県指定考古資料
10.乳飲み児を抱く埴輪(ちのみごをだくはにわ)古墳時代
昭和31年、道路工事中に、当時大平1丁目にあった大平古墳群最大の前方後円墳から出土しました。顔は平面的にハート型に作られ、目は半月形に刳り抜かれ、周囲が赤く彩色されています。頭には島田髷が載り、櫛が表現されています。最大の特徴は、乳児を両手で抱きかかえる造形で、全国的に珍しいものです。
11.後野遺跡出土石器及び土器(うしろのいせきしゅつどせっきおよびどき)旧石器時代終末期
後野遺跡(後野1丁目)は、本郷川水系の支谷を望む台地上に位置する遺跡で、昭和50年に発掘調査が行われ、A・B二地区より後期旧石器時代の遺物が層位的に出土しました。A地区は軟質ローム層の上部のパミス層から、大型の石斧と大型石刃から作られた掻器、彫器、削器、槍先形尖頭器からなる石器群に伴って、無文土器が発見されました。日本最古の土器のひとつとして、土器発生の研究に重要な資料となっています。B地区では、A地区より下層の軟質ローム層から、細石刃を主体として細石刃石核、彫器、削器等が出土しています。細石刃は、小さな石核から幅5mm(ミリメートル)、長さ3~5cm(センチメートル)度の小さな石器を作るもので、石核の特徴が東北地方以北の石器文化との共通性を持っています。北方系石器文化の南限資料として重要です。
12.東中根遺跡群出土遺物(ひがしなかねいせきぐんしゅつどいぶつ)弥生時代後期
東中根遺跡群は、中丸川と本郷川に挟まれた東中根台地に広がる大和田遺跡・清水遺跡・堂山遺跡・笠谷遺跡・野沢前遺跡などの弥生時代中期末から後期を中心とする遺跡群で、字ごとにいくつかに区分されています。昭和46年から行われた東中根大和田遺跡の発掘調査により弥生式土器や大量の炭化米が出土しました。これらの土器は、弥生時代後期前半の「東中根式土器」の基準となる標識資料です。壷(つぼ)・甕(かめ)・高杯(たかつき)などで構成され、口縁部は指により押圧された隆帯のある複合口縁となり、頸部には櫛描きの連弧文・山形文・平行線文が見られます。東中根堂山遺跡から出土した広口の壺形土器は、高さ30.5cm(センチメートル)のほぼ完全な形で、大きく外へ開いた口縁部には連弧文が、頸部は無文で、その下には平行線文・連弧文が描かれています。東北地方の影響を受けた土器で、弥生時代後期前半のものです。
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