児援助等に関する協力会員向けの知識・技術講習会,協力会員・利用会員の登録説明会を開催するなど,活動の充実及び会員拡大に引き続き取り組んでまいります。子育てサロンにつきましては,市内各サロンが参加する「子育て支援つどいのひろば連絡会」において研修会及び情報交換会を引き続き開催し,子育て支援の知識・技術等の向上を支援してまいります。また,市の子育て支援コーディネーターが市内全ての子育てサロンや子育て支援センターを定期的に訪問し,課題等の共有を図りながら,地域の実情等に即した支援を行ってまいります。さらに,近隣に三世代等の親族がいない親子に寄り添う「子育て支援家庭訪問事業」を担う人材養成のための講座を新たに開催してまいります。また,子育て支援の機運を地域社会全体で醸成するため,本年2月に商工会議所を通じて「子育て応援宣言企業等登録事業」への参加を市内企業に呼びかけたところであります。公募により作成した「子育て応援シンボルマーク」も活用しながら,地域全体で子育てを支援する体制づくりに取り組んでまいります。

母子保健につきましては,母子保健コーディネーターを中心に医療機関等と連携を図りながら,平成28年度から開始した「産後ケア事業」を推進するとともに,保健師,助産師等の専門職による各種相談事業等を通じて,妊娠期から子育て期までの継続的な支援を行ってまいります。また,幼児の虫歯予防の強化を図るため,新たに2歳児を対象とした歯科健診を実施してまいります。

また,不妊治療の経済的負担を軽減するため,体外受精及び顕微授精に加え,平成28年度から対象とした男性不妊治療の費用に対する市独自の国・県補助への上乗せ助成の限度額を引き上げます。

医療福祉費支給制度いわゆるマル福につきましては,昨年10月から県補助事業に合わせて,妊産婦及び子どもに対するマル福の所得基準額を緩和し対象者の拡大を図り,子どもに対するマル福では全体の約8割が対象となったところであります。妊産婦に対しましては,引き続き市独自に助成し,県助成対象外の疾病についても医療費の無料化を図ってまいります。また,子どもに対するマル福につきましては,県補助事業においては,外来診療が小学校6年生まで,入院診療が中学校3年生までを対象としておりますが,引き続き市独自に,外来診療については中学校3年生までを助成対象とするとともに,3歳未満児の外来診療及び中学校3年生までの入院診療の無料化を図ってまいります。

働く子育て世帯などを支える保育所につきましては,本市においては,特に勝田地区の3歳未満児の保育需要が増加しており,ピークとなる平成31年度に約160人の定員が不足する見込みであります。このようなことから,市としては,進入路や園庭が狭あいで老朽化が著しい市立佐野保育所について平成29年度末に閉所した上で,平成30年度から,佐野中学校区に代替となる民間の保育所を定員規模を拡大して設置するとともに,勝田第一中学校区にも民間保育所を新設することとしたところであります。このため,これらの保育所の整備を行う事業者を公募し,本年1月に2事業者を選定いたしました。また,平成20年度に旧大成保育所を民営化した野いちご保育園につきましては,園舎の老朽化に伴う建替えに対し助成をしてまいります。さらに,民間保育所に対し市独自に,障害児保育への補助及び食物アレルギーのある児童保育についての施設型給付費への加算を引き続き行い,特別な配慮を必要とする児童も安心して入所できる保育環境の確保を図ってまいります。

教育行政につきましては,子どもたちの学力や人間性,健やかな身体を育むための取組や学校設備等の教育環境の充実などを推進するとともに,教育委員会と連携を図りながら,地域社会全体の問題として,いじめ・非行の未然防止などに取り組んでまいります。

まず,児童・生徒一人一人の「生きる力」を育むための指導力向上を目指し,教職員の研修を計画的に実施してまいります。また,市独自の非常勤講師「スマイルスタディ・サポーター」を2名増員して12名とし,少人数指導やティームティーチングなど理解度に応じた教育の充実を図るとともに,英語指導助手や「わくわくサイエンス・サポーター」を引き続き配置し,英語教育や理科教育の充実に努めてまいります。さらに,コミュニティゲストや部活動外部指導者など,地域人材の積極的な活用を図ってまいります。

平磯・磯崎・阿字ヶ浦地区の学校統合による小中一貫校の新設につきましては,地元説明会を開催し,保護者や地域の皆様のご理解を頂きながら,建設候補地を選定したところであります。義務教育9年間を通して総合的な力を身に付ける学校づくりを目指し,平成29年度は,建設地の測量及び施設の基本設計・実施設計をPTAや自治会,教員などの関係者のご意見も取り入れながら進めてまいります。また,他の地区の小規模校につきましても,「小・中学校適正規模・適正配置基本方針」に基づき,子どもたちの健やかな育成にふさわしい学校教育のあり方について,引き続きPTA,地域の方々との意見交換等を行いながら検討してまいります。

ICT教育の推進につきましては,これまでの研究推進校における取組の成果に基づき,学習時の集中力や興味・関心の向上に有効である教育用タブレット端末等を全小中学校に導入いたします。

また,小中学校の校舎やプール管理棟などのトイレ改修については,国の補正予算等も活用しながら,平成32年度完了を目指して進めてまいります。

幼児教育につきましては,障害等により特別な支援を必要とする子どもを受け入れられる体制の充実など,公立幼稚園の果たすべき役割を明確にするとともに,園児数が減少傾向にある中で,私立幼稚園との関係を勘案し,必要な規模を確保しながら再編を進めてまいります。

障害のある児童・生徒への支援につきましては,平成29年度入学児童などに対応するため,学校介助員を3名増員して46名とし,一人一人の状況に応じた介助や安全の確保,学習活動支援の充実に努めてまいります。また,発達に心配のある児童・生徒への支援につきましては,引き続きヘルスケアセンター内に設置した「みんなのみらい支援室」の相談員が小中学校,幼稚園,保育所等に出向いて教職員や保育士等への助言を行うとともに,本人や保護者を対象にした個別相談や各種トレーニング教室を実施してまいります。あわせて,幼稚園の教職員や保育士等を対象に児童・生徒への適切な関わり方を学ぶスキルアップ講習会や,小学校入学前の保護者を対象とした発達支援出前講座を開催してまいります。

不登校児童・生徒への対応につきましては,教育研究所に配置した教育相談員により,適応指導教室「いちょう広場」による学校復帰への支援などを行うとともに,学校訪問による教職員への支援を行ってまいります。さらに,教育研究所内の「いじめ・不登校相談センター」に「カウンセリングアドバイザー」を配置し,専門的見地から児童・生徒や保護者,教職員への支援を引き続き行ってまいります。また,長期欠席傾向にある児童・生徒に対しましては,「心の教室相談員」や家庭訪問を行う「心のサポーター」が,学校と連携を図りながら活動しているところです。子どもたちの心の問題の解決のためには,児童・生徒の家庭環境に向き合い,関係機関との連携をさらに深めることが必要であることから,「心の教室相談員」を2名増員するとともに,那珂湊地区の支援拠点として那珂湊中学校に配置した「絆サポーター」により,不登校児童・生徒への支援を引き続き行ってまいります。

また,家庭における生活環境が児童の学習の遅れにつながるケースがあることから,新たに教育委員会・学校・市の福祉部門・市民の連携により,小学校5・6年生を対象に放課後の空き教室を利用した学習支援を開始いたします。あわせて,必要に応じて心の教室相談員と連携し,家庭への支援・指導を行い,児童の学習・日常生活習慣の改善や学習意欲の向上を図ってまいります。さらには,経済的な理由で就学することが困難な児童への支援を拡充するため,就学援助費にクラブ活動費,児童・生徒会費及びPTA会費を追加いたします。

放課後の子どもの居場所である学童クラブにつきましては,放課後児童支援員について順次,有償ボランティアから嘱託職員とするとともに,資質向上のための認定資格研修の受講を計画的に進め,安全安心で責任ある学童クラブ運営を行ってまいります。あわせて,利用時間延長などの更なる内容の充実及びそれに伴う利用者負担等のあり方について検討してまいります。また,放課後,土曜・日曜などに子どもの遊び・学びの場を提供する「放課後子ども教室」につきましては,引き続き学校や地域の方々の協力を得ながら実施してまいります。さらに,市毛地区の「子どもふれあい館」の活動及び新たに長松自治会が地元集会所で自主的に開始する「長松子ども館」による小学生の放課後の居場所づくり活動に対し,運営費を補助し支援を行ってまいります。

芸術・文化につきましては,市内の全ての児童・生徒を対象とする芸術文化鑑賞事業を実施するとともに,文化関係団体の協力等を得ながら,子どもたちが伝統文化を継承する活動の成果の発表の場として「子ども伝統文化フェスティバル」を引き続き開催してまいります。

生涯学習の推進につきましては,各コミュニティセンター等において,地域のニーズに即した特色ある生涯学習活動が行われているとともに,市では引き続き生涯学習講座,市民大学を開設し,幅広い学びの機会を提供してまいります。

青少年育成事業につきましては,学校やボランティア団体等の協力を得ながら,引き続き洋上学習,自然体験キャンプなどの体験的な事業を通じて,主体的に行動できる心豊かな青少年の育成を図るとともに,高校生会,子ども会育成連合会,ボーイスカウト・ガールスカウトなどの青少年団体の活動を支援してまいります。

また,老朽化している生涯学習センター及び青少年センターについて,新たに開設する「子育て支援・多世代交流施設」に機能集約し,市民の芸術・文化や健康づくり,人材育成などの活動の場として幅広い利活用を図ってまいります。また,この「子育て支援・多世代交流施設」は,中心市街地の良好な環境の中に位置することから,新たな人の流れをつくり出す拠点,近接する石川運動ひろばと連携した総合的な市民の交流拠点として,利活用を図ってまいります。さらには,商工会議所が中心となって設立した「ひたちなかまちづくり株式会社」が毎月実施する「勝田TA・MA・RI・BA横丁」や,表町の「にこにこプラザ」など,関係団体等の活動と連携することにより,中心市街地の活性化,にぎわいの創出に貢献する施設としてまいりたいと考えております。

中央図書館につきましては,中心市街地全体のまちづくりを視野に入れながら,老朽化に伴う建替えに向けて,設置場所や施設の規模,機能などについて,引き続き検討を進めてまいります。佐野図書館につきましては,佐和駅東土地区画整理事業の進捗に合わせて,駐車場,エントランス等の外構整備工事を実施してまいります。

第5 都市基盤の整備と住みやすいまちづくりの推進

第5は,都市基盤の整備と住みやすいまちづくりの推進であります。

「中心市街地整備事業」につきましては,引き続き表町・元町・共栄町地区の歩道の段差解消によるバリアフリー化を進めるとともに,新たに「子育て支援・多世代交流施設」周辺の歩道の段差解消に着手してまいります。また,石川町地内の日立製作所第二悠和寮跡地周辺の歩道整備に着手し,歩行者の市街地回遊性を高めてまいります。また,JR常磐線の改札口が西側のみである佐和駅につきましては,東側からの利用者の利便性向上を図るため,本年度に策定した東西自由通路の設置及び駅舎の橋上化の基本計画に基づき,施設の位置や規模などの基本事項についてJRと協議し,工事計画に関する協定を締結するとともに,佐和駅構内の測量調査を実施してまいります。

ひたちなか地区につきましては,「留保地利用計画」策定からおよそ10年が経過する中,高速道路や港湾などのインフラ整備が着々と進む一方,昭和通り沿いの「都市センター」のエリアにおいては,商業施設の過度な立地が進み,当初思い描いた土地利用とは異なる姿になりつつあります。このため,国・県などと共に将来を見据えた土地利用のあり方について再検討を行い,本年度中を目途に,留保地利用計画の改訂を行います。この計画においては,ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸計画を踏まえ,にぎわいと回遊の拠点となる新駅を中心とする公共交通結節機能の導入なども盛り込む予定であります。また,総合運動公園に隣接する国有地の新光町46番につきましては,平成26年度より本市が国から無償で借り受け,総面積39.7haのうち約12haについて多目的広場,スポーツ広場及び駐車場等の整備を進めてまいりました。本年度はサッカー協会及びラグビー協会との協働により,スポーツ広場等の芝生化を行ったほか,フェンスやトイレ等の施設も整備したところです。今後もイベントの開催や市民のスポーツ・健康づくりなどの場として利活用を図ってまいります。また,今後,産業・技術の集積や交流人口の拡大等による発展的土地利用を図るためには,返還財産であるひたちなか地区の歴史的経緯や開発の現況などについて広く県内外に紹介し,理解を深めていただくことが大切であることから,引き続き東海村などと共同して,積極的な情報発信やPRイベントを実施してまいります。

茨城港常陸那珂港区につきましては,中央ふ頭地区水深12m耐震強化岸壁が昨年4月に供用開始となり,新たな国際フィーダー航路が開設されるとともに,高速道路と直結する利便性等を活かして,群馬県に立地する自動車メーカーの完成自動車の北米向け輸出が開始されました。一方,9月には日本最大の客船「飛鳥II」が初寄港し,県や東海村,関係団体などと共に開催した歓迎イベントでは,市内外から訪れた多くの方々でにぎわい,本年も寄港が決定するなど,貨物だけでなく大型客船の受入れも可能な港湾として発展しております。平成29年度には,中央ふ頭地区に新たな水深12m岸壁の整備が着工される予定であり,引き続き,港湾機能の更なる計画的拡充を国・県に働きかけてまいります。取扱貨物量につきましては,全体として増加傾向にあり,平成27年は過去最大となった一方,コンテナ取扱量については伸び悩んでいることから,県,東海村等と共同で荷主等への助成を行うコンテナ貨物集荷促進事業費をさらに拡大し,基幹的な航路の維持・活性化や新規航路の誘致などに力を入れてまいります。また,荷主企業等を対象としたセミナーの開催など,引き続き,国内外へのポートセールス等に積極的に取り組み,更なる港湾の利用促進に努めてまいります。

土地区画整理事業につきましては,地価の下落や宅地需要の縮小による収支の悪化を背景に,大幅な計画見直しを行っているところであります。基幹となる都市計画道路や通学路,駅前広場,雨水排水路など公共性の高い施設を優先的に整備すること等を基本に,各地区の状況や特性に配慮しながら,全体事業費の抑制と事業の早期完結を目指して,市内7地区のうち,六ッ野,東部第1は平成27年度に見直しを終え,東部第2,武田,船窪は平成29年度中に見直し業務を完了させる予定であります。また,佐和駅東地区については佐和駅の東口駅前広場及び東口に通ずる都市計画道路の早期開通を目指した見直しに取り組むとともに,阿字ヶ浦地区についてはひたちなか海浜鉄道湊線の延伸事業と整合を図りながら見直しを進めてまいります。佐和駅中央地区につきましては,事業の完結に向けて引き続き清算業務を進めてまいります。なお,組合施行である六ッ野地区につきましては,保留地処分金を前提とした財源の確保が困難である中,都市計画道路整備や六ッ野公園移転整備など公共性の高い事業を早期に進めていくため,平成29年9月を目途に市施行へ移行することとし,本定例会に「水戸・勝田都市計画事業六ッ野土地区画整理事業施行規程を定める条例」を提案しております。

道路につきましては,佐野中学校の通学路である佐野中通り線については,平成29年度中の完了に向け,交差点部周辺の整備を進めております。市北部と東海村とを結ぶ高野小松原線につきましては,用地取得に時間を要しており,引き続き地権者と交渉を行う一方,併行して土地収用法に基づく事業認定の申請手続を東海村と共に進めながら,早期整備を目指してまいります。東中根高場線の高場陸橋につきましては,本年度行った4車線化に向けての検討結果を踏まえ,既存の陸橋については長寿命化を図る補修工事を実施するとともに,その北側に新設橋を増設するための測量・地質調査及び実施設計を行ってまいります。東石川高野線につきましては,六ッ野土地区画整理事業地区への接続に向けて,平成29年度中に高場地内の用地取得を完了させるとともに,高場排水路との交差部分の道路改良工事を実施してまいります。また,国道245号につきましては,拡幅の早期完了及び湊大橋の4車線化を引き続き促進してまいります。

都市公園につきましては,高場2丁目地区内に新設する道脇(みちわき)公園について,地域住民のご意見等を頂きながら,地域に親しまれる公園として整備を進めてまいります。親水性中央公園につきましては,中丸川の治水対策を目的に県が実施する多目的遊水地整備事業との調整を図りながら,用地取得及び工作物等の補償を進め,本年度に着手したビオトープ等に加えトイレ,駐車場,芝生広場等の整備を行い,自然環境を活かした公園として平成29年度の完成を図ってまいります。六ッ野公園につきましては,土地区画整理事業計画の見直しの中で,より充実したグラウンド機能と駐車場等の設備を備えた「六ッ野スポーツの杜公園」として,平成29年度の完成を目指し移転整備を進めてまいります。

生活環境の向上と公共用水域の水質保全を図る生活排水対策として,下水道事業については,市債残高を増加させない範囲で,効果的・効率的な管渠の整備を進めるとともに,戸別訪問や街頭キャンペーン等により,供用開始区域内の接続率向上に努めてまいります。また,合併処理浄化槽については,地域の状況に即し,下水道事業との役割分担を図りながら,設置費用及び単独処理浄化槽の撤去費用の一部を引き続き助成し,水洗化率の向上を図ってまいります。合流式による市単独の下水浄化センターにつきましては,長寿命化計画に基づき,老朽化が進む受変電設備の更新工事を引き続き行うとともに,処理区域内の管路整備により徐々に増加してきた流入水量に対応するため,水処理施設の増設に係る実施設計を行ってまいります。

環境保全につきましては,持続可能な循環型の地域社会づくりを目指して,3つのリーディングプロジェクトを進めております。まず「バイオマス資源利活用推進事業」では,引き続き,生ごみの堆肥化,ほしいも加工残渣の利活用を関係団体や農業者等と連携して推進してまいります。また,「早戸川水質改善推進事業」では,より詳細な水質調査を実施し汚濁原因を明らかにしながら,水質改善に取り組んでまいります。「環境学習推進事業」では,「ひたちなか市の環境を良くする会」と協働で環境講座やシンポジウムを開催するほか,河川や動植物などの自然観察等を通じた体験型の環境学習を積極的に推進し,環境意識の高揚を図ってまいります。

ごみの減量化・再資源化の推進につきましては,資源物を店頭で回収する小売店などが増え,自治会等において貴重な財源となっている資源回収の量が減少傾向にあります。このため,自治会や子ども会が行う資源物回収に対する助成を拡大するとともに,市報等を通じて市民に協力を呼びかけてまいります。また,ごみに混入する資源物も多いことから,分別の徹底を市報等でPRし,ごみの減量を図るとともに,家庭用生ごみ処理容器の普及,使用済小型家電回収,レジ袋の有料化・マイバッグ持参運動及びエコショップ運動を引き続き推進してまいります。可燃ごみの共同処理施設である「ひたちなか・東海クリーンセンター」につきましては,ひたちなか・東海広域事務組合において適切な維持管理に努めるとともに,現在市で委託処理をしている不燃ごみ処分及び資源リサイクル事業については,施設整備も含めた今後の方向性を引き続き東海村と協議・検討してまいります。

市営墓地につきましては,今後も需要が見込まれることから,平成30年度の募集開始に向けて,「たかのす霊園」第6期区画整備の造成工事を行ってまいります。

市営住宅につきましては,既存住宅の長寿命化のための改修工事を計画的に進めるとともに,耐震基準に満たない住宅及び老朽化が著しい住宅について順次用途廃止を進めてまいります。あわせて,不足となる市営住宅戸数については,引き続き民間賃貸住宅を活用した家賃補助により確保してまいります。

公共交通につきましては,現在7コースで運行しているスマイルあおぞらバスについて,休日等の交通渋滞回避や安全運行を図るため,本年4月1日からルート・時刻の一部見直しを行います。また,中心市街地の「子育て支援・多世代交流施設」のオープンに合わせて運行ルートを見直し,中心市街地へのアクセス,利便性の向上を図ってまいります。

ひたちなか海浜鉄道につきましては,本年度の利用者数が,ひたち海浜公園のネモフィラ開花がゴールデンウィークより早まった影響で,新会社発足以来最高であった平成27年度の約98万8千人をやや下回る見込みであるものの,収支は順調に改善しているところであります。引き続き,自立的・安定的な経営に向けて,おらが湊鐵道応援団,沿線の市民や高校等と連携しながら,観光客誘致も含めた更なる利用促進に努めてまいります。また,安全運行を確保するため,「湊線第2期基本計画」に基づく設備投資費補助を引き続き実施するとともに,平成30年度からの次期計画期間においても,継続して支援が受けられるよう,国・県に働きかけてまいります。湊線のひたちなか地区方面への延伸につきましては,昨年5月の「ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸を実現する会」において,延伸の基本ルートを決定したところであります。今後,延伸ルートや駅前広場等の用地確保について,国・県をはじめとする関係機関や地権者と協議を進めるとともに,パークアンドライドや道の駅の整備なども視野に入れながら需要予測の基礎となるアンケート調査等を実施し,平成29年度におきましては,事業スキームや収支計画,資金計画などを内容とする「湊線延伸基本計画」を策定し,平成30年度中の国の事業認可取得,平成36年度の運行開始を目指してまいります。

第6 自立と協働のまちづくりと行財政改革の推進

第6は,自立と協働のまちづくりと行財政改革の推進であります。

本市におきましては,平成22年4月に「自立と協働のまちづくり基本条例」が市民参画の下につくりあげられ,市民,行政,議会による協働のまちづくりが進められております。中学校区単位のコミュニティ組織が地域活動の拠点であるコミュニティセンターの運営を行うとともに,「まちづくり市民会議」を設置して地域の課題解決に向け自主的な取組を活発に進めているところであります。一方,自治会においては転入者の加入減少や高齢化等に伴う脱会などにより加入率の低下が大きな問題となっております。このため,ひとり暮らし高齢者の見守りや住民同士の支え合いなどの地域の諸課題の解決に中心的な役割を果たす自治会の活動を今後も支援していくとともに,市民の自治会加入の促進をはじめ,市は行政としての役割をしっかり果たしながら,更なる協働のまちづくりを進めてまいりたいと考えております。

国際交流につきましては,多文化共生社会の実現のため,多言語による生活情報の発信や日本語教育の機会の充実に取り組んでまいります。また,国際交流協会の活動を支援し,交流イベントの開催等を通じて,市民及び文化圏の異なる方々の相互理解を促進してまいります。

男女共同参画社会の推進につきましては,毎年11月を強調月間とし,男女が共に働きやすい職場づくりに積極的に取り組む事業所を表彰するほか,講演会の開催等を通じて啓発に努めてまいります。

消費生活につきましては,消費生活相談員等による相談事業や,消費者問題に関する情報提供,啓発活動に引き続き取り組んでまいります。

また,市民生活に関わる悩み事や,相続,離婚等の法律的な問題などに関する,市民相談員や弁護士による無料相談事業を引き続き実施してまいります。

行政情報の発信につきましては,市民生活に密接に関わるお知らせや市の事業・政策などが市民の皆様に的確に伝わるよう,「市報ひたちなか」をはじめ,インターネット,ラジオ等のメディアの積極的な活用を図ってまいります。また,公式ホームページにつきましては,本年2月に,情報を検索しやすいレイアウトへのリニューアルやスマートフォン用ページの構築を行ったほか,「子育て支援」及び「観光」に関する情報を集約した特設ページを新設いたしました。緊急時,災害時などの即時・確実な情報伝達にも配慮しながら,利用しやすいホームページの運営に引き続き努めてまいります。また,「市勢要覧」を発行し,市の概要や魅力の周知・PRに活用してまいります。

行財政改革につきましては,平成28年度からの3か年の「第8次行財政改革大綱」に基づき,その基本理念である「財政基盤の確立と更なる市民との協働の推進」を目指して,中心市街地における公共施設の再配置や子ども・子育て支援の推進など,57項目の改革課題について取組を進めているところであります。

国の第三セクター等改革推進債を活用することで破たん処理せず事業継続を図った住宅・都市サービス公社につきましては,西光地地区をはじめ,宅地として売却可能なほぼ全ての土地の適正価格での処分が完了したことから,平成28年12月31日をもって解散いたしました。公社の市に対する約1億2千万円の最終的な債務につきましては,保有する土地による代物弁済と預金からの弁済により完済しており,今後は,清算手続を進めてまいります。

住民の市政参加意識の高揚や,資金調達手法の多様化を目的に発行する「ひたちなか市民債」につきましては,経済情勢や市場金利動向を見極めながら,引き続きより多くの皆様にご購入いただけるよう魅力ある発行条件等の検討を行ってまいります。

マイナンバー制度につきましては,マイナンバーカードによる住民票の写しや印鑑登録証明書,各種税証明書などのコンビニ交付サービスを本年11月を目途に新たに開始し,利便性向上を図ってまいります。あわせて,マイナンバー関連業務の端末に対し,なりすましなどの不正利用をより確実に防止するため,これまでの職員個別のID・パスワードの入力に加えて,職員証などのICカードで個人の識別を行う二段階の認証システムを導入したところであります。さらに,本年7月に予定されている国と地方公共団体相互における税や社会保障などに関連する情報の共有の開始に向けて,情報セキュリティ対策の強化に努めてまいります。

行政組織機構につきましては,産業の振興と合わせ,産業活動等が環境に与える影響への対応に積極的に取り組むため,環境保全課及び廃棄物対策課を市民生活部から経済部に移し,経済部の名称を「経済環境部」に変更いたします。公共交通対策室につきましては,「公共交通政策室」と改め,ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸事業など公共交通に係る重要施策の積極的な推進を図ります。また,国体推進室を「国体推進課」に改め,国民体育大会等の準備体制を強化してまいります。さらに,「子育て支援・多世代交流施設」の開設準備を進めるため,生涯学習課に「子育て支援・多世代交流推進室」を設置するほか,これからの社会保障の最重点課題となる医療と介護の一体的な推進に取り組むため,高齢福祉課に「在宅医療・介護連携推進室」を設置いたします。

市が保有する公共施設等を効率的・計画的に管理するための基本方針を定めた「公共施設等総合管理計画」につきましては,本年度中を目途に改訂し,施設類型ごとの管理方針や全庁的な推進体制を盛り込みます。これにより,公共施設全体の状況を把握しながら,長寿命化や公共施設の機能の複合化・再配置などを計画的に行い,財政負担の軽減・平準化による公共施設の適正な管理を図ってまいります。

那珂湊支所の新庁舎整備につきましては,防災機能を付加するとともに,地域の歴史や市民の活動等に関する展示スペースを設けるなど,那珂湊地区にふさわしい魅力ある庁舎となるよう,平成29年度完成に向け工事を進めてまいります。

旧県立那珂湊第二高等学校の利活用につきましては,平成29年度まで,那珂湊第三小学校の改築に伴う代替校舎として使用いたしますが,その後の利活用につきましては,市民のスポーツ・文化活動の場や若者が学び集う場など,地域の活性化に資するあり方を関係団体等のご意見も踏まえながら,引き続き検討してまいります。

本市が昭和62年以降,買取りを前提に日立製作所から無償借地している石川運動ひろばにつきましては,中心市街地における市民の健康づくりの核となる施設であるとともに,勝田マラソンの会場や災害時の避難場所としても重要な役割を有しております。平成28年11月に実施した不動産鑑定評価において,石川運動ひろば用地取得基金の平成28年度末残高の範囲内での購入が可能となったことから,本年7月末を目途に取得手続を進めてまいります。

広域行政につきましては,2市1村の先行合併として本市が誕生した経緯を踏まえ,茨城港常陸那珂港区の整備やひたちなか地区の土地利用の推進,原子力安全対策などの諸課題を共有する東海村との合併機運の醸成に引き続き努めてまいります。また,住民サービスの向上や効率的な財政運営,産業,観光振興などの観点から,生活圏等を共有する那珂市,大洗町をはじめとする近隣市町村や茨城県央地域定住自立圏における各種広域連携事業を引き続き推進してまいります。

 

以上,平成29年度の施政方針をご説明申し上げました。

本市の市政運営につきまして,市民並びに議員各位の格別なるご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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企画調整課
〒: 312-8501
茨城県ひたちなか市東石川2丁目10番1号
電話: 029-273-0111(代表)
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更新日:2017年03月15日