第23回 脳血管性認知症の症状と対応

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ページID1013620  更新日 2024年2月1日

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脳血管性認知症について

脳血管性認知症とは

脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって生じる認知症です。典型的な場合、脳血管障害が起こるたびに階段状に低下していきます。また、脳は部位ごとに様々な働きをしているので、脳の損傷を受けている場所によって症状にむらがでることも特徴です。

認知症の症状

中核症状

認知症の原因となる病気で脳細胞が障害され、その影響で認知機能が低下して起こります。認知症では必ず起こり、残念ながら努力で改善できるものではありません。

行動・心理症状

本人の生活や環境、周囲の人との関係などで出方は個人差があります。今まで出来ていたことが出来なくなり、失敗が増えるようになると本人も不安になります。さらに周囲から責められればストレスにより、いろいろな行動や心理症状となって現れます。よって、周囲の人の対応や環境をよくすることで軽減、時には消失することもあります。

 

症状と対応方法

血管障害が起こった脳の部位や範囲などによって症状は大きく変わります

理解し、判断して反応するまでに時間がかかる

特に一度にたくさんの情報や質問、選択肢などを早口で投げかけられると理解しきれず、すぐに反応ができないので、意思表示に時間がかかることがあります。

対応

伝えることをゆっくりはっきり、具体的に。急ぎ立てずに、じっくり時間をかけて反応や返事を待つように心がけてください。

いきなり感情が変わる

さまざまな感情をコントロールすることが難しくなり、喜怒哀楽の感情が通常よりも激しく表れたり、逆に乏しくなったりすることもあります。

対応

ご本人の感情に同調してご家族も感情的になってしまうことで、状況を悪化させることになります。ご本人の安全が確保できる場合には、一度別室に行くなど距離を取っても良いでしょう。ご家族が冷静に対応できる場合は、ご本人が本当は何を言いたいのかをじっくりと聴き、どう感じているのかを理解することで、感情に寄り添った対応ができることもあります。日常生活に支障が出たり、ご本人やご家族の安全が保たれない場合はすぐに病院など専門機関に相談をしましょう。

症状や能力に波がある

脳血管に障害を受けている部分の機能は低下しますが、障害を受けていない正常な部分の機能は保たれます。そのため、「記憶力は落ちても計算は出来る」など大きな能力の差や、時間帯によっても差が出るなど、むらがあるのも特徴の1つです。

対応

他の能力が保たれているということは、自分の状態が自覚しやすく、そのもどかしさや苦しみを強く感じているということでもあります。できないことに目を向け過ぎず、できることを大切にし、ご本人の自信や尊厳に慎重に配慮することが大切です。調子が良い日は、いつもよりも家事をこなせたり、身支度をできたりすることもあります。作業を完了させるまでに時間がかかる場合もありますが、可能な限りご本人自身で自分のことをやってもらいましょう。

予防と対策

脳血管性認知症は脳血管障害を再発することで悪化していくことが多いため、再発予防が特に重要です。危険因子として、高血圧、糖尿病、心房細動、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)、肥満、脂質異常症、喫煙、飲酒などが挙げられています。これらの治療や規則正しい生活、食習慣の見直しを行い、回避できる可能性のある脳血管性認知症の予防に努めましょう。

認知症はその種類によって、治療の方法や対応の方法が変わることもあるので、いつもと違うと感じた時は、出来るだけ早く受診をして、どんな種類の認知症かを調べる事が大切です。

 

 

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