アスベストQ&A 2 建築物に関すること

ページID1002592  更新日 2023年7月18日

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質問1.アスベストは、建築物等ではどのように使用されていますか?

回答.アスベストは、安価であり、耐火性、断熱性、防音性、絶縁性など多様な機能を有していることから、耐火・断熱・防音の目的で建築材料として、ビル、学校・病院、工場、駐車場、プラットホーム、一般住宅、変電施設などに大量に使用されてきました。その使用形態は大きく分けると以下のようなものがあります。

アスベストの使用形態

(1)吹付けアスベスト

アスベストとセメントとを一定割合で水を加えて混合し、吹き付け施工したもので、耐火被覆用として、鉄骨造建築物のはり、柱等への吹き付けされ、昭和38年頃から50年初頭まで使用されました。

また、吸音・断熱用として、ビルの機械室、ボイラー室、地下駐車場等の他、学校、体育館、工場等の天井、壁などに、昭和31年頃から50年初頭まで使用されました。

(2)吹付けロックウール

昭和50年に吹付けアスベストが原則禁止となった以降は吹付けロックウールに切り替わっていましたが、しばらくの間は、アスベストを混ぜて使用しており、重量比1%を超えてアスベストを含むものを石綿含有吹き付けロックウールといいます。
用途は、吹付けアスベストと同様に、耐火被覆用と吸音・断熱用であり、使用場所などもほぼ同じです。アスベストを混ぜて使用された期間は、昭和43年頃から55年頃までですが、一部の工法(湿式)については、平成元年頃まで使用されていました。

(3)アスベスト保温材・断熱材(石綿含有保温材・断熱材、耐火被覆板等)

アスベスト保温材には、保温材と耐火被覆板があります。板状保温材及び筒状保温材は、各種プラントの塔などの外壁や配管の定形部にボルトや針金等によって固定され使われています。ひも状保温材は、各種プラントの曲管部や施工しにくい部分に巻き付けて使われています。布団状保温材は、各種プラントのポンプ、バルブ、フランジ等の保守点検を必要とする部分等に被せ、その上から針金等を巻きつけて使われています。昭和62年まで製造されていました。
断熱材は、屋根や煙突等の断熱性能を確保するために用いられています。屋根用は昭和58年、煙突用は平成3年まで製造されていました。
耐火被覆板は、吹き付けアスベストと同様に鉄骨材等の耐火性能を確保するために用いられています。平成16年まで製造されていました。

(4)アスベスト成形板(石綿スレート、パルプセメント板、石綿セメントサイディング等)

アスベスト成形板には、平板又は波板状のものがあり、最も代表的なものが石綿スレートです。防火性、耐水性等に優れた性能を持つことから、建物の外壁、屋根をはじめとして広い範囲で使用されています。さらに、化粧を施したものや軽量化したものなど、多くの石綿スレート関連製品があります。
石綿スレートなどは、アスベストとセメント等を固化して造るため、通常の状態での飛散の恐れはありませんが、住宅補修時の材料の切断や解体の時に注意が必要です。

平成17年ごろまで製造されていました。

質問2.建築物でアスベストが使用されているか、どのように調べたらよいですか?

回答.建築物を施工した業者に問い合わせ、設計図書(建築時の施工図・材料表等)で確認します。建築時等の情報がない場合は、目視での確認やアスベストが規制された年代と建築年次、使用されている用途などにより類推する方法があります。ご自身で行うのが困難な場合は、建築業者等にご相談ください。

それでも不明な場合は専門の分析機関に依頼する方法があります。

分析機関は、公益社団法人日本作業環境測定協会等のホームページをご覧ください。

借家・マンションにお住まいの場合は、大家や管理者等に確認してください。

質問3.建築物に吹付けアスベストが使用されていますが、どうしたらよいですか?

回答.吹付けアスベストの劣化状況を慎重に確認し、劣化や損傷が確認されなかった場合は、定期的な点検を行い、良好な維持管理に努めてください。劣化や損傷が確認された場合は、健康被害の恐れがあるため、石綿障害予防規則、大気汚染防止法等関係法令に基づいて、除去、封じ込め、囲い込み等の措置を適切に講ずる必要があります。質問6を参照ください。

質問4.一般の住宅でもアスベストは使われていますか?

回答.店舗併用住宅等、鉄骨造や鉄筋コンクリート造住宅では、昭和30年頃から50年頃までに建設された建物で主に、H鋼やコンクリートスラブの表面に吹付けアスベストが使われている場合がありますが、一般の木造住宅では、吹付けアスベストが使われる例はほとんどありません。

また、アスベストを含有した建材として、住宅屋根用化粧スレートなどのほか、建築物の外装であるサイディング、外壁や間仕切壁等の押出成型セメント板が最近まで使われたりしています(平成16年10月製造等禁止)。これらスレート等の建材はアスベスト成形板と呼ばれ、非飛散性のアスベストです。

なお、過去に使用された石綿製品を安全に処理する技術とその情報に関することは、一般社団法人JATI協会にお問い合わせください。

質問5.住宅にアスベスト成形板が使われていますが、問題はありますか?

回答.アスベスト成形板は、セメントなどで固定しており、切断、穿孔などをしないかぎり、大気中に飛散する可能性は低いため、健康影響の心配はありません。

しかし、アスベスト成形板も物理的に破壊した際には、大気中にアスベストを飛散させる可能性があるため、除去する際には、大気汚染防止法及びその規則において、事前調査及び作業基準が定められています。また建築物解体時は、事前調査結果の報告が必要になる場合があります。詳細は以下リンク先をご覧ください。

質問6.アスベスト含有建築物の解体時の法規制はどのようなものがありますか?

回答.次の法令による規制があります。

石綿障害予防規則、労働安全衛生法

建築物の解体等の工事で生じる石綿粉じんが作業環境を著しく汚染し、労働者の健康に重大な影響を及ぼすことを防止する観点から作業場内での基準等が定められています。

詳細は以下の厚生労働省労働基準局の解説をご確認ください。

大気汚染防止法

建築物等の解体等工事における石綿の飛散防止をするため、全ての石綿含有建材への規制、地方自治体への事前調査結果の報告の義務付け及び作業基準遵守徹底のための直接罰等が定められています。

以下のリンク先をご覧ください。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律、建築工事に係る資源の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)

以下のリンク先をご覧ください。

建築基準法、建設リサイクル法の届出

建築物の大規模な増改築時には、吹付け石綿及び石綿含有吹付けロックウールの除去が義務付けられ、また、石綿の飛散の恐れがある場合には、除去等の勧告・命令ができることが定められています。また、ある一定以上の規模の建築物を解体する場合は届出が必要になります。

詳細は「建築指導課」にご確認ください。

質問7.学校や市の施設で、アスベストが使用されているか心配です。

回答.市では平成17年度に、全ての市の施設について、アスベスト使用状況調査を実施し、疑わしいものはアスベスト含有分析を実施し、判定しました。その結果、調査した292施設のうち18施設で飛散性アスベスト(吹付けアスベスト及び重量比1%を超えるアスベストを含有する吹付け材)の使用が判明しました。

これらの施設は、平成18年12月末までにアスベスト除去工事を実施し、対策を完了しました。

市有施設の飛散性アスベスト使用及び対策状況
施設名 吹き付け箇所 種別 対策状況
大島中学校 図書室屋根裏
機械室天井
吹付けアスベスト 17年8月除去工事完了
西消防署 機械室天井・壁 吹付けアスベスト 17年10月除去工事完了。
前渡小学校 機械室天井 吹付けアスベスト 17年8月除去工事完了。
前渡小学校 階段裏 アスベスト含有吹付けひる石 18年3月除去工事完了。
前渡小学校 音楽室天井 アスベスト含有吹付けひる石 18年3月除去工事完了。
平磯中学校 体育館壁の一部(卓球場天井)
機械室天井
アスベスト含有吹付けロックウール 体育館は、18年3月除去工事完了。
機械室は、18年8月除去工事完了。
堀口小学校 音楽室天井 吹付けアスベスト 18年3月除去工事完了。
那珂湊第一小学校 体育館天井
機械室天井
吹付けアスベスト 18年8月除去工事完了。
中根小学校 倉庫天井 吹付けアスベスト 18年8月除去工事完了。
阿字ヶ浦小学校 倉庫天井 吹付けアスベスト 18年8月除去工事完了。
勝田第一中学校 機械室天井 吹付けアスベスト 18年9月除去工事完了。
勝田第二中学校 機械室天井 吹付けアスベスト 18年8月除去工事完了。
阿字ヶ浦中学校 倉庫天井 吹付けアスベスト 18年8月除去工事完了。
勝倉幼稚園 倉庫天井 吹付けアスベスト 18年8月除去工事完了。
上坪浄水場 配水ポンプ室天井 吹付けアスベスト 18年10月除去工事完了。
十三奉行配水場 物置天井・壁 吹付けアスベスト 18年12月除去工事完了。
枝川小学校 階段裏 アスベスト含有吹付けひる石 18年4月除去工事完了。
教育研究所 倉庫・玄関・2、3階廊下天井 吹付けアスベスト 18年3月除去工事完了。
那珂湊公民館 大会議室天井、ホール階段室天井 アスベスト含有吹付けロックウール 18年6月除去工事完了。
前渡公民館 ボイラー室
壁・天井
吹付けアスベスト 18年10月除去工事完了。

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